理科読日誌

親子で楽しむ科学の本

暗闇を楽しむ

私が働いている研究所は、保育園も運営しています。
その園で毎月1回、4,5歳児を対象にしたSTEAMワークショップを開催しています。
1年前に始めたころは、「できれば、光や音などよりも、身近な植物などをテーマにしてほしい」という要望をお持ちだった保育士さんたちが、活動を続けるうちに、「どんなものも楽しめるテーマになるんですね!前回のワークショップの後、子どもたちが光と影について、こんなにいろいろな遊びをして、こんな発見をしていたんです、見てください!」と目を輝かせながら、子どもたちの様子をたくさんの写真と共に伝えてくださるようになりました。
嬉しいです。

毎月ワークショップに、関連する科学絵本を持参し、次の月までお貸出ししていたら、保育室の一角に、「るみせんせいコーナー」を作っていただくようになりました。
子どもたちに人気のコーナーになっているそうで、読んだ絵本の話を子どもたちが伝えに来てくれます。
これもまた嬉しいです。

先日、保育士さんたちから、5歳児を対象に1日だけ「夜まで保育」をするのだが、暗闇を楽しめるアイデアは無いだろうか?との相談を受けました。
あれこれ提案しているうちに、蓄光で遊ぼうという話になっていきました。
そこでふとした疑問がよぎりました。
「蓄光の絵本って無いの?」

せっかくのチャンス、絵本も一緒に提供したい!ということで、探してみました。
ありました。
『トリック オア トリート!』(岡本志満子/くもん出版)は、最後の見開きのページに蓄光インクで絵が描かれています。
明るい部屋で絵本を読んで、最後にパチッと明りを消すと、まったく違うイラストが浮かび上がります。
4歳の"みっつん"とベッドで読んだら、大喜び!
すぐさま明りをつけて、絵本をじーっと観察し、「絵、かいてあるよ!」と蓄光インクで描かれた絵を発見していました。
その後は何度も明りをつけたり消したりして、絵が変わる様子を楽しみ、翌朝にも楽しもうとしたけれど、暗くならない…と嘆いていたので、布団にもぐって暗くすれば?と提案したところ、布団に入ったり出たりして楽しんでいました。
せっかくなので、姉妹本の『メリー メリー クリスマス!』・『ハッピー ハッピー バースデー』(岡本志満子/くもん出版)も購入。
これもまた素敵です!

「おばけのまめ 光る限定版」(accototo/ポエムピース)は、蓄光インクで印刷された表紙カバーがついています。
『おつきさまのおさんぽ(新版)』(カワチレン/学研プラス)は、期間限定で蓄光ポスターが当たるかも?という情報につられて購入。
当たらないかなぁ?
とっても発色のよい蛍光インクで描かれたイラストが魅力的です。
お話が進むにつれて月が満ち欠けしていくのですが、満ちるときに下弦、欠けるときに上弦なことが気になってしまった私とは違い、息子は素直に「おつきさま、ふとってる~!」などと形を変える様子を楽しんでいました。

暗闇を楽める絵本という視点で日課の“本屋さんパトロール”をしていたところ『くらいのなんか〈そんなに〉こわくない』(アンナ・ミルボーン文 ダニエル・リエリー絵 青山南訳/すばる舎)と出会いました。
この絵本はページのあちらこちらに穴があいていて、ライトをかざすと、影絵を楽しむことができます。
"みっつん"とベッドに寝転んで、天井に映し出される影絵を楽しみました。
大きめの絵本なので、ページを開きながらライトで照らすのが一苦労ではありますが、とてもワクワクする絵本です。
目下、うまい照らし方を模索中です。

保育園の子どもたちも暗闇を楽しんでくれるといいなぁ。

物理学との出会い

子どもの頃からカタカナが苦手です。
「ポロライドカメラ」だと、ずっと思っていましたし、世界史に登場した人物の名前をノートに取る段階で間違え、そのまま暗記し、テストで×がつくまで気付かないなどということは日常茶飯事でした。
そんな己の特性を長らく忘れていましたが、"みっつん"と絵本を読む生活が始まり、「ひらがなだけ」で書かれた本を読む難しさに四苦八苦するうちに、そのことを思い出しました。
ばばばあちゃんが次々に家具を庭に出す中、なぜ「きょうだい(兄弟)」を?・・・ハッ、「鏡台」か!?とか、書かれていないことを雰囲気で読んでしまったりなどということが、しょっちゅう起こっています。

数年前に、中尾清月堂というお菓子屋さんが
「みまなさに だじいな おらしせ。
こたのび なかお せいげどつうが
ぜたっいに ばれないように どやらきの
リニュアールを おなこいました。」
という広告を出し話題になりました。
言葉の一部分と文脈があると、書かれていない言葉が読めてしまう現象は、タイポグリセミア(Typoglycemia)というそうです。
きっと私の頭の中でもこの現象のようなことが起きているに違いありません。

そんな「自分の目にしているものがちゃんと見えている」自信が持てない私が、先日、"みっつん"と書店に行ったときのこと、絵本のコーナーをいつものようにパトロールしていると「りょうしりきがく」という文字が目に飛び込んできました。
あらやだ、3度の飯と物理が大好物なもので、うっかり見間違えちゃった。本当は何なの?としっかりタイトルを読みました。

『りょうしりきがく for babies』

間違えじゃなかった!
絵本のコーナーの中でも、かなり低年齢層をターゲットにしていそうなエリアに、「量子力学」というタイトルの本が!?
なになに、クリス・フェリーさんがお書きあそばして、村山斉さんが監訳なさっている・・・。

ここで購入を決めました。
こんな素敵な絵本が出ていたのに気づいていなかったなんて、不覚!と思い隣を見ると、またもや衝撃が!

『そうたいせいりろん for babies』(著者・監訳者:同/サンマーク出版)

そんなわけで、ルンルン♪で2冊を連れて帰宅。
その日の寝る前の読み聞かせタイムは、これを読ませてほしい!とアピールして、"みっつん"のお許しをもらいました。

まずは量子力学から。
シンプルなイラストと言葉で量子力学が語られています。
4歳児はどのような反応をするのだろう?と思いつつ読み進めていくと、電子がいられるレールは決まっているという部分に「鉄ちゃん魂」が反応。
「レールの上しかダメだって!」と食いつき始め、エネルギーを得ると一気に隣のレールへ移るという説明に「隣のレールにぴょーん!って行けるね!」と満面の笑み。
さすが、我が息子。励起をエンジョイできるとは、おぬし、なかなかやるな!

思った以上の好反応に調子づき、続いて相対性理論へ。
残念ながら、空間のゆがみはレールほど「鉄ちゃん」のハートには刺さらなかったようでした。
でも、監訳者の言葉として村山斉さんが書かれいてるように、この絵本が"みっつん"の「心に何かを残し『科学を避けない大人』に成長してくれる」といいな、とこっそり願う母なのでした。

安野光雅さんの『はじめてであう すうがくの絵本』(福音館書店)シリーズが大好きなのですが、この物理学シリーズもあと2冊:『ニュートンりきがくfor babies』と『ロケットかがくfor babies』を合わせて揃えたくなりました。

世界の見方

「鉄ちゃん」まっしぐらな"みっつん"、最近は「踏切愛」が強まっています。
1歳の頃から公園に行けば棒を拾って喜んでいたのですが、2歳を過ぎた頃から棒を手にすると「カンカンカンカン♪」と踏切の警報音を口ずさむようになりました。
"みっつん"が我が家の近くにある2種類の鉄道会社の踏切の音を再現するのを聞いて、初めて2社の警報音が違うことに気づきました。

そんな"みっつん"と暮らすうちに、踏切をパーツで認識するようになってきました。
長い棒や縞々のものは「遮断桿(かん)」、×は「踏切警標」、矢印は「方向指示器」といった具合です。
『ふみきりくん』(えのもと えつこ 文・鎌田 歩 絵/福音館書店/2019年)は、もはやバイブルといっても過言ではありません。
『でんしゃだ、でんしゃ! カンカンカン』(津田 光郎/新日本出版社/2011年)も、何回読んだか分かりません。

4歳になり、一人で遊べる時間も増えてきました。
先日、一人黙々と直線や曲線のパーツをつないでレーシングカーのコースを作っていた"みっつん"に「できた、お母さん見て!」と言われて振り返ると、はて?パーツがバラバラで、お世辞にもコースとして成立はしていない様子。
でも、満足げな様子に困惑していると、「カンカンカンカン♪」という効果音が…。
ハッとしてよく見ると、交差点用の×のパーツの下に、カーブを繋げた〇が2個並び、その下に縦に延びる直線のパーツ、そして直交する直線パーツの長い線…あぁ、コースじゃなくて、踏切を作っていたのだね、君は、と苦笑してしまいました。
折り紙をチョキチョキ切っているなぁと思っていると、こんなものができていたり。

  

 

はたまた、トランプで遊ぼうと誘われ、ババ抜きか?七並べか?と思っていたら、こんなものを一緒に作ることになったり。

 

大好きな踏切を通して、形や縞々などを認識しているんだなぁと感心していたときに、素敵な絵本と出会いました。
『すうがくでせかいをみるの』(ミゲル・タンコ 作・福本友美子 訳/ほるぷ出版/2021年)音楽や科学など、家族が好きなことを一通り試してみたけれどピンとこなかった主人公、でも数学は楽しくてたまらない!数学で世界を見たら、こんなに楽しいの♪という数学への愛が溢れた1冊です。
この絵本を読んで、私は世界を科学で見ることがたまらなく楽しいのだということを再認識したり、私とは違う世界の見方を楽しんでいると思われる両親が、科学で世界を見る娘をそっと見守ってくれたことに感謝したり、今は専ら「鉄道」や「踏切」を通して世界を愛でている息子を私もそっと見守っていきたいと思ったりしました。

手の話

幼稚園でおしゃべりに磨きをかけている年少の"みっつん"、子どもならではの自由な発想を微笑ましく思ったり、いつのまにか忘れてしまっていたものの見方を示されてハッとしたりしています。
「~坂道→動物の足の数~」では、坂道を自力で登れるものには足がある、という3歳の"みっつん"なりの理解をご紹介しました。
そこから動物の足の数にも興味が出た様子だった彼と、自宅にあった、動物が登場する絵本を「登場する動物の足の数」に注目して一緒に読んだ話を書きました。
今回は、その後日談です。

それは、ディズニーの「ターザン」を一緒に観ていた時でした。
わけあって、ジャングルでゴリラに育てられたターザンは、成長するに連れて、自分だけ仲間のゴリラたちと姿が違うことを気にし始めます。
ある日、なぜ自分だけ違うのか!?と迫ったターザンを母ゴリラは抱き寄せ、心臓の音を聞かせたり、目も2つ、耳も2つ、鼻も1つ…と「同じ」ところを挙げて慰めます。
手も2つ!と差し出されたターザンの手に、母ゴリラが手を重ねたとき、ターザンは2つの手の「違い」にハッとして戸惑います。
そのシーン、私も夫も、ヒトとゴリラの手の形の違い、親指の付き方の違いに戸惑っているのだと理解し、特段に気に留めてはいませんでした。
ところが、そのシーンをジッと見ていた"みっつん"は、「こう(手のひら側)と、こう(手の甲側)だからじゃない?」と言ったのです。
確かに、同じ人の手でも、手のひらと手の甲では、見え方が全然違います。
なるほど、君はターザンの戸惑いをそう理解したのだね、と思わず唸ってしまいました。

私たち大人は無意識に、「動物の種類が違うことによる手の形の違い」に着目をしましたが、"みっつん"は「手の向きによる形の違い」に注目していたのが印象的だったので、理科読してみました。
まずは『むかいあわせ』(よつもと あきら/かがくのとも特製版・1985年3月号/福音館書店)。
自然の中にあふれるシンメトリーな形がたくさん登場するのですが、途中にアシンメトリーなヤドカリが登場するところがお気に入りです。
"みっつん"も「あれ~?ちがうね~」とツッコミを入れながら楽しんでいました。

続いて『あしのうらのはなし』(やぎゅう げんいちろう/かがくのともえほん/福音館書店)。
この本にはゴリラも登場します。
「ゴリラだね」とのことだったので「ゴリラの手はどんな形?」と聞いてみるとじっくりとページを眺めて「ゴリラのあしのうらとてのひらは、よくにている」と絵本に書かれた文を読み上げていました。
ひらがなが読めるようになってきて、自分で口に出して読み上げることで、言い回しを獲得したり、理解を深めたりしている様子が見られるようになってきました。

『どうぶつのあしがたずかん』(文:加藤由子/絵:ヒサクニヒコ/岩崎書店/1989年)を読んだ後、"みっつん"が生後1か月、1年、2年の手形・足形を一緒に見比べ「成長だね」と言うと、「成長だね」と満足そうな様子でした。

『ほんとうのおおきさでみてみよう! だれのあし?』(写真:福田豊文/監修:今泉忠明/ひさかたチャイルド/2019年)を読み、動物園で確かめたくなっていた時に、ホワイトタイガーの足の裏は何色?というテレビのクイズと出会った"みっつん"は「ピンクだって!」と興奮気味に報告してくれました。
興味関心が湧いている時に関連する情報があると、自力でグイグイ吸収していけるのだなぁと実感した出来事でした。
やり過ぎにならない程度に、さりげなく環境を整えて、そそのかしていきたいです。

※ 写真:息子生後1か月と3歳の時の手形

 

マメを育てよう!

"みっつん"が幼稚園に入り、これまで以上にボキャブラリーや言い回しが豊富になってきました。
お友達や先生方から吸収したと思われるフレーズに加え、絵本発と思しきネタもしばしば登場します。

そんな"みっつん"は、ほぼ毎晩寝る前に「えほん よんで!」という攻撃をしかけてきます。

  
廊下の壁面に数十冊の絵本を「面陳」しているのですが、そこから、容赦なく5,6冊抱えてベッドへと攻め込んでくるのです。
2,3冊目でこちらが睡魔に負けようものなら、「ちゃんと よんで!」と(文字通り)たたき起こされる毎日です。


そんな"みっつん"がここのところハマっていたのが、『カストールのたのしいまいにち まめをそだてよう!』(ラーシュ クリンティング/偕成社/2000年)です。
1週間ほど、「鉄ちゃん」お気に入りの電車や踏切の絵本と共に、毎晩読みました。
すると、ある日突然「ぼくねー、 なんか まめを そだてたくなっちゃった」と言い出したのです。

これは大チャンス到来です。
「どんな豆を育ててみたいの?」と尋ねると、「うーんとね…」と熟考の末、「えだまめ!」との回答。
翌日、豆の在庫があるか確認する約束をして、その夜は眠りにつきました。
翌朝、キッチンにあったダイズ、インゲンマメ、黒大豆を植えてみたいとのことだったので、「このまま植えればいいんだっけ?」と聞いてみると、「ちょっと まってて」と寝室に『まめをそだてよう!』を取りに行き、「みずを はった どんぶりが ひつようです!」とのこと。
「うえるふかさに しるしをつけた ぼうもね!」と、絵本の中で主人公のビーバーが、庭師さんの栽培ノートを確認しながら栽培していたように、絵本で手順を確認する姿に、我が子ながら天晴れ!と思いました。

芽が出るかわからないけれど、「やってみたい」気持ちを大切に、チャレンジしてみることにしました。
せっかくダイズなどの豆を植えたので、鉄は熱いうちに…と夜の絵本タイムに豆の絵本を仕掛けてみました。

まずは『だいず えだまめ まめもやし』(こうや すすむ 文・なかじま むつこ 絵/かがくのとも 1992年6月号/福音館書店)を読んだのですが、春に撒くという情報に母子でガビーン!となりました。
が、「ふゆになったら、おうちに いれてあげれば?」というアイディアが出てきたので、何はともあれやってみることにしました。

ほかにも『ピーナッツ なんきんまめ らっかせい』(こうや すすむ 文・中島 睦子 絵/かがくのとも 1987年10月号/福音館書店)、『あつめた・そだてたぼくのマメ図鑑』(盛口満/岩崎書店/2015年)などをまとめ読みしてみました。
ちょうど、殻ごと販売されていたハシバミの実(ヘーゼルナッツ)を買って食べたばかりだったので、体験と本で読んだこととが、いろいろとつながった様子でした。
また、ピーナッツ・バターや柿ピーなど、食べたことのあるものが登場しているところも、食いつきがよかったポイントでした。

そんな日々を過ごしていたところ、たまたま「ピタゴラスイッチ」で、ビーバーの巣について扱っていた回を観ることができました。
カストールの絵本や、ディズニーの「わんわん物語」に登場するビーバーを初めて実写で見ることができ、息子の中に、また1つつながりができたようでした。

坂道→動物の足の数

前回の記事では、3歳の息子が「どうして、おやねには、こういう(とんがり屋根を手で作って)のと、こういう(平らな屋根)があるのに、こういう(V字形)のはないの?」という疑問をぶつけてきたのをきっかけに、『分水嶺さがし』(野坂 勇作/たくさんのふしぎ 2016年8月号/福音館書店)を思い出して、屋根に降った雨水がどうなりそうかを一緒に考えてみたところ、3歳児なりに「あぁそうか」と納得できた様子だったことを書きました。
今回は、その後日談です。

屋根の形について考えた翌日、息子と幼稚園に向かっていたときのできごとでした。
片手で息子と手をつなぎ、片手で自転車を押しながら、幼稚園の手前にある、急な坂道を登っていました。
ふと前日の屋根談義を思い出し、「この坂道に雨が降ってきたらどうなると思う?」と尋ねてみました。
すると「ジャーって ながれる!」との回答。
「じゃあ、ビー玉はどうなると思う?」と尋ねると、
「ころがっちゃう!」。

いいぞ、息子よ、重力を感じているね、と思いつつ、いじわる母は仕掛けてみることに。
「じゃあ、私たちは、どうして転がらないで、坂を登れるんだろう?」、
「・・・・・・あしが あるから!」。
なるほど、君、賢いね!と思いました。

「足があったら、坂を登れるのかな?じゃあ、ネコちゃんには足ある?」、
「ある!」、
「ネコちゃんは坂、登れる?」、
「のぼれる!」、
ワンちゃん/アリさんについても確認してから、「自転車は?」と聞いてみました。

「自転車にも足、ある?」、
「じてんしゃは タイヤがついてる!」、
「坂、登れる?」、
「・・・・・・おかあさんが がんばってるから・・・。」、
「そうだね~。お母さんがいなくて自転車だけだったら登れないけど、足があるお母さんが頑張れば、自転車も坂を登れるね」などと話している間に坂を登り切った朝でした。


我が家にはクアドリラというおもちゃや、ロジックというおもちゃがあります。
どちらも自分でコースを組み立てて、ビー玉を転がして遊ぶおもちゃです。
手を動かしながら、傾きがないとビー玉が転がらないことを体感している様子です。
そんな息子と楽しめるのが、『ころころころ』(元永定正/福音館書店/1984年)です。
色とりどりの玉がころころと転がる様子がかわいらしく描かれています。


会話をきっかけに、動物の足の数にも興味が出てきている様子だったので、自宅にあった動物が登場する絵本を用意して、「登場する動物の足の数」に注目して一緒に読みました。
『ねえ だっこして』(竹下文子:文 田中清代:絵/金の星社/2004年)→ネコ、
『ずーっと、ずっと、だいすきだよ』(ハンス・ウィルヘルム:えとぶん 久山太市:やく/評論社/1988年)→イヌ、
『ハエトリグモ』(池田 博明:文 秋山 あゆ子:絵/福音館書店/かがくのとも 2016年8月号)→クモ、
『ファーブル先生の昆虫教室』(奥本大三郎/ポプラ社/2017年)→昆虫など。


「科学の本を読む」だけではなく、「科学的な視点で読む」のも理科読だよね、と改めて思った1日でした。
動物の足(手?)については、もう1つエピソードがあるので、改めてご紹介したいと思っています。

屋根の形

それは、突然の一言でした。
朝食の片づけをしていると、3歳になった"みっつん"が突然、「おかあさんに おはなししたいことが あります」と話しかけてきました。
「なあに?」とお皿を洗いつつ尋ねると、
「どうして、おやねには、こういう(とんがり屋根を手で作って)のと、こういう(平らな屋根)があるのに、こういう(V字形)のはないの?」と思いもよらない質問が。

さぁ、大変!
これは、チャンスです。
せっかくの疑問の種に、どんな水やりをしたら、芽が出るか!?
お皿そっちのけで、沈思黙考・・・さしずめ、木魚がポクポクポク、チーン!といったところでしょうか。
「それぞれの屋根に、雨が降ったら、どうなると思う?」と尋ねてみると、
「これ(三角屋根)は、じゃーってなって、これ(平ら)は・・・?」と悩んでいる様子。
そこで、「平らなテーブルでお水をこぼしたら、どうなる?」と聞いてみると、
「はしっこまでいってジャーって落ちる!」と満面の笑み。
「じゃ、こう(V字)なってたら?」と聞くと、しばらく考えたのちに、
「プールみたいになる!」との答えが返ってきました。

『分水嶺さがし』(野坂 勇作/たくさんのふしぎ 2016年8月号/福音館書店)を読んで以来、「あめふりくまのこ」を替え歌して、「お山の高いところには、あっちと、こっちの境目が。そうです、そこが分水嶺♪」と歌ってきた甲斐があった!と勝手にほくそ笑んでしまいました。
坂道について、もう1つエピソードがあるので、改めてご紹介したいと思っています。

カタツムリ

春を感じたと思ったら、日中は暑いくらいの日が増えてきました。
そうこうしているうちに、あっという間に梅雨がやってきそうな気がします。
みなさんは、梅雨というとどんなものを思い浮かべるでしょうか?
「雨に濡れるアジサイとカタツムリ」というモチーフが浮かんだ方は多いのではないでしょうか?

昨年の梅雨時期、当時2歳だった"みっつん"と「かたつむり」を歌い、「お散歩しながらカタツムリを探してみよう!」ということになったのですが、これがなかなか出会えなかった!
アジサイはご近所にもたくさん咲いておりました。
花のない時期には気づかなかったのですが、こんなにたくさん植わっていたのかと驚くほどでした。
ところが、カタツムリとは一向に出会えませんでした。
でも、"みっつん"よりも私がカタツムリに出会いたくなってしまっていたので、まずは本で情報収集をしてみることにしました。

図書館で取り寄せた
『うまれたよ! カタツムリ』(武田晋一 写真/ボコヤマクリタ 構成・文/岩崎書店/2013年)
『かたつむり』(夏目 義一 作 /三枝 博幸 監修/福音館書店/月刊「かがくのとも」1997年3月号)
を"みっつん"と一緒に読みました。

その結果、私の方が
「赤ちゃんカタツムリって泳げるんだ!」
「食べたものでウンチの色が変わるの!?」
「けっこう なんでも食べちゃうんだ!」
などと発見が止まらず、大興奮してしまいました。

そして、梅雨時期のイメージが強いカタツムリですが、通年で出会えるチャンスがあることを確認し、気長に探す作戦に変更したのでした。

ところが、カタツムリへの情熱は長くは続かず、いつのまにか「カタツムリ探し」のミッションを忘れてしまっておりました。
ところが、出会いは10月に突然訪れました。その日は、仕事の間、ベビーシッターをお願いしていたのですが、仕事から帰宅すると、「かたつむり、つれてきたの!」と"みっつん"からの報告が。
"みっつん"が指さす方を見ると、テーブルの上に、オヤツに用意したヨーグルトのカップがのっています。
もしや、と思って中を覗くと、緑の葉っぱの上に直径1㎝ほどの殻に隠れたカタツムリがコロンとのっていました。
「散歩途中のブロック塀のところにいたんです。」とシッターさん。

それを聞いて、以前、テントウムシの蛹を探したときのことを思い出しました。
あの時も、葉っぱの上ばかり探して出会えなかったテントウムシの蛹が、ご近所の外壁にたくさんいたように、カタツムリもアジサイの葉っぱばかり探していては駄目だったんですね・・・。

「ムシ」が怖い"みっつん"は、カタツムリに興味はあるものの、おっかなびっくりといった様子だったので、「カタツムリはとてもゆっくり動くから怖くないよ」と伝えてみたのですが、半信半疑な様子。
そこで、視点を変えて、「カタツムリはね、虫じゃなくて、貝の仲間なんだよ」と伝えてみました。
すると、アサリやシジミなど貝は美味しいということを思い出したようで、「じゃあ、こわくないね!」と笑顔になり、興味深そうに殻に閉じこもったカタツムリをながめていました。

「かたつむり」の歌に登場した、「あたま」や「めだま」や「つの」、「やり」を見たいのですが、なかなか殻から出てきてくれません。
そこで、絵本を参考にキャベツやニンジンなどを用意して、数日間、我が家に滞在してもらいました。
(あとになって、『小学館の図鑑NEO 飼育と観察』が自宅にあったことを思い出しました。)

その後、「アジサイの葉っぱ」という先入観を捨てたことで、同じブロック塀や、近くの墓地の水道のところなどでカタツムリを見つけられました。
今年の梅雨時期には、カタツムリと出会えるか、今から楽しみです。

地図・地形と鉄道を楽しむ

3歳になった"みっつん"は、「子鉄」まっしぐら。
絵本も鉄道関係のものが大好きです。
図書館の絵本コーナーにズラリと並んだ背表紙たちの中から「これがいい」と抜き出した絵本が『はこねのやまの とざんでんしゃ』だったりするので、驚かされます。
背表紙のタイトルを読んでいるという感じではないので、「でんしゃ」という文字のまとまりを映像として認識しているのでは?と思っています。

そんな息子の最近の楽しみの1つが、お風呂に入浴剤を入れること。
日本の名湯シリーズや、姉からもらった屋久島の入浴剤をしばらく楽しんでいたのですが、「やくしま どこ?」と聞かれ、これは地図を見せながら話した方が早いかな?と思い立ちました。
これまでも、気象予報を見ながら「ほっかいどー!」を覚え、以来、乳製品のパッケージなどに描かれた北海道に反応していたので、地図を楽しめるのでは?と考えたのです。
大好きな鉄道のルートも、日本地図を見ながらだと、より楽しめるかも?ということで、夫が立体的な日本地図を探して購入し、リビングの壁に飾ってみました。


この地図を見て、屋久島にかなり高い山があることを知りました。
親戚が住んでいる所や、何か美味しいものを食べたときには、その食材がどこからやってきたか?など、手近に地図があることで、新しい話題が増えました。

地図があることで、絵本の読み方も変わってきました。
先ほどご紹介した『はこねのやまの とざんでんしゃ』の「はこね」がどこにあるのか、読み終わってから地図で確かめてみたのです。
これまで読んできた鉄道絵本たちも再登場。
『チンチンでんしゃのはしるまち』 の舞台、長崎はどこ?
『モノレールのたび』・『まちからうみへ はしれ江ノ電』 に登場する湘南モノレールや江ノ電はどこを走っているの?
『ふみきりくん』のモデルになった京成電鉄海神駅はどの辺?
など、絵本に登場する町がどこにあるのか親子でワクワク確かめています。

また、息子のお気に入りの1冊、『でんしゃをはこぶ』は、えちぜん鉄道の陸送をモデルにした話です。
どうやら兵庫県の尼崎にある車両メンテナンス工場から、京都の山道を通って福井駅までの旅のようだ、ということで道のりをなぞってみたり、
自宅近くを流れている多摩川が登場する『日本の川 たまがわ』を読んでは、奥多摩から東京湾までの川の流れをたどってみたり。
もっとも、息子にとっては、この絵本も川の絵本ではなく「いろんな でんしゃが でてくる ほん」になってしまうので、「鉄愛」恐るべしです。

地図が立体なので、山から低い方へ水が流れる様子もよくわかります。
お気に入りの新幹線のルートを確かめてみると、高い山々を避けて線路がとっていることも実感できます。

"みっつん"と過ごしていると、「好きこそものの上手なれ」という言葉を実感します。
「鉄道」好きを極めているうちに、トーマスにハマり、車体番号で数字を覚え、車体の色で、「あか」や「あお」など色に興味を持ち、二か国語で放送されているアニメを見ているうちに、日本語のほかに「えいご」という言葉があることに気づき・・・鉄道の図鑑やカードゲームを通して、「きゅうしゅう」や「おおさか」などといった地名にアンテナを張り始め・・・。
私から見ていると、なぜそんなにも「鉄」なのか?と疑問に思うことが無いわけではないのですが、"みっつん"なりの世界の捉え方・広め方があるのだと腹をくくって、これからも見守っていきたいです。

『はこねのやまの とざんでんしゃ』(横溝 英一/福音館書店/かがくのとも傑作集1993年)
『チンチンでんしゃのはしるまち』(横溝 英一/福音館書店/かがくのとも傑作集/2002年)
『モノレールのたび』(みねお みつ/福音館書店/かがくのとも絵本/2017年)
『まちからうみへ はしれ江ノ電』(持田昭俊/小峰書店/2005年)
『ふみきりくん』(えのもと えつこ 文・鎌田 歩 絵/福音館書店/2019年)
『でんしゃをはこぶ』(鈴木周作/福音館書店/かがくのとも2020年2月号)
『日本の川 たまがわ』(村松昭/偕成社/2008年)

言葉と体験

おかげさまで"みっつん"も2歳後半になり、母譲りのおしゃべりに磨きがかかってきました。
母の陰謀で、大量の絵本、しかも内容的にかなり理科に偏りのある絵本を読み聞かせてしまっていますが、最近では自発的にキンダーブックやかがくのともなどを「これ読んで!」と持ってきてくれるようになったので、それなりに楽しんでもらえているのでは?と前向きに捉えています。
そんな"みっつん"は、絵本や私たち親とのやり取りで獲得した言葉にも、やや偏りがありまして・・・。

たとえば、私が台所で野菜を切っていると、横に来て「だんめんず!」と言うようになったのは、間違いなく『だんめんず』(加古 里子/福音館書店/かがくのとも絵本2018年)の賜物です。
見えている外側と、切ったときに初めて見えるようになる内側の様子との関わりについては、『やさいのおなか』(きうち かつ/福音館書店/1997年)や『やさい いろいろ かくれんぼ』(いしかわ こうじ/ポプラ社/2011年)などを繰り返し読みながら深めているようで、絵本で得た言葉・出会った概念と、生活での体験とが往還しているように思います。

さて、以前にも書いたのですが、そんな"みっつん"は虫があまり得意ではありません。むしろかなり苦手です。
公園で出会う「ありさん」も、遠くから見ている分にはいいけれど、触れられそうなほど近くに来られるのは、遠慮したい彼にとって、自宅のあちらこちらでピョンピョン飛び跳ねている小さな「くもさん」も、恐怖の対象でした。
壁や床にいるのを見つけては、その場に固まって、じっとクモの行方を見つめておりました。
そこで、少しでも恐怖心が和らいだらいいな、と思い、『ハエトリグモ』(池田 博明:文・秋山 あゆ子:絵/福音館書店/かがくのとも2016年8月号)を一緒に読みました。
その日から、なんとなく怖かった「くもさん」は、「ハエトリグモさん」に昇格。
今ではクモを見かけると「ハエトリグモさん、今日も虫食べてね。バイバーイ!」と言葉に出すことで、まだちょっぴり怖い気持ちをなんとかコントロールしようとしている様子です。

よく知らないものに恐れを抱くのは、大人でも同じこと。
そのときに、絵本などを通して相手について知ることは、恐怖心を克服するために大切なのだと再認識しました。

言葉と体験の関係について、もう一つ感じていることがあります。
それは、言葉(概念)があることで、観察の視点が豊かになる、ということです。
根っからの「鉄ちゃん」な"みっつん"は、電車が登場する絵本たちが大好きです。
『チンチンでんしゃのはしるまち(横溝 英一/福音館書店/かがくのとも傑作集/2002年)でパンタグラフや分岐という物を知ると、街で見かける電車や線路を見ては「ぱんたぐらふ!」、「ぶんき!」と大喜び。
その部分に注目して観察を続けた結果、パンタグラフに◇の形をしたものや>の形をしたものがあることを発見したり、線路の分岐は駅の近くにたくさんあることに気づいたり…。

最近のブームは、「ワイパー観察」です。
電車や車を観察していて、2本のワイパーが平行に動くものや、内⇔外と動くもの、縦のもの…といろいろあることに気づいた"みっつん"は、大好物の電車図鑑たちを見る時も、専らワイパーに着目をしています。
「この電車には3本ついてる!」、「こっちは4本!」と発見が尽きません。

"みっつん"と絵本を読むようになって、私自身も新たな発見の連続です。
ついつい、より長く生きてきた分、"みっつん"よりもあれこれ知っているつもりになってしまい、私が選んだ本を与えているつもりになってしまうことがあります。
でも、先入観も何もなく読み進めた"みっつん"が発見したことを伝えられて、「そんなことが描いてあったの!?」とびっくりしたり、「そんなところに注目して読むことができるのか!」と教えられたりしています。
子どもってスゴいと改めて感じています。

雨上がりのシャボン玉

昨日は、朝起きた時には霧雨が降っていましたが、朝食を食べているうちに雨が上がりました。
地元の図書館で30分以内の閲覧や貸出しが再開になったので、数か月ぶりに"みっつん"と図書館に行くことに。
図書館大好きっ子だった"みっつん"は、「きょうは としょかん はいれない」、「はやく ばいきん ばいばいすると いいねー」などと自分に言い聞かせながらいじらしく我慢を続けてくれていましたので、「短い時間でも、書棚の前まで行くことができ、自分で本を選べたら、どんなに喜んでくれるかしら?」と思いつつ、出かける準備をしていました。
さぁ、出発!と思ったら、「これ読む」と"みっつん"が廊下の本棚から1冊の絵本を持ってきました。

急ぐ旅でもなし、まぁいいか、と思いながら何気なく手渡された絵本を見ると『あめあがりのしゃぼんだま』でした(昨年の『ちいさなかがくのとも』6月号です)。
「これはまた、今日のお天気にピッタリの絵本を選んだこと!」と感心しながら、久しぶりに読みました。

昨年、1歳の"みっつん"と読んだときには、「シャボン玉を作る」ということを中心に楽しみました。
自分の吹く息の強さを調節する、ということがなんとかできるようになった頃でした。
何回か吹いたらもう満足で、あとは母に作らせたシャボン玉を愛でる時間の方が長かったように思います。
そんな"1歳のみっつん"と一緒に読んでいた時には、私の読み方も「吹き方を変えると大きさが変わる」というところに重点を置いていました。

でも、"2歳のみっつん"は、シャボン玉を作ることはお手の物になってきました。
すると、不思議なことに母親の私自身の読み方も変わっていました。
昨日は「雨上がりの葉っぱや石などの上に落ちたシャボン玉はなかなか消えない」というところが気になったのです。
そして絵本を読みながら、「今日は試してみるのに絶好のコンディションなんじゃ?」とか「使いかけのシャボン液がちょうど残っているぞ」といった野望が脳裏をよぎっていきました。

"みっつん"自身は、絵本を読んだことで満足して「じゃ、おさんぽいく?」と気持ちを切り替えているにもかかわらず、私の好奇心がうずうずしてしまい、シャボン玉セットを持って家を出ました。
そして、そのまま玄関先でしばらくシャボン玉タイムにしてしまいました。
最初は私が雨に濡れた木々を狙ってシャボン玉をつくって、「シャボン玉、割れずに残ってるね。」と指さしてみたところ、「ほん(本)と いっしょ!」と食いついてくれました。
その後は"みっつん"もシャボン玉を作り、割れずに残ったシャボン玉を1つ1つ指でつついてはじけさせるという新しい遊びを楽しみました。


10分ほど雨上がりのシャボン玉を堪能してから、図書館に行ってきました。
最初は、感染防止対策が施されて少し雰囲気の変わった図書館に恐る恐る踏み入れていましたが、お目当ての本棚の前に到着すると、「これ!しんかんせん!」と大好きな新幹線の絵本を取り出し、嬉しそうでした。
背表紙には漢字で「新幹線100点」とあるだけなのに、あまたある絵本の中から迷うことなく一発で取り出している様子に、よく覚えていたなぁとただただ感心するばかりでした。
そして、図書館にまた通えるようになったことが本当にありがたいです。
感染症の予防には気をつけながら、たくさん読んで、たくさん体験していきたいです。

 

『あめあがりのしゃぼんだま』
吉田瑠美
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年6月号
¥407+税

みつけた!テントウムシの抜け殻!!

昨年、"みっつん"と一緒に『はっぱのうえに』を読んでから、ずっと気になっていたテントウムシのさなぎをついに見つけました!

この本を読んだとき、1歳数か月だった"みっつん"は、テントウムシの何たるかを知らず、私だけが「おお~、テントウムシのさなぎなんてあったのかー!」と感動をしていました。
この本を読む前から、「知って」はいました。多くの昆虫は卵からかえって幼虫になり、さなぎになって、成虫になるということは。
トンボの幼虫がヤゴであることも「知って」いたし、セミの抜け殻も見たことも触ったこともありました。テントウムシだって、もちろん「知って」いました。
でも、それだけでした。

テントウムシの幼虫なんて気にしたこともありませんでしたし、いつ、どこでさなぎになるのかも、考えたこともありませんでした。

だから、この絵本に出会って、ハッとしました。
テントウムシも、それ以外の昆虫たちも、いつ、どこでさなぎになっているのだろう?あれ、私セミしか知らないぞ!と。

それからというもの、テントウムシのさなぎが猛烈に見たくなりました。絵本では、ノエンドウが咲いている頃のようだったので、"みっつん"との散歩の折りに、目を凝らしてもみましたが、ついに見つけることができぬまま、昨シーズンは終わりました。

人間というのは、残念な生き物ですね。あんなに見たいと思っていたテントウムシのさなぎのことをコロッと忘れてしまっていました。

我が家は廊下に夫の手作りの絵本コーナーがあります。
季節の変わり目や、私の気分がノッた時に入れ替えをしています。
この春にも、「虫」の絵本たちを飾るために引っ張り出してきて…『はっぱのうえに』の表紙を見るなり思い出しました。
そうだった、私はテントウムシのさなぎを見たかったんだ!と。
幸い、ノエンドウが咲く前に思い出したので、頑張って探せば、今年こそ見つかるだろうと高を括っていたのですが、「虫おんち」の私にやすやすと見つかるほど、テントウムシのさなぎは目立つものではなかったようで、今年も見つけられぬままノエンドウが咲き、実り…河川敷の草刈りの餌食となってしまいました。

あぁ、また来年のチャレンジか…と思った矢先に、親戚から写真が送られてきました。ステイホームの日々の中で、少しでもほっこりできる写真をとお互いに送り合っていたのですが、その日送られてきた写真は、壁に小さな黒っぽいツブツブがついている写真でした。はて?これはいったい?と思っていると、「我が家の壁でテントウムシがいっぱいさなぎになってます。」とのメッセージが!

ええぇー!?「はっぱのうえ」じゃなくてもいいの!?とビックリ仰天。と同時に、わざわざ写真を送っていただいたことに温かい気持ちになりました。

早速、"みっつん"に絵本と写真とを見せながら、「テントウムシが壁でさなぎになって、大人になったんだって。絵本と一緒だね。」と話すと、2つを見比べながら、「いっしょだね!」と感動を分かち合ってくれました。

その日から、"みっつん"とのお散歩タイムで、見る場所が変わりました。「はっぱのうえ」とは限らない、壁にいるかもしれないんだ。そう思ったとたんに、目に入ってくるようになるから不思議です。

いつもの散歩道で、みつけた!!

白い壁にポツポツと。あぁ、きみたちは、ちゃんとここでさなぎになっていたんだね、気づきませんで失礼しました。
観察には「視点を持つこと」が大切なのだとつくづく思いました。

虫には興味が出てきたけれど、まだ至近距離で動かれると、おっかなびっくりな"みっつん"にとって、動かない「さなぎ・抜け殻」は安心してじっくり観察できる対象のようで、しばし母子で壁を指さしながら観察タイムとなりました。

通りすがりの方たちには、さぞ奇妙な親子だったと思います。

絵本がきっかけになって母の興味関心が掻き立てられ、一旦は忘れるも再びきっかけを得て、ついに母子で実体験を得るという2年越しのプロジェクトでした。

来年は、もっと見つけられそうな気がしてきました。と同時に、テントウムシ以外はどうなんだろう?と新しい課題がむくむくと頭をもたげ始めています。

 

『はっぱのうえに』
たての ひろし
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年4月号
¥440(税込み)

道具を楽しむ

"理科"と言いつつ、発明や数のことなど、なんでもござれな理科読は、昨今流行りの"STEM"読なのでは?などと思う今日この頃。
でも、"STEM"読はカッコ悪いので、やっぱり「理科読」って呼びたい、なんて思いつつ、今日も"みっつん"と読書に遊びに精を出しております。

思い返せば1年前、1歳2か月で最初に発した意味を成す言葉が「ねじ」だった"みっつん"・・・。
1歳の冬に「ねじ」と「ねじ回し」との出会いを果たし、1歳1か月で父親のドライバーを奪取。
出かけた先々で、ねじをさがして回り・・・その後、他の物へと興味が移るも、再び訪れる「ねじブーム」。
そんなこんなで、2歳2か月にして人生で3度目の「ねじブーム」に突入しました。
背が伸びるにしたがって"みっつん"の視界が変わり、我が家のいたるところで、手すりの下側とか引出しのすき間といった「気づかれざるねじ」を発見して回っています。

そんな"みっつん"と折に触れて楽しんでいるのが、『ねじ』です。
鉛筆で描かれたシンプルながら味わい深い「ねじ」たち、そして、いかに身の回りで「ねじ」が活躍しているかに目を向けてくれる1冊です。

ねじ好き"みっつん"の最近の口ぐせは「だいくしごとを しようっと」。
そのものズバリ、『だいくしごとをしようっと』の真似です。
ビーバーのカストールが、図面を見ながら様々な道具を使いこなして、大工仕事を進めていきます。
カストールはシリーズものの絵本で、他にもケーキを焼いたり豆を育てたりしています。
その丁寧な仕事っぷりには、ほれぼれしてしまいます。
絶版なのが残念な限り。
古本屋さんをパトロールして、ようやく手に入れました。

先日、ガリレオ工房のメンバーから、「のこぎり ぎこぎこ、つぎは2本・・・」と、だんだんのこぎりが増えていく手遊びを教えていただいた"みっつん"。
のこぎりを見ると、「のこぎり ぎこぎこ」と嬉しそうに手遊びに誘ってきます。

ならば、他の道具も楽しもうじゃないか、ということで『これさえあれば -だれのどうぐ?-』も読みました。
いろいろな仕事に使う道具が「だれのどうぐ?」とクイズ形式で紹介されている絵本で、大工さんに続いて登場するのがクシやハサミなど床屋さんの道具です。
すると"みっつん"が「キンジロウ!」と目を輝かせました。
2歳の誕生日に親戚からいただいた『ネコのとこやさん』を連想したようです。
絵本で読んだものや暮らしの中で目にしたものとが日々豊かにつながってきているのを感じます。

先日も、バス停の近くで突然、「とこやさん!」と言われ、何の話?とキョロキョロすると、"みっつん"が指さした先には、確かに床屋さんの証、くるくる回るサインポールがありました。
かれこれ10年近く暮らしている町なのに、そこにサインポールがあるなんて、床屋さんがあるなんて、目にしていたのに「見えていなかった」ことに気づかされました。
その日は出かけた先々で「とこやさん!」と"みっつん"がサインポールを次々に発見してくれて、街中にこんなにたくさん床屋さんがあるということを初めて意識しました。

 


『ねじ』
角 愼作
福音館書店
2015年かがくのとも12月号
¥389+税
※月刊誌のバックナンバーなので、図書館でぜひ

『だいくしごとをしようっと』
ラーシュ・クリンティング作 とやま まり訳
偕成社
1999年
※絶版なので、図書館でぜひ

『これさえあれば -だれのどうぐ?-』
杉山亮:文 星川ひろ子:写真 小西啓介:デザイン
福音館書店
1989年かがくのとも 5月号
※月刊誌のバックナンバーなので、図書館でぜひ

『ネコのとこやさん』
いもとようこ:絵 多田朋子:作
1999年
金の星社

春のおとずれをさがして

昨日の冷たい雨とは一転、今日はうららかなお天気になりました。
こんな日には、春のおとずれを"みっつん"と一緒に感じたいな、と思います。
ここ数日、そんな本を読んだり、観察や体験をしたりしているので、ご紹介します。


以前にもご紹介した『ぽとんぽとんは なんのおと』。
冬眠中のクマの"ぼうや"が、いろいろな音を耳にして、何の音?と"かあさん"に尋ねます。
春の訪れを耳で、そして鼻で感じるお話です。
"みっつん"との散歩でも、耳をすませ、鼻をくんくんして春の訪れを探しています。
玄関先に沈丁花が植わっていて、"みっつん"とは、出かけるたびにつぼみを観察しています。
この1週間ほどで一気に咲き始め、甘い香りがただよい始めました。
「くんくんしてごらん」と言うと、「くんくん。」とまねして言うだけで嗅いでもらえないので、スゥ~ッと息を吸って見せてから「こうしてごらん」と伝えるようになりました。くんくんが匂いを吸い込む音だと理解してもらうのは、なかなか難しいです。

そこで、『はなを くんくん』も読みました。
雪の中、眠っていた野ネズミやクマ、かたつむりに山ネズミたちが目を覚まし、鼻をくんくんさせながらかけていきます。
季節の移り変わりを、五感で味わう喜びを"みっつん"にも体感してもらえたらいいな、と思いながら、出かけるたびに「鼻をくんくんしてみようか?」と話しかけています。

春を探しながら散歩をしていると、家の近くにある桜並木や公園のハナミズキなどの芽が膨らんできたのを感じます。
そこで、『ふゆめ がっしょうだん』を読み返しました。
一見、枯れてしまっただけに見える冬の木々。でも、春に向けての準備を進めています。
そんな冬芽に注目した写真絵本を眺めてから、もう一度外に出て、いろいろな芽が膨らんでいる様子を一緒に観察しています。

春の準備に精を出しているのは、植物だけではありません。
冬の間、"みっつん"が度々「アリさん、いないね。」と言っていました。
秋までの間、アリが歩いていた場所なのに、姿を見かけなくなったことに気づいていたのです。
ちょうどディズニーの「バグズ・ライフ」を気に入っていたので、「アリさんは寒い冬の間はおうちに籠っているんだよ。温かい春になったら、またお外に出てくるよ。」という話をしてみました。
この数日で、ちらほらと姿を見かけるようになってきたので、「アリとキリギリス」を読もうかな?と思っているところです。

数日前、「凧でも上げようか」と夫がテントウムシの形の凧を引っ張り出してきました。
それを見て「ダンゴムシ!」と喜ぶ"みっつん"に、これはテントウムシという虫だと伝え、『はっぱのうえに』を一緒に読みました。
昨年は、見つけられなかったテントウムシのさなぎ、今年こそ"みっつん"と探して観察してみたいです。
絵本ではノエンドウが咲いている頃のようなので、もう少ししたらチャンスかな?

虫が苦手な母の影響か、虫と接する機会が少ないためか、アリをはじめとする虫たちに興味はあるものの近づくことができない"みっつん"。
"みっつん"が生まれてから、「虫リハビリ」を始めてはみたものの、もう少し頑張らねば、私!と気合を入れ直しました。
そんな母の意気込みを知ってか知らずか、"みっつん"が「これ、よむ」と『ファーブル先生の昆虫教室3』を持ってきました。
最近、数字の「3」に目覚めているので選んだのか、はたまた表紙に描かれたテントウムシを見つけたのか・・・?
とにもかくにも、"みっつん"が読みたいならと、せっかくなのでテントウムシにまつわる部分だけ読んでみました。
私が右ページのお話を読んでいる間、"みっつん"は左ページのイラストを楽しんでいたようです。

"みっつん"にとって2度目の春。
今年はどんな発見があるでしょう?


『ぽとんぽとんは なんのおと』
神沢利子さく  平山栄三え
福音館書店
1980年こどものとも ・ 1985年こどものとも傑作集
¥800¥税

『はなを くんくん』
ルース・クラウス:ぶん / マーク・シーモント:え / きじま はじめ:やく
福音館書店
1967年

『ふゆめ がっしょうだん』
冨成忠夫、茂木透:写真  長 新太:文
福音館書店
1986年 かがくのとも  1990年 かがくのとも傑作集
¥838+税

『はっぱのうえに』
たての ひろし
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年4月号
¥440(税込み)

『ファーブル先生の昆虫教室3 小さいからこそ生きのこる』
奥本大三郎:文 やました こうへい:絵
ポプラ社
2019年
¥1,800+税 

ゆきのけっしょう

『雪の結晶ノート』
マーク・カッシーノ/ジョン・ネルソン 
あすなろ書房
2009年
¥1,200+税

『雪の写真家 ベントレー』
メアリー・アゼアリアン絵/ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン 
BL出版
1999年
¥1,400+税

『きらきら』
谷川俊太郎:文/吉田六郎:写真 
アリス館
2008年
¥1,000+税

『さいしゅうれっしゃのあとで』
市川宣子:作/柿本幸造:絵
ひさかたチャイルド
2008年
¥1,200+税

『たくさんのふしぎ2017年2月号 ゆきがうまれる』
前野紀一:文/斉藤俊行:絵
福音館書店
¥700+税

『ゆきのけっしょう』
武田康男:監修・写真/小杉みのり:構成・文
岩崎書店
2019年
¥1,300+税


"みっつん"とは、1歳のころから、我が家にあった雪の絵本を何冊か読んできました。

『雪の結晶ノート』は、息子にはまだ情報が多すぎ・・・。でも、巻末に雪の結晶の観察方法が詳しく紹介されているところが、私は大好きです。
『たくさんのふしぎ 2017年2月号 ゆきがうまれる』も、他の雪の本たちと並べて表紙だけ見せている状態で、中身を味わうのは、もう少し先になりそうです。

『雪の写真家 ベントレー』も、お話が長いので、1歳のときには、まだちょっと早い感がありました。
2歳の冬には、長い物語も最後まで聞くようになってきました。
先日は、絵本の最後に掲載されている、ベントレーが撮影した結晶の写真を指差して「ゆきのけっしょう!」と嬉しそうに報告してくれました。

『きらきら』は、今の"みっつん"にちょうどよい文字量ですし、さすが谷川俊太郎さんといった、読み聞かせていて心地よい文章、そして中谷宇吉郎さんに影響された吉田六郎さんの写真も美しく、息子も大好きな1冊です。
巻末に、吉田六郎さんがどこでどのように写真を撮ったかということについて息子の吉田覚さんが書いていらっしゃるところが、個人的にはポイントが高かったりします。そこまで読み込めば、科学写真の情報源としての価値もあり、だと思います。
一方で、例えば「たくさんさくさんあつめると ゆきだるま」というページもひたすらに結晶の写真なので、まだ雪だるまを作ったことがない息子は、どのように感じているのかな?というかすかな疑問がよぎったりもしていました。

そんなときに読んだのが、『さいしゅうれっしゃのあとで』です。
「鉄っちゃん」まっしぐらな"みっつん"は、この絵本が大好き。
秋のある夜、最終列車を見送った後に、「ふもとのまち」へ冬を届けに行く列車が何台も通りかかるのですが、その中に「ゆきだるま」がたくさん乗っている列車がありました。
どうやら"みっつん"は、この絵本で雪だるまを認識した様子でした。

『きらきら』と『雪の結晶ノート』をつなぐ1冊が欲しいなぁ、と思っていた私にとってドンピシャの1冊と出会いました。
『ゆきのけっしょう』です。
東京生まれ東京育ちの"みっつん"にとっては、雪はあまり身近な存在ではありません。
この冬はほとんど降りませんでしたし、おそらく、まだ実感として雪は捉えていないと思います。
それでも、絵本で見る結晶の美しさには感じるところがあるようで、「ゆきのけっしょう!」と嬉しそうに指さしながら楽しんでいます。
雪の結晶というモノと、「ゆきのけっしょう」という言葉とが"みっつん"の中で結びつき、そして、雪の結晶を見つけたということは、母と共有したい素敵な発見になっているようです。

科学絵本には、「身近なもの・体験と科学的な見方や考え方を結ぶ懸け橋」としての働きと、「まだ知らない世界への扉」としての働きがあるように思っています。
そういう意味で、『ゆきのけっしょう』は、私にとっては主に前者、"みっつん"にとっては後者なんだな、と思いました。

舞落ちてきた結晶があっという間に消えてしまうという辺りで、夫は、「北海道では服に落ちてきた雪の結晶が消えないでそのまま残ってたぞ。」と突っ込みを入れてきました。
東京暮らしの私には全部同じ雪国に思える地域でも、本州なのか北海道なのかで、雪の質が違うようですね。
『きらきら』の写真も北海道で撮影されたものだそうです。
北海道の読者と、たとえば新潟の読者の感想を比べてみたら面白そうですね。
同時に、ベントレーが撮影していたバーモント州ジェリコに降る雪はどうなのかな?と気になってきました。

みかんとカラス

先日、"みっつん"と公園に行ったときのこと。
遊具で遊んでいた"みっつん"が、「カラス!」と指さす方向を見ると、一羽のカラスが何かをくわえて飛んできました。
オレンジ色の丸いもの・・・みかんをくわえていました。

公園に降りたったカラスは、口から離したみかんを脚でしっかりと抑えると、皮をつつき始めました。
驚いたことに、くちばしで皮をちぎってはポイッと捨て、ポイッと捨て・・・中の甘い実だけを食べるではありませんか!
なんと賢く、そしてグルメなことでしょう。

しばらくみかんと格闘していたカラスでしたが、最後の実の部分をくわえると、サッと飛び去ってしまいました。

すると、その様子を遠巻きに見ていた2羽のカラスが、すかさず公園に降りたちました。
ところが、この2羽も皮しか残っていないと見るや、興味を失った様子でその場を立ち去ってしまったのです。

「カラス、賢いねぇ。みかんの皮を剥いて、中の実だけ食べてたねぇ。」と話しかけると、「カラス、みかん食べたね」と"みっつん"も神妙な顔で返してくれました。

帰宅後、ふと思い立ち、"みっつん"と読んだ本がこちらです。

『トリノトリビア』
川上和人(鳥類学者)×マツダユカ(マンガ家)
西東社
2018年
¥1,200+税

カラスやハト、スズメといった身近な鳥にまつわるトリビアをカワイらしいコマ漫画(右ページ)と、それにまつわる解説(左ページ)の見開きで紹介しているので、すき間時間にも読みやすい1冊です。
この日は、カラスにまつわるトリビアをいくつか、"みっつん"と読みました。4コマ漫画をながめながら、「カラスって、遊んで、賢くなるんだって」などと話をしてみました。

近所の公園にくる鳥:カラス、ハト、スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、ハクセキレイ辺りは、見かける回数も多いため、"みっつん"も区別ができているようで、本をペラペラめくりながら「ヒヨドリさん、この前いたね。ピューッて飛んだね」などと話してくれました。

子育てを始めるまでは、公園で1時間も過ごすようなことはしていなかったので、改めて身近なところに、けっこう様々な種類の鳥がいるのだなと気づかされる日々です。

 

みかんを楽しむ絵本たち

『みかんのひみつ』
鈴木伸一:監修  岩間史朗:写真
ひさかたチャイルド
2007年
¥1,200+税

『みかん』
なかがわりえこ:ぶん / やまわき ゆりこ:え
ブッキング
2008年
¥1,200+税

『みかん』(キンダーブック2002年1月号)
木原武士:指導
フレーベル館
¥438円+税

『くだもの』
平山和子
福音館書店
1979年
¥743+税

『くだもの いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』
いしかわこうじ
ポプラ社
2008年
¥880+税

『せんにんみかん 伊豆の昔話』(こどものとも 2019年1月号)
福知伸夫 再話・絵
福音館書店
¥389+税

『みかん』(かがくのとも1998年1月号)
中島睦子:作/こうやすすむ:監修
福音館書店
¥362+税


今年もみかんが美味しい季節を迎えていますね。
昨年は、みかんの皮を剥いていると、期待のまなざしで縦に揺れながら待ちわびる、なんとも言えずかわいい仕草を見せてくれていた、みかん大好き"みっつん"。
今年は「みかん、ちょーだい!」とリクエストできるまでになりました。
最近では、「おかあさん、みかん、どーじょ!」と勧めることで、間接的におねだりするという高等テクニックまで身につけてしまいました。
恐るべし、2歳児!

そんな"みっつん"、この冬は、みかんとみかんの仲間(柑橘類)との出会いをたくさん経験しています。
冬至の日には、ゆず湯に入りました。お風呂に浮かんだ柚子を見て、「みかん!」と大喜び。
「これは、柚子っていう、みかんのお友達だよ。お風呂に入れっちゃったのは、食べられないからね。」と話すと、「ゆず、たべらない(食べられない)」と自分に言い聞かせながら、ぷかぷか浮かんだ柚子をかき集めて堪能していました。

年末年始の帰省先では、金柑の甘露煮をいただきました。
甘くて、でもちょっぴりほろ苦い、小さな「みかん」のお友達:きんかんも、"みっつん"の「みかん辞典」の一部になったようです。

祖父母の家で、ぽんかんにも出会いました。
みかんより少し大きくて、皮が厚くて、"みっつん"の細い指では穴を開けられない「ぽんかん」、さらに、ぽんかんに似ているけれど、出っ張っている部分が特徴的な「でこぽん」にも出会いました。

お土産にいただいた、おばちゃま特製の「ゆずジャム」をつけたトーストは、最近の朝ごはんの幸せメニューです。

さらに、いただきものの「はっさく」は、「ぽんかん」みたいだけれど、もう少し「すっぱい」ということにも気づきました。

そこで満を持して登場させたのが晩白柚です。
直径30㎝ほどの巨大な晩白柚はまるでボウリングの球のよう。
"みっつん"、果敢にも皮に穴を開けようと挑みましたが、無念…大人がナイフを駆使し、奮闘して、ようやく分厚い皮が剥けました。
さわやかな実を楽しんだ後は、分厚い皮をお風呂に浮かべて「晩白柚風呂」を楽しみました。

そんな、柑橘類三昧な日々を過ごしている今がチャンス!と「みかん」が登場する絵本を何冊かまとめて読んでみました。
以前もご紹介した『みかんのひみつ』。みかんの写真を指さしながら「みかん!」、「みかん、食べる!」、「みかん、食べたね」など楽しげにおしゃべりをしてくれました。
様々な柑橘類の写真が載っているページを見ると、「ばんぺーゆ!」「みかん!」とテンションはさらに上がりました。
大きさが似ていて、見た目だけでは判別が難しいものも、私が指さしながら「これは、ぽんかん。ばーばのおうちで食べたね。皮が厚かったね。甘くておいしかったね」「これは、金柑。小さいね。この間、ひよどりさんが食べてたね。」などと話をすると、体験の一部を思い出した様子が見られたり、「ぽんかん」「きんかん」など確認するように復唱したりしていました。

かがくのともの『みかん』にも、キンダーブックの『みかん』にも、みかんの仲間が紹介されているページがあります。
キンダーブックでは、みかんの仲間が使われている加工食品が紹介されているページもあり、姿を変えたみかんの仲間も、身の周りにたくさんあるということに気づくきっかけになりそうです。

『くだもの』は、0歳からのお気に入りの1冊です。思わず舌なめずりをしてしまいそうな写実的な果物のイラストの数々に"みっつん"は毎回「みかん!」、「ぶどう!」と大興奮してしまいます。
最近は、「あーむ」と描かれた果物をつまんで口に入れるふりをして、「おいしーね。」と"ごっこ"遊びらしき表現もするようになってきました。

型抜きされたボードブックの『くだものいろいろかくれんぼ』も、0歳からのお気に入りです。
最近では、一人でぱらぱらとページをめくりながら、果物の名前を呼んだり、「ばなな、食べたね」、「みかん、あーむ」など、独り言に余念がありません。
ときどき、「そうだね、今日の朝、バナナ、ヨーグルトと一緒に食べたね。」などと話しかけると、嬉しそうに「ばなな、おいしかったね」と返してくれたりしています。


『せんにんみかん 伊豆の昔話』と、やまわきゆりこさんの『みかん』は、物語の絵本です。
どちらも、みかんが巨大に育つシーンが"みっつん"には印象的だったようで、「ばんぺーゆ!」と反応しておりました。
わたしにとっては、どちらもみかんの種が登場するところが印象的でした。最近は、種なしのみかんが多いけれど、本来は種を包んでいる実なんだよ、ということをそのうち"みっつん"と話してみたいです。

どんぐりを楽しむ絵本たち

1.『こならぼうやのぼうし』/八百板洋子:ぶん  高森登志夫:え/福音館書店 ちいさなかがくのとも 2002年10月号 ※月刊誌のバックナンバーなので、図書館でぜひ

2.『どんぐり』/こうや すすむ/福音館書店 かがくのとも絵本/1988年

3.『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』/盛口満/岩崎書店/2010年

4.『林のどんぐり』/広井敏男:ぶん  伏原納知子:え/新日本出版社/1982年

5.『どんぐりかいぎ』/こうや すすむ/福音館書店 かがくのとも傑作集/1995年

 

昨年、"みっつん"が0歳の秋には、どんぐりの絵本を1冊ずつ、時々読んでいました。今年の秋、1歳半を過ぎた"みっつん"は、どんぐりを拾い集める楽しさに目覚めました。「どりこ(どんぐりこ)!」と目を輝かせながら、せっせと拾っている姿を見て、今年もどんぐりの絵本を読んでみようかな、と思い立ち、何冊かを読んでみたところ、明らかに昨年よりも食いつきがよくなっていました。絵本に登場するどんぐりに対しても、「どりこ!」とイラストを指さして大興奮するようになったのです。

 『こならぼうやのぼうし』で、どんぐりには「ぼうし」があるということを知ると、どんぐり拾いの際に、「ぼうし!」とどんぐり本体だけでなく、ぼうしも集めるようになりました。

 戦利品のどんぐりやぼうしが増えるにつれて、それらが実にバラエティに富んでいることに親の私が気づかされました。そうなってくると、いったい何というどんぐりなのか、どの実と帽子がペアなのか、どんな木になっているのか…私の「分類欲」がふつふつと湧き上がってきました。そこで頼りになったのが『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』です。この本では、1つの種類のどんぐりがズラリ!と描かれています。手元にあるどんぐりたちの違いが種類の違いによるものなのか、あるいは同種の個体差なのか、といったことを考えられる素晴らしい1冊です。びっしりと描かれたどんぐりに"みっつん"も大興奮!

 1週間ほど、「どんぐり週間」を設け、毎日何冊かどんぐりの絵本をまとめて読み聞かせてみました。すると、"みっつん"の方から夜の読み聞かせで読んでほしい絵本として、どんぐりの絵本数冊をまとめてベッドへ持っていくようになりました。

 1歳半を過ぎたあたりから、徐々に絵本のストーリーも楽しめるようになってきた感じがあり、1歳9か月を過ぎると、お気に入りの何冊かはお話が完全に頭に入っている様子でした。1回に読む(読み聞かせを聞く)冊数も増えてきて、一度に3~5冊くらいまとめて読めるようになってきたので、ときどきテーマを決めてまとめ読みをするようになりました。どんぐりのテーマが"みっつん"にハマってもらえたのは、彼の「どんぐりブーム」を逃さずに読んだからだと思います。(「どんぐりブーム」の間に試した他のテーマの絵本まとめ読みは、そこまでハマっていない様子だったので)同じ時期に、「どんぐりころころ♪」の童謡も"みっつん"心をくすぐっていたので、これからも、実体験でのブームを見定めて、関連した絵本や童謡などを仕掛けていきたいと思っています。

『さかなのかお』

『さかなのかお』
ともながたろ / なかのひろみ / まつざわせいじ
アリス館
2004年
¥1,400+税

 

1年ほど前に、"みっつん"と葛西臨海公園の水族館へ行きました。
そのときに、ひとめぼれして購入したのが、この絵本です。
かわいらしいタッチのイラストで、正面から見た魚の顔がずらりと描かれているのです。改めて考えてみると、魚の顔って、横顔のイメージしかないな…と気づかされました。そのほかにも、いろいろな魚の目・口など、パーツごとに比べてみることができたり、さくいんにそれぞれの魚のイラストがついていたり、と随所に楽しませる工夫が盛りだくさんです。

前回紹介した、『えあわせパズル すいぞくかん マグネットシール』を見ていて、おや?どこかで見たような魚たちだな…とは思っていたのですが、この本を引っぱり出してみて納得。同じ方のイラストでした。

『えあわせパズル すいぞくかん マグネットシール』

『えあわせパズル すいぞくかん マグネットシール』
絵:友永たろ デザイン:KJahro decopoko44 監修:清水晃
エムビージェー
2018年
¥857+税


夏休みに家族で沖縄へ旅行しまして、美ら海水族館を訪れました。
巨大水槽を泳ぐジンベイザメをはじめとするおさかなたちに、みっつん大興奮してまいりました。

 

せっかく水族館へ行ったし、この体験と言葉が往還できたらいいなと思いつつ訪れた、那覇市内の国際通りにある美ら海水族館のアンテナショップをでこの本を購入しました。

 

シャチやカリフォルニアアシカ、アオウミガメなどを含む40種類の「水族館の仲間」のマグネットシールと、水槽に見立てた見開きの台紙でできています。


台紙には薄い鉄が入っているようで、少しずっしり感があります。
マグネットがくっつく本、なんて素敵な発想でしょう。

帰宅してから、みっつんの大のお気に入りの本というか、おもちゃになっています。
1歳9か月になり、言葉を話すことと、形の認識とがブームになっているので、「じゅご(ジュゴン)」「えび」と言いながら、それぞれの形が描かれているところに、マグネットを貼り付けて楽しんでいます。
最初は、人物やエビ、シャチ、イルカあたりの、特徴的な形のものを貼ったら満足して、おさかなはお任せといった感じでしたが、少しずつおさかなも貼れるようになっていき、1か月ほどで、ほぼ1人で楽しめるようになりました。

いわゆる科学読物ではありませんが、この本のおかげで水族館の実体験がより豊かになったように思います。

『とべ!ちいさいプロペラき』

『とべ!ちいさいプロペラき』
小風さち:作 山本忠敬:絵
福音館書店
1989年こどものとも/2000年こどものとも傑作集
¥900+税

前回の『しゅっぱつしんこう!』に続き、乗り物の絵本です。

この絵本を最初に読み聞かせたときは、"みっつん"の反応はいまいちでした。電車の絵本は体を上下に揺らしながら大喜びなのに…?もしかしたら飛行機が何かがピンときていないからかもしれない、と思い至りました。

そこで、休日に空港の展望デッキに飛行機を見に行ってみました。間近で飛行機の離発着を見た"みっつん"は大興奮。「あれが、飛行機だよ。」、「飛行機が飛んで行ったね。」などと話をしているうちに、「コォー」と言うようになりました。

翌日から、飛んでいる飛行機を見かけると「コォー」と指さしながら教えてくれるようになりました。それどころか、家の中にいて飛行機の姿が見えなくても、はるか上空を飛ぶ飛行機の音を聞きつけて「コォー」と天井を指さすようになりました。もちろん、絵本の飛行機も。そのうちに「コォーキ」になり、今では「ヒコーキ」と言うようになりました。ヘリコプターも「ヒコーキ」なのはご愛敬です。でも、鳥は「ピッピ」なので、"鳥とは違う空を飛ぶなにがしか"という感じなのではないでしょうか。

飛行機という存在が彼の中で認識されたようです。改めて、実体験と絵本を行き来しながら、世界が広がっていくのだな、と感じました。

『しゅっぱつしんこう!』

『しゅっぱつしんこう!』
山本忠敬
福音館書店
1982年
¥743+税

最近の"みっつん"一押しの絵本です。
「おかあさん」と「みよちゃん」が特急列車、急行列車、普通列車と乗り継いでおじいさんの家を目指します。

0歳の時から『かんかんかん』(のむら さやか文/川本幸 制作/塩田正幸写真 福音館書店)という絵本を楽しんでいた"みっつん"は、電車を見ると「まんままーん♪」と言うようになりました。
この絵本で「んまんまれっしゃ」が「んまん ままん んまん ままん」と通るのを気に入ったようです。
近くの踏切で電車の通過を待っているときなども「まんままーん♪」と言うので、周りの方から「あら~、ママって言ってるのねー」と言われたりするのですが、残念ながら、母ではなく電車に夢中なんです・・・。

そんな電車大好きな彼にとって、この絵本はかけがえのない1冊のようで、しょっちゅう、読んでもらおうと持ってきます。

せっかく読むなら、と、こちらも列車の種類によってスピード感を変えて読んでみたり、それぞれのページに描かれた電車以外の物や景色も楽しみながら読み進めたりしています。
私のお気に入りは、山の奥へと進んでいくページに描かれた「この辺にくまが出る注意」という看板です。


電車は日常的に目にしたり乗ったりしている乗り物なので、"みっつん"にとっても経験と照らし合わせて「あれのことだな」と理解しやすかったんだろうな、と思います。
というのも、飛行機の絵本もあるのですが、しばらくの間反応がいまいちだったのです。そんな話を次回はご紹介できればと思っています。

『てのひら おんどけい』

<再>『てのひら おんどけい』
浜口哲一:ぶん  杉田比呂美:え
福音館書店
2003年

¥800+税

 

"みっつん"が8か月のころに読んだ絵本を1歳5か月で読み直してみました。
散歩にでかけた"ぼく"が、自分のてのひらで、身近なあれこれの"あったかい"と"つめたい"を探っていく絵本です。

我が家の"みっつん"も二足歩行ができるようになり、散歩の楽しみ方が少しずつ変わってきました。
最近は、朝、公園の木陰のベンチに親子で座って、鳥や蝶などをながめることも増えてきています。

先日も、しばらくは興味深げに鳥を眺めていた"みっつん"ですが、そのうちに飽きてベンチを下り、ひなたのベンチの方へ向かっていきました。
そこで、「あちち!じゃない?」と声をかけてみると、ひなたのベンチに触れてにんまり。
「こっちのベンチはどう?あちち?」と聞いてみると、すたすたと戻ってきて、ひかげのベンチにも触って確認。
どうやら違いがわかったようで、その後しばらくひなたとひかげを行ったり来たりしてベンチの温かさを確かめていました。

8か月のころは、冷たい飲み物を入れたコップで「ひえひえ~」を楽しんでいた"みっつん"ですが、あれから1年経たないうちに、2つのものを比べて確かめてみる、ということができるようになってきたのだなぁ、と感心しました。 

『ニャーンといったのは だーれ』

『ニャーンといったのは だーれ』
ステーエフ:ぶん・え  さいごう たけひこ:やく
偕成社
1991年
¥1,400+税

私が子供のころお気に入りだった『こねずみとえんぴつ―12のたのしいおはなしとえのほん (世界傑作童話シリーズ)』(ステーエフ 福音館書店)に収録されていたお話の1つです。

最近"みっつん"は、「わんわん」と「ニャーオ」が言えるようになりました。それ以外の動物を見ると、「ふわふわ」と言っています。
この絵本には、おんどりやこねずみ、はち、かえるなどが登場しますが、だれも「ニャーン」とは言いません。
いろいろな動物がいること、それぞれの鳴き方があることは1歳5か月の"みっつん"にも、わかっているようです。

こうした絵本や実体験を積み重ねながら、いろいろな動物に親しみをもてたら素敵だな、と思います。

ところで、絵本によく登場するキリンやウサギなどの動物はどんな声で鳴くのでしょう?
ウサギは「ぴょんぴょん」と表現されることが多いですが、鳴き声ではないので、「わんわん」や「ニャーオ」と整合性が無いなぁと気になっています。
キリンも、絵本だけでなく、子供向けの洋服などあちこちで見かけるのですが、鳴き声はさっぱりわかりません。

"みっつん"と一緒に動物園で探ってみたいテーマの1つです。

『ファーブル先生の昆虫教室 本能のかしこさとおろかさ』

『ファーブル先生の昆虫教室 本能のかしこさとおろかさ』
奥本大三郎:文   やました こうへい:絵
ポプラ社
2016年
¥1,800+税

"みっつん"への読み聞かせというよりも、『ダンゴムシ』に続き、来るべき(?)「息子との"むしライフ"」に向けた、母のリハビリ理科読第2弾です。

『ファーブル昆虫記』は子どものころに読んだ記憶がありますが、うろ覚えだし、ファーブルさんには申し訳ないのですが、そんなに楽しんで読めた本ではなかったように思います。
でも、この本は面白い!

奥付を見ると、朝日小学生新聞に連載されたものをベースにつくられた本のようです。
『ファーブル昆虫記』そのものではなく、昆虫記をもとに、例えばアリについて「アリ①」~「アリ⑧」と8つの見開きに小分けして紹介しているので、とても読みやすいです。
しかも文章は右ページにまとまり、左ページにはその内容に関するかわいいイラストが描かれている点も、「むしリハビリ」を進める私のような者にはありがたいです。

小学生なら、一人でワクワク読めると思います。これを読んでからご本家の『ファーブル昆虫記』を読んだら、子どもの頃の私も、もっと楽しんで読めたかもしれません。

『ファーブル昆虫記』と言えばスカラベ、というイメージがあり、実際この本もスカラベから始まるのですが、日本で暮らしていると正直スカラベはピンと来ず…。
でも読み進めていくと、セミ、クモ、モンシロチョウ、ホタル、アリ、オトシブミと日本でも出会えそうなむしたちも登場してきます。

この本を読んだら、むしにも、ファーブルさんにも、なんだか親近感がわきました。

まだ、この本のかわいいイラストで描かれたむしさんたちと、実物のむしの間には大きなギャップを感じてしまうので、引き続きリハビリに努めようと思います。

『あめあがりのしゃぼんだま』

『あめあがりのしゃぼんだま』
吉田瑠美
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年6月号
¥407+税

 

昨今めっきり しゃぼんだまがお気に入りの"みっつん"に嬉しい1冊が、ちいさなかがくのともの新刊として出版されました。

クレヨンでやさしく描かれたしゃぼんだま、吹き方を変えると大きさが変わったり、すぐには割れないしゃぼんだまがみつかったり…。

公園で小学生のお姉さんたちに、たんぽぽの綿毛の吹き方を教えてもらった"みっつん"は、しゃぼんだまをフーッと吹くことにも興味津々です。
まだ、たんぽぽを食べてしまいそうなほど近くに持っていくとようやく飛ばせる程度の"そよ風"しか出ませんが…。

"みっつん"と暮らしていると、自分の体をどう使いたいかイメージして、そのイメージ通りに動かすというのは、難しいことなのだなと実感します。
と同時に、親やお友達など周りの人の動きを見たり、あるいはテレビや絵本などを見たりすることで、少しずつ、でも確実にイメージが広がり、それに伴って動きも進歩しているのも感じます。
"みっつん"の場合、『だるまさんと』の最後のページから「ピース」を覚え、最初は1本指しか立てられなかったのが、徐々に2本へと変化して、ついに完全にピースができるようになりました。
大人からすれば、じわじわと、もどかしいくらいのペースかもしれませんが、でも確実に進歩していく様子を日々見ていると、きっと自分もこうやっていろいろなことができるようになってきたのだろうな、と思います。
きっと私も、両親や周りの人たちに、こうやってじっくり見守ってもらったのだろうと感謝し、"みっつん"や彼のお友達を、同じようにゆったりとしたまなざしで見守っていきたいと思います。

『杉山きょうだいの しゃぼんだまとあそぼう』を参考に、ストローに2つ穴を開けて安全対策をしつつ、しゃぼんだまに一緒に挑戦してみたいです。

『ダンゴムシ』

『ダンゴムシ』
今森光彦
アリス館
2002年
¥1,400+税

「ある日、家にかえってくると、2さいになる息子が、縁側にすわってにがむしをつぶしたような顔をしていました。
 よく見ると、口をもぐもぐさせています。」
飴にしては変だな、と息子さんの口をそっと開かせるとダンゴムシが出てきた、という今森さん。

「ぼくは、ちょっと心配したものの、とてもうれしくなりました。
 ダンゴムシが、こんな小さな庭に、いまでもいてくれることがわかったからです。」

そうして、今森さんのダンゴムシの撮影が始まります。
ダンゴムシの目線で撮影された「お見事!」としか言いようのない写真の数々と、今森さんの愛情あふれる文章に、ついつい引き込まれてしまいます。

子どものころは平気だった「むし」たちと遊ばなくなって早ン十年。最近はすっかり苦手になってしまっていましたが、「もう少し"みっつん"が大きくなったら、ポケットから虫が出てきたりするわよ~」との先輩お母さん・お父さんの体験談に、今からリハビリしておこうと思う今日この頃です。

そのリハビリ第一弾のお相手として、ダンゴムシさんは最適!と勝手に白羽の矢を立てました。
そして数日前に、何年振りかでダンゴムシを手のひらに乗せてじっくり見てみました。
母の手の中で、コロンと丸まっては、しばらくするとじわじわじわ~っと開いてもぞもぞ歩き出すダンゴムシに"みっつん"も興味をそそられた様子でした。
でも、手渡すと今森さんの息子さんのようにお口に直行してしまいそうだったので、ファーストコンタクトは、そこまでにしました。

うれしいことに、虫を扱った絵本は山のようにあるので、少しずつリハビリを進めたいと思っています。

『杉山きょうだいの しゃぼんだまとあそぼう』

『杉山きょうだいの しゃぼんだまとあそぼう』
杉山弘之 杉山輝行:文と構成 / 吉村則人:写真 / 平野恵理子:絵
福音館書店
かがくのとも 1990年4月号 / かがくのとも傑作集 1993年
¥900+税


最近"みっつん"はシャボン玉がお気に入りです。
私がシャボン玉を吹いて見せると、「うわうわうわ~!」と顔をくしゃくしゃにしながら歓声を上げて喜んでくれます。シャボン玉に触れようと手を振り回したり、その場で体を上下に揺らしたりして楽しんでくれるようになりました。
10か月のころにシャボン玉を見せたときは、手を伸ばして捕まえようとはしていましたが、こんなに感情爆発!という感じではなかったので、そんな変化も興味深いと感じています。

お友達からいただいた市販のシャボン液がなくなってしまい、せっかくだから手作りしてみようと一念発起。
どうせなら、ずっと気になっていたこの絵本を参考にしてみよう!と思い立ちました。

こちらの絵本では、シャボン玉アーティストの杉山兄弟が小さな子供たちでも楽しめるように、いろいろな身近な道具を使ったシャボン玉の作り方を紹介してくださっています。
このご兄弟は、2017年に「マツコの知らない世界」にもご出演になっているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

そして、この本のうれしいポイントはもう1つ。本の最後に「杉山しゃぼんだま きょうだいがそっと教えるじょうずなしゃぼん液の作り方」がのっているのです。
しかも、小さなこどもがストローで吹くのに適した安全な液の作り方と、枠などの道具を使って大きなシャボン玉を作るのに適したシャボン液の作り方の2種類が紹介されているのです。
さらに!うまくいかなかったときのアドバイスや、大人向けに、小さなこどもと遊ぶ時の安全上の注意まで。

絵本全体から、杉山兄弟のシャボン玉への愛と、こどもたちへのやさしさがあふれてきます。

さぁ、レッツ・シャボン玉☆

『ぼくはここで、大きくなった』

『ぼくはここで、大きくなった』

アンヌ・クロザ:さく / こだま しおり:やく

西村書店

2012年

¥1,300+税

 

最近は春にちなんだ絵本をたくさん読んでいます。

 

この絵本は、"たまたま"、ここで大きくなった種のお話です。

秋になり、冬を越し、やがて春になって芽生えた種はすくすく成長します。

あるときは風が吹きつけ、またあるときは大水に耐え、害虫の襲来も乗り越えて実をつけます。

読み進めながら、実が描かれたページを見て、「ああ、君はこの植物の種だったのか!」とにっこりしました。

 

植物の種が芽生え、育ち、命をつないでいくお話はほかにもありますが、この絵本の魅力は何といってもアンナ・クロザさんの絵です。

アンナ・クロザさんの鮮やかな色使いやシンプルでかわいらしいイラストは、1歳3か月の"みっつん"にとっても魅力的なようです。

以前ご紹介した『みずたまのたび』も同じ作者の絵本です。

そして、”たまたま”ここで大きくなった、というところも素敵です。

公園や川の土手にお散歩にいく機会が増えるこの季節、目にする植物たちに、「君たち、”たまたま”芽生えたそこで、よく大きくなったね」と声をかけたくなる1冊です。

 

 

 

『たんぽぽ』

『たんぽぽ』
甲斐信枝
金の星社
1984年
¥1,300+税

先日、近くの駐車場で春の野の花を"みっつん"と楽しんできました。
紫色のスミレ、青いオオイヌノフグリ、ピンクのホトケノザ、紫色の菜の花のようだったのはムラサキハナナでしょうか・・・?
面白いことに、多少入り交じりはするものの、半径1mくらいの範囲に種類ごとにまとまって咲いていました。草原のある一角は紫色、別の一角は青・・・と、まるでパッチワークのようでした。

そんな小さくてかわいらしい花々の中にあって、タンポポは、ひときわ鮮やかな黄色で存在感を放っておりました。
私にとっては、スミレやオオイヌノフグリなどの花よりもずっと早く出会った春の花です。幼いころ、春の花と言えば、タンポポかチューリップでした。
でも、チューリップはそこらへんに勝手に生えている花ではなかったので、もっぱらタンポポを愛でていたように思います。

そんな春の花の代表格といっても過言ではないタンポポが、甲斐信枝さんによって美しく描かれています。
『はっぱのうえに』同様、ページをめくるたびに春風が吹いてきそうな、そんな絵本です。

昨年の春は、"みっつん"はまだ、タンポポの綿毛で遊んでいないので、この春は綿毛ともたわむれたいと思っています。

『はっぱのうえに』

『はっぱのうえに』
たての ひろし
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年4月号
¥440(税込み)


すっかり春ですね。
お散歩をしていると、公園や川原も生命力であふれているように感じます。
そんな春にぴったりの絵本が、ちいさなかがくのともシリーズ新刊として出ていました。
生物系の絵本は、とてもたくさん出版されるので、よほどのものでないと買わないぞ、と心に誓っているのですが・・・「よほどのもの」だったものですから、我が家の一員になりました。

作者は、『ぎふちょう』や『しでむし』、『つちはんみょう』を描かれた舘野鴻さんです。

とにかく絵が素晴らしい!
春の色に満ちたページを見ているだけで、うきうきした気持ちになってきます。
そして葉っぱの上にみつけた黄色い不思議な物体は何?
何?なに?
とページをめくっていくと、ほ~、そうだったのか!と驚きました。

二足歩行を極めつつある"みっつん"と公園に行く機会も増えました。
”みっつん”と手をつないで歩くので、普段よりも、ぐっと低いところを見るようになりました。
そんな機会を生かして、葉っぱの上に黄色い不思議な物体を見つけられないかなぁ?

『ぽとんぽとんは なんのおと』

『ぽとんぽとんは なんのおと』
神沢利子さく  平山栄三え
福音館書店
1980年こどものとも ・ 1985年こどものとも傑作集
¥800¥税

『はなを くんくん』は嗅覚で春を感じるお話でしたが、こちらは主に聴覚で春の訪れを感じるお話です。

冬眠中のクマの親子、”ぼうや”が外から聞こえる様々な音について尋ねると、”かあさん”がやさしく教えてくれます。
最後に「いい におい」を嗅いだ”ぼうや”に”かあさん”が教えてくれる言葉が素敵です。

「あたたかな かぜが はなの においを はこんできたのよ。」


はるかぜが心地よい季節になってきました。
”みっつん”とのお散歩でも、耳をすませ、鼻をくんくんして春の訪れをたくさん感じとりたいと思います。

『ねじ』

『ねじ』
角 愼作
福音館書店
2015年かがくのとも12月号
¥389+税
※月刊誌のバックナンバーなので、図書館でぜひ

”みっつん”が生まれる、ずっと前に本屋さんパトロールで一目惚れして購入していた絵本です。

最近、”みっつん”がねじに興味を示すようになりまして、久しぶりに読みました。

冬休みに義実家へ帰省する折り、”みっつん”お気に入りのおもちゃをいくつか持って行ったのですが、かさばるので ねじを外して持って行ったものがありました。
ねじ回しで組み立てる様子をじっと見ていた”みっつん”、だるまたたきのハンマーなどを手にしては、ねじ部分を回そうとする仕草を見せるようになりました。
その時は、「よく観察しているね~」と感心した程度で、それから1か月以上経ち、そんなことはすっかり忘れておりました。

ところが先日、”お父さん”がドライバーで『大人の科学』の付録を組み立てていると、突然”みっつん”がドライバーを要求。
”お父さん”からドライバーを受け取るやいなや、一目散に件のおもちゃへまっしぐら。
サイズの合わないドライバーをねじ部分にあてて、ご満悦でした。

1歳1か月児の記憶力と、「ドライバー=ねじを回す道具」という認識に感服いたしました。


そんなねじの魅力を再発見できる1冊です。
最近は電車の中やお店など、おでかけ先でも、ねじを探して楽しんでおります。
「こんなところに、大きなねじが」「何と何をとめているのかな?」などなど、会話を聞いた方は変わった親子だと思われるかもしれませんが、けっこう楽しいです。

『いちご』

『いちご』
平山和子
福音館書店
1984年こどものとも年少版  1989年福音館の幼児絵本
¥800+税


"みっつん"はイチゴが大好きです。
最近は毎日のようにイチゴを堪能しているので、この絵本を読んでみました。
平山和子さんの、本物と見紛うばかりにリアルなイラストに、"みっつん"、「うわぁ~」と歓声を上げて見いっておりました。

そんな"みっつん"には大きさの感覚はあるのだろうか?と気になりまして、ちょっと試してみました。
大きいイチゴと小さいイチゴを見せて、「どっちがいい?」と聞いてみたところ、質問の途中で、迷わず大きい方を取ってパックリ食べちゃいました。
1歳1カ月児には大きさの違いが認識されており、さらに、好きなものは大きい方がいいと思っていることがわかりました。
大したものです。

『はなを くんくん』

『はなを くんくん』
ルース・クラウス:ぶん / マーク・シーモント:え / きじま はじめ:やく
福音館書店
1967年

昨日は春のように温かな一日でした。
今日は一転、冬に逆戻りでしたが、昨日の温かさを思い出しながらこの絵本を読みました。

雪の中、野ネズミもクマも、かたつむりも山ネズミもみんな眠っています。
ところが、そんな動物たちが目を覚まし、鼻をくんくんさせながらかけていくのです。

春の訪れが愛おしくなる1冊です。

そろそろ"みっつん"と一緒に鼻をくんくんしながら、春の訪れを待ちたいと思います。

『バムとケロのさむいあさ』

『バムとケロのさむいあさ』
島田ゆか
文溪堂
1996年
¥1,500+税

寒い冬の日にぴったりの1冊です。
バムとケロが池に行くと・・・なんと、あひるが凍った池に閉じ込められていたのです!
急いで救出して、お風呂でとかしてあげて、みんなで楽しく過ごすのですが、実は表紙裏の絵がフリになっています。

この絵本は、保育園や幼稚園などでの理科読でも活用しています。
絵本を読んでから、氷は温めるととけて水になる、その水は再び冷やすと氷になるという実験を行ったりしています。

”みっつん”は、氷が「ひえひえ」で冷たいことは認識している様子です。
バムとケロのかわいいお話を楽しみながら、少しずつ氷がとけたら水になることも分かっていったらいいな、と思います。

『どんどこどん』

『どんどこどん』
和歌山静子
福音館書店
2008年こどものとも/2011年福音館の幼児絵本
¥800+税

土の中で「どんどこ」育っている、いろいろな植物が登場します。
葉っぱを見て「これは何かな?」と悩みながらページをめくると、土の中の様子が描かれています。
ニンジン・ジャガイモ・サツマイモ・・・。
「これは今朝食べたね。」、「甘くておいしいサツマイモだね。」などと話をしながら”みっつん”と楽しんでいます。

『おとが あふれて オムライス』

『おとが あふれて オムライス』
夏目義一
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年2月号
¥389+税

一昨日、昨日に続いて音を楽しめる本です。
ニンジンの皮を剥いて細かく切って、ピーマンも種をとって切って・・・オムライスを作っていく過程を、音に着目しながらたどっていくことができます。

美味しそうな絵も、たまりません。

離乳食もだいぶ進んできたので、薄目の味付けでオムライスを作ってみようかなと思いました。

 

『ばしん!ばん!どかん!』

『ばしん!ばん!どかん!』
ピーター・スピア ぶん・え / わたなべ しげお やく
童話館出版
2004年
¥1,500+税

昨日の『じゃあじゃあ びりびり』に続き、たくさんの音が登場する絵本です。
この絵本に登場する音は、本当にたくさん!
最初の見開きだけで17個もの音が登場します。

読み聞かせを終えると、ぐったり疲れてしまうほどですが、聞いている"みっつん"は相当楽しいようで、けちょけちょ笑いながら聞いてくれるので、ついつい張り切って読み聞かせてしまいます。

身近な音に耳をすませるきっかけになる素敵な絵本です。

『じゃあじゃあ びりびり』

『じゃあじゃあ びりびり』
まついのりこ
偕成社
1983年/2001年改訂
¥600

おかげさまで"みっつん"、1歳を迎えまして、最近めきめきといろいろな音を発するようになってきました。
まだ、日本語ではなく”みっつん語”ですが、「あ~」「ばっばー」といったレパートリーに「わうわう」「あじゃじゃ~」などが加わり、日本語が聞ける日も近そうです。

そんなこともあり、最近は、いろいろな音が登場する絵本をよく読んでいます。

この絵本はボードブックで、自動車が「ぶーぶーぶーぶー」と通ったり、水が「じゃあじゃあじゃあ」と蛇口から流れ出ていたり、シンプルなイラストと音を楽しめます。
毎晩、お風呂のお湯張りを見守り、「じゃあじゃあ」流れ出るお湯にときめいている"みっつん"、この絵本も大好きです。

Color Zoo

『Color Zoo』
Lois Ehlert
Harper Festival
1997年
¥958 (Brdbk版)

『エイラトさんのへんしんどうぶつえん』というタイトルで日本語版も出ていた本ですが、残念ながら日本語版は今は手に入らないようです。
英語版はamazonで購入できました。

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』『くだもの いろいろ かくれんぼ』のような"くりぬき絵本"です。
表紙にも使われているトラさんのページをめくると、丸い穴が開いていて、次のページにはトラさんから〇が除かれたネズミさんが現れます。
今度は□が除かれてキツネさんが登場!といった具合に形と動物とを楽しむことができます。
英語版では、それぞれの形や動物の名前の英単語を学ぶのにも役立ちそうです。

"みっつん"に心おきなく手渡せるボードブックです。
カラフルな色づかいやシンプルなイラスト、穴のあいたページなど、"みっつん心"がだいぶくすぐられている様子です。

『しもばしら』

『しもばしら』
野坂勇作:さく
福音館書店
2002年かがくのとも 2004年かがくのとも傑作集
¥838+税

部分日食はご覧になれたでしょうか?
東京は曇り気味でしたが、雲の切れ目から顔を出した太陽をうまく見ることができました。
"みっつん"に見せるのはさすがに怖かったので、今回はおあずけといたしました。
次回は・・・今年の12月26日に部分日食が見られるようです。
今年は2回も日食チャンスがあるなんて!楽しみです。

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最近、めっきり朝晩が冷えるようになりました。
先日、帰省先でしもばしらを見つけたので、この絵本を読みました。

おばあちゃんのお供をして畑に行った ”はーちゃん” は、しもばしらをみつけます。
おばあちゃんに誘われて、あちこちでしもばしらを探してまわった "はーちゃん" は、冷凍室でしもばしらを作ってみることに。
絵本の後ろには、おうちで しもばしらを作ってみる方法が詳しく紹介されています。

"みっつん"がもう少し大きくなったら、一緒に作ってみたいです。

明日は部分日食

明けましておめでとうございます。
2019年も たくさんの笑顔にあふれた1年になりますように。

すっかり間があいてしまいましたが、また、綴っていきたいと思います。

早速ですが、明日は部分日食が日本全国で見られる予定です。北に行くほど欠けが大きくなります。
8:43から始まり、一番欠けるのが10:06で、11:36には終わるそうです。

日食グラスがあれば一番よいのですが、ない場合でも木漏れ日やピンホールを通過した光の影を観察すれば安全に日食を楽しむことができます。

くれぐれも太陽を直接見ないよう気をつけてくださいね。
む、日食グラスで観察する場合も、太陽を見たままグラスを外してしまうと大変危険ですので、必ず下を向いてからグスを着けたり外したりするように気をつけてください。

明日 天気に なぁれ!!

『びよ~ん ぱっちん! わゴム』

『びよ~ん ぱっちん! わゴム』
西島歩:監修 
ひさかたチャイルド
2009年
¥1,500+税

"みっつん"のおもちゃにはゴムの木でできたものがいくつかあります。
気にして見てみると、木製のおもちゃにはけっこうゴムの木が使われています。
どうやら、ゴムの樹液を取るために計画的に植林されていて、樹液を取り終わった後に有効活用をしているようです。

そんなゴムのお話です。
樹液の採取から輪ゴムができるまでをかわいいイラストとともに紹介しています。
"みっつん"とは、ゴムでできたものを紹介したページをながめたり、ゴムの木のページをながめながら、「このオモチャはゴムの木でできているんだよ」などと話をしたりしています。

軽くて柔らかい手ざわりのゴムの木でできたおもちゃは、一緒に遊んでいるとほっこりします。

『ふゆめ がっしょうだん』

『ふゆめ がっしょうだん』
冨成忠夫、茂木透:写真  長 新太:文
福音館書店
1986年 かがくのとも  1990年 かがくのとも傑作集
¥838+税

めっきり寒くなり、すっかり葉を落とした木々がなんだか寒そうです。
でも、そんな冬の木もよく見ると、春に向けての準備がちゃくちゃくと進んでいて、ふっくらとした「冬芽(ふゆめ)」を見つけることができます。

そんな冬芽に注目したのがこの写真絵本です。
だれかの顔のように見える冬芽を集めています。

わたしたちの脳は、3つの点を見ると顔だと認識してしまうのだそうで、このような現象には「シミュラクラ現象」という名前がついています。

冬の間、"みっつん"と散歩をしながら、顔に見える冬芽を探してみようと思います。

『しずくのぼうけん』

『しずくのぼうけん』
マリア・テルリコフスカ:さく ボフダン・ブテンコ:え  うちだ りさこ:やく
福音館書店
1969年
¥900+税

『みずたまのたび』と同じように水の循環を描いた絵本です。
どちらの絵本にも、それぞれのすてきさがあります。

私にとっては、この絵本の魅力は、とにかく読んでいて楽しくなる耳に心地いい文章です。
”みっつん”にも楽しく聞こえるようで、ノリノリで聞いてくれることが多いです。

ただ冒険が長いので、"みっつん"は1冊まるまる聞くのは難しいのですが、階段を登るたびに数ページずつ楽しんでくれています。

『きらきら』

『きらきら』
谷川俊太郎:文  吉田六郎:写真
アリス館
2008年
¥1,000+税

めっきり寒くなってきましたね。
昨シーズンは東京でもしっかり積もるほどの雪が降りましたが、今年はどうなるのでしょう?

雪国の人には笑われてしまうかもしれませんが、大人になってからも雪を見るとちょっぴりウキウキしてしまいます。
雪が降ると、黒っぽい手袋やコートに雪を受け止めて雪の結晶を何とか見られないものか?と思わず試すのですが、体温ですぐに融けてしまい、なかなか見ることはできません。

そんな雪の結晶の美しい写真をたっぷりと味わいながら、谷川俊太郎さんの心がほっこりする温かな文を楽しむことのできる写真絵本です。
小さめのサイズなので、"みっつん"と電車やバスの移動をする日にバッグにしのばせて楽しんでいます。

写真をお撮りになった吉田さんは、人工雪の研究で有名な中谷宇吉郎博士の影響で雪の結晶の顕微鏡写真の撮影方法を極めるに至ったのだそうです。美しい結晶1つ1つから吉田さんの愛を感じる、素敵な1冊です。

『にじ』

『にじ』
さくらい じゅんじ:文  いせ ひでこ:絵
福音館書店
1992年 かがくのとも  1998年かがくのとも傑作集
¥900+税

お天気の絵本が読みたくなり、この絵本を開いてみました。
雨上がりに虹を見つけた少年が、飛行機から見たらどう見えるのか?見る場所が変わったら見え方は変わるのか?と考えます。
そして次の日に、家族と公園の噴水の周りで虹の見え方の秘密を探っていきます。

わずか30ページ足らずの薄い絵本ですが、中身はとっても濃くて、でも決して教え込まれることもなく、うきうきワクワク読み進めるうちに、虹についてちょっぴり理解が深まる、そんな素敵な1冊です。

”みっつん”とドライブをしていた時に、一度だけ虹が出ました。
でも、残念ながらベビーシートで後ろ向きに乗っていた”みっつん”には見えず・・・。
初めて虹を見たら、どんな反応をするのでしょう?
願わくば、その初体験のときに、近くで彼の反応を見てみたいなぁと思っています。

『すごい空の見つけかた』

『すごい空の見つけかた』
武田康男
草思社
2009年
¥1,600+税

”みっつん”との生活が始まり、もうすぐ1年です。
妊娠中から、それまでの生活とペースが変わりました。

それまでは、利便性の高い1つ先の駅まで自転車で移動し、一番速い電車で移動、到着した駅で一番階段に近くなる車両に乗車して・・・「時短」「最短」を求め、「効率」を愛して暮らしておりました。
それが妊娠をしてつわりでしんどいときには、すいている車両に乗るようになり、歩くペースがゆっくりになってからは、なるべく急いでいる方たちのご迷惑にならぬよう最後に電車を降りるようになりました。
"みっつん"と移動するようになってからは各駅停車しか停まらない最寄り駅まで、のんびり歩いて移動する機会も増えました。

どちらがいいとか悪いとかいうことではなく、生活が変わって感じていることは、見えるものも変化したな、ということです。
これまでも、空を見ているつもりでした。
珍しい天体現象が予定されている日にもアンテナを張っていましたし、珍しい空模様を写真に撮ったりもしていましたが、最近は「珍しくない空」をじっくり眺める機会が増えたように思います。

「珍しい」というのは、たくさんの「珍しくない」を知っているからこそ成り立つ感覚です。
"みっつん"と一緒に、「珍しくない空」をたくさんたくさん眺めながら、ときどき、この本で紹介されているような「すごい空」に出会えたらいいなと思っています。

 

『みんな、星のかけらから』

『みんな、星のかけらから』
ジーン・ウィリス:文 ブライオニー・スミス:絵 石井睦美:訳
フレーベル館
2018年
¥1,480+税

なんでもできるスターのお姉ちゃんと比べて何もできない妹は、いつかお姉ちゃんのようなスターになりたいと願います。
そんな妹に、おじいちゃんがステキな話をしてくれるのです。

今年の9月に出たばかりの絵本です。
本屋さんで出会ってしまい、表紙のやさしい絵と、内容を期待させるタイトルに即、購入しました。

期待を裏切らない、科学的にも物語としても大満足な1冊でした。

村山斉さんのブルーバックス『宇宙になぜ我々が存在するのか』に通じる内容ですが、子供でも分かりやすい言葉で上手に説明されています。

まだまだ内容は"みっつん"には難しいと思いますが、最近は長めのお話もじっくり聞く時もあり、絵も楽しげに眺めているので、時折読んでいくつもりです。

私もいつかこんなおじいちゃんみたいに話ができるおばあちゃんなりたい・・・。

 

『たこ』

『たこ』
加古里子
福音館書店
2018年
¥900+税

敬愛する かこさとしさんが亡くなって半年が過ぎました。
夏に川崎市市民ミュージアムで行われた「かこさとしのひみつ展 -だるまちゃんとさがしにいこうー」を訪れて、あらためて多くの人がかこさんの絵本を愛しているのだなぁ、と実感してきました。

そんな かこさんの絵本が福音館書店から「かがくのとも絵本」として10月に発売されました。(『たこ』・『だんめんず』・『いろいろ おにあそび』・『ごむのじっけん』・『でんとうが つくまで』・『わたしも いれて!』の6冊が一気に!)
この『たこ』は、1975年にかがくのとも(月刊誌)として出版されたものです。

葉っぱに糸をつけて凧のように上げてみるなんて、とっても素敵なアイディアです。
でも、うまくいく葉っぱをみつけるのは大変。
じゃあ、紙はどうかな?
・・・と、かこ先生の導くままに実験にとりくめる1冊です。

クリスマスプレゼントにしたら、冬休みにおうちにある道具や材料で実験が楽しめそうです。
"みっつん"とお散歩しながら、凧になりそうな葉っぱを探してみたいです。

『みかんのひみつ』

『みかんのひみつ』
鈴木伸一:監修  岩間史朗:写真
ひさかたチャイルド
2007年
¥1,200+税

みかんが美味しい季節になってきました。
今年は猛暑のおかげでみかんが甘いのだと、みかん農家の方がお話ししているのをテレビで見ました。
確かに味が濃くて美味しいみかんに当たる確率が高いように感じます。

"みっつん"もみかん大好きで、皮を剥いていると、期待のまなざしで縦に揺れながら待ちわびる、なんとも言えずかわいい仕草を見せてくれます。

そんな彼は、みかんの写真にどんな反応をするかしら?とこの絵本を読みました。
だいぶ拡大された写真ですが、しっかりみかんと認識したようで、歓声を上げていました。

この写真絵本で、私がお気に入りのページは、みかん一房のツブツブを全てバラしてみたページと、いろいろなみかんの仲間がずらりと並んだページです。
前者は"みっつん"の琴線には触れず。
後者は、食いしん坊のハートをわしづかみだったようです。

一番大きなみかんの仲間、晩白柚をこの冬に食べさせてあげたいなぁ。
どんな反応をするか、今から楽しみです。

公衆電話チャレンジ!

以前、防災関係の本(『東京くらし防災』、『子連れ防災手帖』、『地震イツモノート』)をご紹介したことがあるのですが、いざというときにご自分の生活圏内の公衆電話がどこにあるか、ご存知でしょうか?

先日、”みっつん”と公園にいた時の事。
ご近所のおばあさんが、キョロキョロと辺りを見回しながら通りかかられました。
お話をうかがうと、ご自宅の電話に不具合があり、問い合わせをしたいが公衆電話がみつからない・・・とのことでした。
言われてみれば、たしかに自宅近くの公衆電話など気にしたこともなく、唯一思いついたのが近くの文化センターの中にあるものでした。

それから、気になって”みっつん”とお散歩をしながら公衆電話を探すようにしています。
名づけて「公衆電話チャレンジ!」。
携帯電話の普及に伴い、めっきり減ってしまいましたが、気にしてみると意外とあるものです。

たとえば・・・
◇団地の前の道路
◇とあるコンビニの前
◇神社の境内
◇とある小学校の前

など、普段目にしていても見逃しているものが結構ありました。
大きな駅だと、普段使っている通路にはなくても1本裏側にはあったりもしました。

いざというときに、公衆電話がどこにあるかわかるだけでも少し心強くなりそうです。
もちろん、テレホンカードや10円玉の備えもしておきたいところです。

『モグラくんがみた おひさま』

『モグラくんがみた おひさま』
ジーン・ウィリス:ぶん  サラ・フォックス-デイビス:え  みはら いずみ:やく
BL出版
2012年
¥1,300+税

秋が深まり、すっかり日の入りが早くなりました。
それにつれて、日の出もゆっくりになってきましたね。

夜明けを味わえる1冊です。
日の出を見るために出かけようとしているハタネズミと出会ったモグラは一緒に連れて行ってもらうことになりました。2人がみずうみのほとりに行くと、そこにはスズメとリスとウサギも来ており、いろいろな表現の仕方でおひさまがいかに素敵かを説明してくれるのです。

「おひさまって知ってる?」と問いかけたら、どんな子でもうなずくと思います。
でも、「おひさまってどんなふうに見える?」と聞かれたらどうでしょう?
大人でも、「まぶしい」くらいしか出てこないかもしれません。
何かを知らない人に、そのものについて言葉で伝えるというのはとても難しいけれど、「伝えたい!」という思いがあれば、自分の経験を総動員して何とか伝えられるのではないでしょうか。

先日、「香り」をテーマに実験教室をしました。
香水を調合するプロの調香師の方々は、さまざまな香りを「言葉」で表現するそうです。
そこで実験教室でも、いくつかの香りを実際に嗅いで、自分なりの言葉で表現するということに挑戦してみたのですが、これが難しかった!
特に難しかったのが、「ヒノキの香り」というように「●●の香り」と分かってしまったものでした。
「ヒノキ」を知らない人に、「ヒノキ」という言葉を使わずにどう伝えたらいいの?とみんなで四苦八苦しました。

"みっつん"にも、いろいろな経験を言葉として積み重ねていって、大切な誰かに伝えたり、分かち合ったりできるようになってもらえたらいいな、と思っています。

 

『かぜ びゅんびゅん』

『かぜ びゅんびゅん』
新井洋行
童心社
2012年
¥800+税

時折、ひんやりした北風が吹くようになってきましたね。
大昔に「みんなのうた」で流れていた「北風小僧の寒太郎」をふと思い出して"みっつん"に歌ってみました。
そんなことをしていたら、風の本が読みたくなりました。

目には直接は見えない風がとても見事に、しかもかわいく表現されています。
旗をはためかせたり、風車を回しり・・・そうそう、風って何かが動いていると感じられたりするよね、と一人頷いてしまいます。

次に春一番が吹く頃には、"みっつん"はどんな動きをしているのかな?どんなふうに世界を捉えるようになっているのかな?とわくわくしながら、しばらくは北風と戦おうと思います。

『葉っぱのフレディ』

『葉っぱのフレディ -いのちの旅-』
レオ・バスカーリア:作  みらい なな:訳
童話屋
1998年
¥1,500

春に生まれた葉っぱのフレディの目から見た四季の世界が語られていきます。
生まれて初めての1年間を過ごしている"みっつん"にとっても、今年の四季はこんなふうに新鮮に感じているのかな?と思いながら、一緒に読んでいます。

とても言葉の多い絵本なので、0歳の"みっつん"が最初から最後まで集中して聞くのは難しいです。
でも、それぞれのページに描かれた葉っぱのフレディの絵や、四季折々の写真を一緒に眺めたり、「レオさん、ごめんなさい」と言いながら、"母による超ダイジェスト版"をお届けしてみたりしています。
そして、外へ出て散歩をしながら、紅葉を見つけると「葉っぱのフレディみたいだね」などと話しかけています。

この絵本の最初のページには、作者からのメッセ―ジとして
「 この絵本を
  死別の悲しみに直面した子どもたちと 死について的確な説明ができない大人たち
 死と無縁のように青春を謳歌している若者たち そして編集者バーバラ・スラックへ 贈ります。」
という言葉が添えられています。

いつか"みっつん"がもう少し大きくなったら、この絵本が本当に伝えたいメッセージも一緒に味わっていきたいです。

『なにの あしあとかな』

『なにの あしあとかな』
やぶうち まさゆき
福音館書店
1987年
¥900+税

『どうやって ねるのかな』、『なにの こどもかな』と同じシリーズの絵本です。

爪が引っ込んでいるか出っぱなしかという、猫と犬の微妙な違いには大人でも、あぁなるほど!と思わず唸ってしまいます。
小さな動物から大きな動物までバラエティーに富んでいて、この本を楽しんだ後には、実物の大きさや歩幅を確かめたくなります。
でも、動物園に行ってもなかなか足の裏をじっくり見たり、歩幅を測ったりすることは難しいですね。

多摩動物公園にはいろいろな動物の足跡が実物大で描かれているところがあるのですが、歩幅が再現されていないのがなんとも残念でたまりません。
リアリティーと言うことについて考えていたら、昔、実家のご近所の駐車場に、コンクリートが固まる前に歩いてしまった猫の足跡が残っていたのを思い出しました。
あれは正にリアルな足跡でした。

ディズニーランドのクリッターカントリー(スプラッシュマウンテンがあるエリア)にも、いろいろな小動物の足跡があります。あの足跡は、ワクワク感が増すステキな演出です。

"みっつん"には、足跡のページは模様にしか見えていないようで、もっぱら動物のページにだけ反応しています。
そのうち、足跡に興味を持ち始めたら、またじっくり読んでみたいです。
なかなか実物の足跡を見る機会はありませんが、砂場などに残っている足跡に出会えたら、じっくり観察してみるのも楽しそうです。

『サンタのおまじない』

『サンタのおまじない』
菊池清
冨山房
1991年
¥1,200+税


クリスマスの絵本をもう一冊。

クリスマスイブに"けんちゃん"のもとにサンタさんから届いたのは、ピーマン、にんじん、しいたけ、レモン、ナス、そしてトマト。

でもこれがただの野菜じゃなかったんです。

「いち にい サンタ」とおまじないを言うと、「ちょき ちょき ぱちん」とピーマンが切れて、そのパーツを組み合わせたらクリスマスツリーに大変身!
にんじんもしいたけも・・・みーんな、すてきに変身しちゃいます。

『1まいの かみの どうぶつえん』に通じる感動があります。

言葉の響きが楽しいようで、"みっつん"は「いち にい サンタ」と「ちょき ちょき ぱちん」と言うたびにケタケタ笑って楽しそうにしています。

絶望的に絵心のない私ですが、絵本を写してちょき ちょき ぱちんしてみたいです。

『クリスマスの足音』

『クリスマスの足音』
もうひとつの研究所
青幻舎
2011年
¥1,200

オレンジと黒で彩られていた街も、ハロウィーンが終わり、一気に赤と緑のクリスマスムードへと変わりました。
そんな街の雰囲気につられて、まだアドベント(待降節)に入ってはいませんが、クリスマスの本を読んでしまいました。

『ストロボフライ』と同じシリーズのパラパラアニメです。
この本には鈴が仕掛けられていて、ページをめくっていくと「リンリンリンリン♪」とサンタさんが近づいてくる「クリスマスの足音」が本当に聞こえてきます。

パラパラするのがすっかりお手のものになった"みっつん"、楽しそうに一人もくもくとページをめくって楽しんでおります。

ヒマラヤスギのタネ

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』にも載っているヒマラヤスギのタネを拾いました。

 

以前紹介したニワウルシラワンと同じ、「くるくる回って落ちるタネ」の仲間です。

もし公園などで、バラの花のような形の松ぼっくりのようなもの(写真右下)がゴロッと落ちていたり、その松ぼっくりっぽいものが剥がれ落ちた三角っぽいもの(写真左下)が落ちていたら、その周りにタネ(写真上)が落ちている可能性大です。

マツやカエデなどのタネもよいのですが、小さいのが難点です。
そうしたタネと比べると、ヒマラヤスギは何といってもその大きさが魅力です。
三角形のタネは1辺が3cm以上あるものが、ざらです。
大きいので、くるくる回って落ちる様子も観察しやすいです。

難点は、翼部分が薄いこと。
近頃めっきり指先が器用になってきたとはいえ、まだまだ力加減は思い通りにいかない"みっつん"に持たせてあげるには、もろいです。
当面は、くるくる回って落ちる様子を見て楽しんでもらうことになりそうです。

実りの秋は、魅力的なタネに出会える絶好のチャンス!
くっつくタネ シリーズも集めたいところです。
私がこどものころと比べると、オナモミを見なくなりました。そんなオナモミの素敵な絵本もあるので、いずれご紹介できればと思っています。

『ぼく あひる』

『ぼく あひる』
ミーシャ・リヒター
冨山房
1994年
\1,200+税

「だれか いっしょに あそんでくれないかな…
     ひとりぼっちの あひるは
   ともだちを さがしに でかけます」

というイントロの後は、動物の鳴き声しか文字がありません。
「があがあ」と鳴きながら友達をさがすアヒルに、いろいろな動物がそれぞれの鳴き方で応えます。

いろいろな鳴きまねをすると、"みっつん"も楽しそうに聞いてくれます。
母からいろいろな音が出るのがおもしろいようです。

そんな"みっつん"の成長記録を見返してみると、彼から出る声(音)も日に日に変化してきたのを実感しました。

新生児のときには「おんぎゃ~」と泣いていたのが、「んぎゃ~」になり、「ぎゃ~」になり・・・。
2ヶ月のときには「あい!」「う~」「ハァ~」といった発声練習をしていました。
3ヶ月のときには、"親バカフィルター"を3重くらいにかけると「おはよー」と聞こえるような「おあよー」というような声を出していました。(うちの猫が「ウミャイウミャイ」と言いながらエサを食べている・・・くらいの精度でした)
4ヶ月では、ご機嫌なときに「キャハー♪」と甲高い声を出すようになり、6ヶ月で「キィーーーー♪」とさらに高い声に。
さらに「んで~」から「ばっばっばー」に進み、指を口につっこんで「あわわ~」という音を出せるようになり、9ヶ月を過ぎると、ダースベーダーのような「コォォォォ~」という音を喉の奥から出すようになりました。
その少し後には美味しいものを食べたり、嬉しいときに「ムフフフ」と笑うようになりました。
2週間ほど前には"R"っぽい音を喉の奥の方で出していましたが、今は目下「まんま」ブームに突入しました。

姪っ子や甥っ子など身近な子供はいますが、毎日じっくり観察したことはなかったので、赤ちゃんがこんなにも毎日めきめきと成長・変化していくなんて知りませんでした。

この絵本に登場するさまざまな動物たちの鳴き声も、少しずつ一緒に聞けたらいいなぁと思います。

 

『なにの こどもかな』

『なにの こどもかな』
やぶうち まさゆき
福音館書店
1987年
¥900+税

『どうやって ねるのかな』と同じシリーズの絵本です。
薮内さんの描く動物たちはリアルで、でも表情が穏やかで、本当に魅力的です。
"みっつん"も食い入るようにみています。

いろいろな動物のこどもが登場して、ページをめくるとその動物の親子が現れます。
親子のページをよく見ると、こどもの数が違っているのは、それぞれの動物の平均的なこどもの数を反映しているのかしら?と思いながら楽しんでいます。

いないいないばあの絵本などの反応を見ていても、"みっつん"は「目」に注目しているように感じます。
この絵本でも、たくさんの動物たちの瞳が気になるようです。

それにしても、どの動物もこどもは丸っこくて黒目がちで愛らしい姿だな、と改めて思います。
このようなこどものかわいらしい姿の特徴は、baby schema(ベビースキームという表記が発音には近いと思いますが、よくベビーシェマと表記されていたりします)呼ばれるものです。

"みっつん"は、baby schemaに加えて、いろいろな声を出すようになり、パチパチができるようになり・・・と日に日に「愛嬌」レベルを上げて、あっぱれな世渡りをしています。

 

階段で読み聞かせ

目下ハイハイを極めている"みっつん"は、階段も登れるようになりました。
上手に両手両足を使ってよじ登っていく姿を後ろから見守りつつ、大人だったらけっこう急な崖を全身でよじ登っている感じだろうか?などと思っています。

 

だいぶスムーズに登れるようになってきたのですが、まだ下りることはできないので、登っている途中で階段の下に気がそがれるのが怖いのです。
そこで、数段先の段に集中してもらうあの手この手を考えているうちに、オモチャや絵本を置くようになりました。

最近は、『まみむめもにょにょ』などの絵本のページを開いて"みっつん"より数段上に置いて、"みっつん"が1段登るごとにページをめくりながら絵本も1段ずつ上へ上へと進めていっています。
おかげで、階段を登るたびに1冊絵本が読めるという素敵な状況になりました。

絵本の読み聞かせというと、「落ち着いて赤ちゃんをお膝に抱っこしなくては・・・でも、そんなにゆっくりできる時間はなかなかとれないし・・・」と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、我が家ではこんな具合に「階段登りのついでに読み聞かせ」しちゃっています。

これからも気軽に、そして隙あらば、絵本と触れ合いたいです。

『ふしぎなにじ』

『ふしぎなにじ』
わたなべちなつ
福音館書店
2014年
¥1,500+税


相変わらず鏡が大好きな"みっつん"と一緒に、『きょうのおやつは』と同じ「かがみのえほん」シリーズの1冊を読みました。
鏡状になっているページを90度に開くと、そこに描かれた虹が鏡に映ってそれはそれは楽しい世界が広がります。

『きょうのおやつは』のような物語ではないので、ページをパラパラとめくりながら"みっつん"の反応をじっくり観察してみました。
じぃ~~~っと食い入るようにみていました。
最後のページでは「ホホ~ゥ!」と声が上がっておりました。
0歳の赤ちゃんには、こちらの方がシンプルで分かりやすいのかもしれません。

このシリーズは、もう1冊あるので、そのうち一緒に読んでみようと思っています。

『あしのうらのはなし』

『あしのうらのはなし』
やぎゅう げんいちろう
福音館書店
かがくのとも 1982年10月号 / かがくのとも傑作集 1982年
¥900+税

本日、"みっつん"の手形を取る機会がありました。
大型のスタンプ台(学研の「ぺったん」という商品)を使って、とても手軽に手形を取ることができました。

生後1カ月の時に、通常サイズのスタンプ台で手形・足形を取ったのですが、その時は、放っておくとグーになってしまう"みっつん"の手をこじ開け、インクを塗り、再びグーになる前に急いで画用紙を押しつけて・・・と夫婦で大騒ぎでした。

あれから9か月。
生後10か月になった"みっつん"は「パーにしててね」とお願いしたら、パーのままでいてくれました。
おまけに、このスタンプ台が大きくて作業も楽ちん☆
インクも落としやすい、といいことづくめでした。
¥3,300+税か・・・買おうかどうしようか悩むところです。
でも、手形や足形を取る実験教室には使えそうだし・・・とけっこう揺らいでいます。

取った手形を9カ月前の手形と比べてみたら、あぁこんなにキミは成長してくれていたんだね、と感無量です。
体重が3倍近くになり、日々大きくなっているとは思っていましたが、こうして形に残すと、より実感がわいてきました。


そんなこともあって、『てとゆび』に続いて、『あしのうらのはなし』を読みました。

最近、つかまり立ちをするようになった"みっつん"の足の裏につちふまず的なくぼみがうっすらと登場したように思います。
これから歩き出したら、もっと変化していくのでしょう。
ぷっくりむちむち足の裏とお別れなのは、ちょっぴりさみしいですが、成長は嬉しい限りです。

『どうやってねるのかな』

『どうやって ねるのかな』
やぶうち まさゆき
福音館書店
1987年
¥857+税

いろいろな動物が登場します。
「〇〇は どうやって ねるのかな」という問いかけがあり、ページをめくると、こんなふうに寝ますという流れをくり返していきます。
写実的で魅力的な動物たちの絵は、見ているだけで幸せな気持ちになります。

登場するのは、次の動物たちです。

リス←井の頭動物園で会いました
コウモリ←井の頭動物園で会いました
フラミンゴ←多摩動物公園で会いました
ラッコ←"Otter on His Own"という絵本にも出てきましたが、実物は"みっつん"未経験です
オオカミ←多摩動物公園で会いました
ヒョウ←多摩動物公園で会いました
ラクダ←"みっつん"未経験です
キリン←多摩動物公園で会いました

こうやって考えてみると、0歳にして結構な動物たちに出会えています。
動物園に感謝です。
動物園⇒絵本⇒動物園⇒絵本⇒・・・と経験を重ねていくことで、少しずつ動物の認識が進んでいるように感じます。
この絵本も、読み聞かせをしている間、動物の絵の部分を手でなぞったり叩いたりしながら、楽し気に声を上げて見ていました。
特にフラミンゴとキリンがお気に召したようです。

別の絵本でもフラミンゴは大好きな様子。
茶色系の動物たちの中で唯一、くっきりしたピンク色だからでしょうか?

少しずつ少しずつ”みっつん”の世界が広がっていくといいな、と思います。

『ばばばあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき』

『ばばばあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき』
さとうわきこ:作  佐々木志乃:協力
福音館書店
2004年
¥900+税

ばばばあちゃんシリーズのむしぱん編です。
離乳食もだいぶ進んだので、蒸しパンを作ってみたいなと思い、せっかくなのでばばばあちゃんのレシピで作ってみることにしました。

 

レーズン入りとリンゴ入りを作りました。
目下、手づかみ食べがブームな"みっつん"がぱくぱく食べてくれました。
ばばばあちゃんに感謝です。

子どものころ、『こまったさん』・『わかったさん』シリーズが好きでした。
お菓子を作りたいので『わかったさん』のレシピが欲しいけれど、お話自体は『こまったさん』の方が面白い気がして、お小遣いでどちらを買おうかとっても迷ったのを覚えています。
悩んだ末に、利害が一致した姉が『こまったさん』を、私が『わかったさん』を買うことで手打ちにしたように思います。

食いしん坊は、本の中に登場する美味しいものを作って食べたくて仕方がなかったのです。
『ブンのはなしっぽ』を読んだらドーナッツを作って食べたくなったし、『おちゃめなふたご』を読んだらオイルサーディンのサンドイッチなるものを食べたい!と思ったものでした。
でも、当時はインターネットでレシピが検索できる時代でもなく、お手上げでした・・・。

だから、本そのものにレシピが載っているなんて、本当に素敵だと思います。
読んで楽しくて、作って食べて、さらに楽しめて、お得です。

『まみむめもにょにょ』

『まみむめもにょにょ』
フクバ リンコ:え  稲田大祐:監修
永岡書店
¥850+税
2015年

ガリレオ工房メンバーの稲田さんが監修なさった「0・1・2さいあかちゃんえほん」シリーズの1冊です。
もちろん安心して"みっつん"に手渡せるボードブック(分厚いページの本)です。

とってもかわいくてカラフルなイラストに"みっつん"はくぎづけ。
耳に心地いいオノマトペたちに、「ムフフフフ」と笑いがもれ出ちゃっていました。

たくさんの色を背景に、いろいろな動物が登場するので、『やさいいろいろかくれんぼ』『くだものいろいろかくれんぼ』『どうぶつ』『サファリ』などと合わせて、「ここは赤いね」、「ここは紫だね」、「ゴリラさんがいるね」などおしゃべりをしながら楽しんでいます。

そんなことをしていたら、子どものころ、家にあったカードゲームを思い出しました。
いろいろな動物が、いろいろな色の服を着て、いろいろな動作をしている絵札と「いぬです。赤い服を着ています。滑り台で遊んでいます。」、「ねこです。黄色い服を着ています。ブランコで遊んでいます。」といった読み札がありました。
遊びながら、色の名前や遊具の名前を学んでいたのでしょうね。
今で言う知育玩具だったんだなぁ、と改めて思いました。

『おいもさんがね・・』

『おいもさんがね・・』
とよた かずひこ
童心社
2012年
¥850+税

先日、三鷹の「星と森と絵本の家」へ行ってきました。
国立天文台の中にあり、大正時代に建てられた旧官舎の建物を利用しているので、おばあちゃんの家に遊びに行ったような気持ちになれる温かい雰囲気の施設です。

たまたまチビさん向けの読み聞かせが行われる時間にお邪魔することができました。

想定していたよりも小さい(0歳~1歳)参加者たちに、スタッフの方々が急遽プランを変えてくださって、この絵本を読み聞かせしてくださいました。
畳のお部屋での読み聞かせ、"みっつん"は最前列へハイハイで突進し、絵本の真ん前に陣取って食い入るように見入っておりました。
ページをめくるたびに「お~~~!」と声を上げて大興奮。
他のお友達のお邪魔になっていやしないかとハラハラしつつも、全身で楽しんでいる様子に嬉しい気持ちになりました。

サツマイモの美味しい季節になりましたね。
食いしん坊母子は「食欲の秋」を満喫中です。
せっかくこの絵本を読んでいただいたので、サツマイモご飯やサツマイモ入りの蒸しパンなどを作って”みっつん”と楽しもうと思います。

===
三鷹市星と森と絵本の家
〒181-0015 三鷹市大沢2丁目21番3号 国立天文台内
開館時間: 午前10時~午後5時
休館日:火曜日、年末年始(ほかにメンテナンス休館あり)
その他:飲食可能なスペースあり

『ストロボフライ』

『ストロボフライ』
もうひとつの研究所
青幻舎
2014年
¥1,200+税

昨日、”みっつん”がペーパーバックの角をひたすらパラパラしているのを見て、指先が器用になってきたなぁと思い・・・ということは?もしやこの本イケるんじゃなかろうか、と本棚から出してみました。

片手に乗るほどの小さなパラパラアニメの絵本です。

とても巧妙にできていて、奇数ページは右下がカットされ、偶数ページは右上がカットされているので、右上をパラパラすると奇数ページだけが見え、右下をパラパラすると偶数ページだけが見えるのです。どこをパラパラするかで、まったく違う本を見ているように思えます。
しかも、この本のすごいところは、カットされていない真ん中辺りをパラパラするとすべてのページが見えて、そこでストーリーが完結するというところです。

そんなパラパラアニメを"みっつん"に手渡してみたところ、思ったとおり器用にパラパラしていました。
どこをパラパラするかで違う絵が見えるとか、そういうことは気になっていないと思いますが、それなりに楽しんでくれていたようです。

ほかにもパラパラアニメの絵本があるので、ときどき楽しんでみます。

『どんぐり とんぽろりん』

『どんぐり とんぽろりん』
武鹿悦子:作  柿本幸造:絵
ひさかたチャイルド
2008年
¥900+税


どんぐりの絵本の読み聞かせを親子で聞くチャンスがありました。
母の膝の上で他の人に読んでいただく読み聞かせは、いつもと違うのか、"みっつん"は、とてもウキウキで参加しておりました。
柿本さんのかわいい動物たちのイラストに「お~~~!」「あ~~~!」と両手を上げて大興奮しながら聞いてきました。


柿本さんは、『ヒッコリーのきのみ』もお描きになった方です。
今、武蔵野市立吉祥寺美術館で「心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界」という特別展をやっているそうです。(11月11日までで、10月31日はお休み。)
開催中に行けるかな?行きたいな~と思っています。

『身につけよう!江戸しぐさ』

理科読ではないのですが、ちょっと失敗をしまして・・・。

"みっつん"は目下、「紙は破ってなんぼでしょ」の時代を生きています。
そんな彼が熱心に絵本に見入っていたので、ちょっと目を放してしまいました。


しばらくして「ビッ!!」という盛大な音に振り向くと・・・輝く笑顔で戦利品の1ページを高々と掲げておりました・・・。

「あぁ~やられた~!」、「図書館の本じゃなくて、うちの本でよかった~」などなど一気に様々な思いが駆け巡り、同時に以前読んだこの本を思い出しました。

『身につけよう!江戸しぐさ』
越川禮子
KKロングセラーズ
2004年
¥1,200+税

「うかつあやまり」という江戸しぐさを思い出したんです。
足を踏まれたとき、足を踏んでしまった方が謝るだけでなく、「そんなところに足を出していた自分もうかつでした」と踏まれた方も謝れば丸く収まる、という「往来しぐさ」の1つです。

そう、君に絵本を託したまま目を放した母が「うかつ」でした。
そう思ったら、「こらー!何やってるの!?」と叫ばずに済みました。
君が人生何もかも初めましてなように、母も子育ては何もかもが初めましてなので、うかつなことも多々あるかと思いますが、ご勘弁を。

"みっつん"に「狩られた」ページは、お気に入りのマスキングテープで補修して、"みっつん"の成長の記録と私の「うかつ」の教訓として大事にしようと思います。

でも、しばらくは手渡すのはボードブックだけにしよう・・・。

ラワンの種の模型

ニワウルシのタネの模型に続き、とても手軽な「くるくる回って落ちるタネ」の模型をご紹介します。ラワンのタネです。

ラワンという植物もあまりなじみは無いかもしれません。
日曜大工をなさる方でしたら、「ラワン材」という素材としてご存知かもしれませんね。
ブリタニカで調べてみたところ、「サラソウジュ(沙羅双樹)など熱帯アジアの雨林を構成するフタバガキ科の大高木の木材の総称。」とありました。
沙羅双樹!?
その昔、お経のように唱えて覚えた平家物語の冒頭に登場する、「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」の「沙羅双樹」ってラワンだったのですね。

とにもかくにも、東南アジアに生えているフタバガキ科の巨大高木であるラワンの種にはウサギの耳のような翼がついています。この翼に空気があたると、くるくると回転するのです。

模型の作り方はいたって簡単です。
用意するのは、画用紙(25㎝×2cmくらい)とゼムクリップ。

1. 画用紙を半分に折ります。このとき、端を少し(1cm程度)ずらしておくのが回転を生み出すポイントです。
2. 折り目にクリップをつけます。
3. 2枚の翼を指で"しごいて"反りをつけます。

高いところから落とすと、くるくる回りながら落ちてきます。

子どもたちに作ってもらうとき、"しごく"という動作が曲者です。
小学生でも、なかなかピンとこないことがけっこうあります。

小さなお子さんだと、高いところから落とすことは難しいかもしれません。
大人がいっしょでしたら、抱っこしてあげてもよいと思います。
子どもだけで高い台などに上るのはちょっと怖いな・・・という時には、タネ(クリップ)を上に向けて投げ上げると高いところから落ちる様子が観察できます。

いろいろな紙でつくったり、大きさを変えてみたり、紙の端をずらす方向を逆にしてみたり・・・いろいろな工夫に簡単に取り組めるのも、この模型のいいところです。

『こならぼうやのぼうし』

『こならぼうやのぼうし』
八百板洋子:ぶん  高森登志夫:え
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2002年10月号
¥380+税
※月刊誌のバックナンバーなので、図書館でぜひ。

ドングリつながりで、"みっつん"の はとこからお下がりでいただいた、「ちいさなかがくのとも」を読みました。
もう大学生のお姉さんが、まだ幼稚園生だった頃の絵本なので・・・16年前のものでした。(図書館にはバックナンバーが揃っていると思うので、チャンスがあったらぜひご覧になってみてください。)


こならどんぐりの"こならぼうや"が帽子をなくしてしまいます。
そこで、帽子を探していると、くぬぎどんぐりや、しらかしどんぐり、かしわどんぐりなど色々などんぐりたちと出会い、彼らの帽子を試しにかぶってみるのですが、大きすぎたり、小さすぎたり・・・。

ドングリの帽子をじっくり見てみたくなる1冊です。

そして、何度も出てくる「ころころ ころころ こっつんこ!」というフレーズのところで、"みっつん"とおでこをこっつんこしながら読み聞かせをしたところ、けたけた笑ってくれました。

「ちいさなかがくのとも」や「かがくのとも」などは月刊誌なので、一期一会になってしまうものが多いですが、とっても素敵な名作がたくさんあると思います。
とはいえ、個人で毎月全部買うと、あっという間に本棚がいっぱいになってしまうので、私は毎月本屋さんをパトロールすることにしています。
店頭でぱらぱら見て、ビビッと来たら購入するようにしているのですが・・・しょっちゅうビビッと来てしまうんですよね・・・。

ニワウルシのタネの模型

一昨日の『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく』にちなんで、保育園や幼稚園での理科読でつくっている、ニワウルシのタネの模型をご紹介します。

漆に似ているけれど、漆と違ってかぶれないので安心してお庭に植えられる。だからニワウルシという名前がついているようです。
英語名はTree of Heaven。「天国の木」って、なんだかとっても素敵な名前です。

そんなニワウルシのタネは、「くるくる回る作戦」の仲間です。
つたない絵ですが・・・真ん中の濃い色の●部分がタネ、その周りに翼のついた実がなります。


そして、この実はクルクルと回転しながら落ちていきます。

そんなニワウルシのタネ(というか実ですね)の模型は、紙テープとラベルシールで簡単に作ることができます。

紙テープ10㎝~15㎝くらいの真ん中辺りに印をつけておいて、まずは片端をくるりと丸めてラベルシールで留めます。
全体を裏返して、反対の端をくるりと丸めて2枚目のラベルシールで留めます。


すると、蝶結びのチョウチョのような形の模型が出来上がります。
ラベルシールをタネ、紙テープを翼に見立てて、高いところからそっと落とすと・・・クルクルクルッと回転しながら落ちていきます。
保育園や幼稚園でも大人気の実験です。

"みっつん"の目の前で落としてみると、興味津々。
落ちた模型を手に取って、ポイッと投げてみていました。
投げたら楽しいことになる、ということには、どうやら気づいた様子でした。
でも、紙が薄くて、"みっつん"は握りつぶしてしまったので、今度は強度を増した0歳児向けバージョンを考えてみたいと思います。

『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』

『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』
盛口満
岩崎書店
2010年
¥1,400+税

今日は、秋晴れの気持ちよい一日でした。
"みっつん"とドングリを拾ったので、いそいそとこの本を広げてみました。

タイトルに「ぼくの」と入っている通り、著者の盛口さんが拾って集めたドングリをずらりと描いた図鑑です。
たとえばシラカシという1種類のドングリが1ページびっしりと描かれていたりします。
一言で「シラカシのドングリ」と言っても、実際に拾ってみると色も形も千差万別。

自分が拾ってみると、「個体差」というものを実感します。
個体差があるけれど、種類ごとに共通する部分もあるのが、趣深いです。

さて、今日拾ったのは、何でしょう?

図鑑とにらめっこしてみましたが、うーん、難しいです。
シラカシとコナラと・・・写真撮りそびれましたが、クヌギもありました。

姪っ子がまだ幼稚園生だったころ、ドングリをたくさん拾って帰り、数日後に、にょっこりと虫さんが登場して大騒ぎだったようです。
それ以来、保管はベランダという決まりができたとか。

絵心というものは持ち合わせていないのですが、いつか"みっつん"がドングリ拾いにハマるお年頃になったら、「わたしたちのドングリ図鑑~写真版~」をつくれたら楽しそうだなぁ、なんて思いました。

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』
(みるずかん・かんじるずかん<金の本>)
高森登志夫:え  古谷一穂:ぶん
福音館書店
1990年
¥1,300+税


わたげのついたタネ、くるくるまわるタネ、はじけ飛ぶタネなど、同じような作戦をとるタネが見開き2ページにまとまって紹介されています。
この図鑑の素敵なところは、ページをめくると、それぞれのタネが描かれていた場所にその植物の花や実がなっている様子が対応して描かれているところです。

タネを見かけても、それがどの植物のタネかということは案外難しい問題です。
風に乗って飛んできたタネだったら、辺りを見回しても見当たらないこともあります。
雑木林のような所だと、周りに植物がありすぎて、一体全体どの植物から落ちてきたのか・飛んできたのか、さっぱりお手上げ・・・なんてこともあります。

そんなときに、花や実、葉っぱなどの手がかりがあると、「もしかしたら、あれかな?」と諦めずにちょっぴり探してみようかな、という気持ちになれるものです。

もう1つ素敵なポイントは、ほとんどのタネが実物大で描かれているところです。注意深くページの右下を見ると、「ほんものの、おおきさです」とか「ほんものの2ばいの、おおきさです」と書いてあるので、それも目の前の"未知のタネ"についての貴重な情報になります。
ほんものの大きさって、いいですよね。
以前紹介した『小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大どうぶつ館』もそうですが、実物大というだけで、抽象度が減ってグッと捉えやすくなるように思います。

植物にはとんと疎くて、「あ~、赤いお花が咲いてるな~」とか「細い葉っぱがいっぱい茂ってるわ~」くらいにしか判別できない私には、このくらいざっくりした図鑑が嬉しいです。

"みっつん"とのお散歩で出会ったタネが、この図鑑に載っていたらラッキー、くらいの軽い気持ちでいようと思います。
いいんです、具体的な名前までつきとめられなくても。
「形が似ているから、きっと"クルクル回る作戦"なんだろうな」くらいのことが分かったら、楽しいじゃないですか。

『あずきまる』

『あずきまる』
早川純子
農山漁村文化協会
2008年

そろそろ小豆の収穫時期でしょうか。
"さや"の中で育った「あずきまる」たちは、自分たちにそっくりな、まるくてピカピカなそっくりさんに食べられたい!と育ててくれたタヌキに直談判。

国際マメ年に、豆をテーマに実験教室を実施した際、参加した小学生の女の子に教わった1冊です。
実験教室で、

『アズキの絵本』
十勝農業試験場アズキグループ:へん  はやかわ じゅんこ:え
農山漁村文化協会
2006年
2,500円+税

という別の絵本を紹介したところ、その絵を見て「あっ!あずきまるの人の絵だ!」と大喜び。
大好きな絵本なのだと教えてくれました。

つやつやピカピカのあずきまるの絵は、"みっつん"も気に入ったようです。特に、表紙のあずきまるの大きな目を重点的にねらってきます。

お豆のマラカスの小豆を見せつつ、「これが小豆だよ」、「もう少し大きくなったら、一緒にあんこをつくったり、お赤飯をつくったりして食べようね」などと話をしています。

『OPPOSITES たいしょうご』

『OPPOSITES たいしょうご』
Patrick Gerorge
Silverback Co. Ltd
2010
※残念ながら、品切れ中です

数年前に、友人の出産祝いを探していたときに書店で見かけて一目惚れ。
即購入してプレゼントしました。
"みっつん"が生まれて、我が家にもほしいなと思い探しに探しましたが品切れ中で見つけられず・・・。
それでもどうしても諦めきれず・・・。
初めてフリマ・アプリを使いました。

とても秀逸な仕掛け絵本です。
左右のページに「対照語」が描かれています。

たとえば、「おおきい Big」というページには上を見上げている人の小さなシルエットが描かれ、反対のページには「ちいさい Small」という言葉と大きな手のシルエットが描かれています。
この見開きの間に、透明シートに描かれた円が挟まっているのです。
透明シートを「おおきい Big」のページに重ねると、大きなボールを小さな人が見上げている構図になり、透明シートをめくって「ちいさい Small」のページに重ねると、小さなボールを指でつまんでいるようなイラストになるのです。

とてもシンプルな言葉とイラストですが、透明シートを左右どちらのページに重ねてみるかで、見事に反対の世界が広がります。


目下、「紙は獲物」な お年頃の"みっつん"ですが、紙のページと透明シートのページをなでなでして、手ざわりの違いを研究していました。対照語としての趣深さは、まだわからないと思いますが、はっきりした色使いやシンプルなイラストは結構お気に入りのようです。

それにしても、本の「一期一会っぷり」が加速してきているように感じます。出版業界の厳しさは、たびたび話題になりますが、もう少しじっくり時間をかけて売れるようになったら、こういう素敵な本と出会える機会が増えるのにな・・・ともどかしく感じます。
出会ったときに買わないと、本当にあっという間に姿を消してしまいますね。

『もりに かくれているのは だあれ?』

『もりに かくれているのは だあれ?』
アイナ・ベスタルド:さく  きた なおこ:やく
青幻舎
2017年
¥1,900+税


先日、『いろいろへんないろのはじまり』のことがお気に入りの姪っ子の話を書きました。この絵本も、彼女のお気に召した1冊です。

緑・青・赤3色の"レンズ"がついていて、それぞれの眼鏡でのぞいて見ると、1つのページの上にまったく違う世界が広がります。

同じようなしかけの絵本はほかにもありますが、この絵本が優れているのは、付属の"レンズ"が大きくて覗きやすい点です。
こどもにとって、片目で覗くというのは案外難しいことです。この絵本の場合、"レンズ"が十分に大きいので両目で覗けるところが素晴らしいと思います。

そして、青の"レンズ"で覗いた世界が明るく見やすい点も優れています。
別の絵本で、青いフィルターで覗いた世界が暗すぎて、せっかくのしかけが見えず、残念!という思いをしたことがありますが、この絵本はノーストレスです。


たとえば、赤い光だけがはね返されれば、私たちは「赤い物」として見ることになります。
このように、光源から出た白色光のうち、物によってはね返された色の光が私たちの目に届きます。
この絵本では、赤・水色・黄色の3色のインクで描かれていますが、緑の"レンズ"を通すと、赤のインクで描かれた部分だけが際立って見えるのです。
青の"レンズ"を通すと、赤のインクと黄色のインクの部分が見え、赤の"レンズ"を通すと、水色のインクの部分が見えるので、3色の世界が見事に切り替わります。


まだ"みっつん"には、付属の"レンズ"は「獲物」として認識されて食べられてしまいそうだったので、もう少し彼の成長を待って、一緒に楽しもうと思います。
その頃には、姪っ子が読み聞かせをしてくれるかも・・・?

『ぼくのぱん わたしのぱん』

『ぼくのぱん わたしのぱん』
神沢利子:ぶん  林 明子:え
福音館書店
1978年1月 かがくのとも
1981年 かがくのとも傑作集
¥900+税


パン好きな食いしん坊母の影響で、"みっつん"もパンが大好きです。離乳食も後期に入り、パンを使ったメニューも少しずつバリエーションが出てきました。

市販のパンはよく気を付けていないと、はちみつが入っていることがあったりするので、自分で美味しく焼けたらいいな・・・と思うようになりました。
そこで先日、パン作りが上手な友人に作り方を伝授してもらってきました。
ときどき、手作りパンが食卓にのぼったら・・・と、もくろんでいます。

そんなこともあって、パンの絵本を何冊か図書館で借りてきました。

これは私の癖なのですが、あるテーマの本をまとめて借りるようにしています。
何冊かまとめて読むことで、そのテーマをいろいろな角度から見渡すことができ、おぼろげながら全体像のようなものがつかめるし、短期間に繰り返し1つのテーマの話を読むことで、記憶にも残りやすいように思うからです。

この絵本はその中の1冊。
3人兄弟が自分たちでパン作りにチャレンジするようすが丁寧に描かれています。
分量が書かれていないのだけが残念!
書いてあったら、ぜったいに真似するのになぁ、とそこだけがもどかしいのですけれど、そこは他のレシピで補えばいいかな、と思うことにしました。

時間経過がさりげなく時計のイラストで示されているのが素敵です。
よく見ると10時ころに作り始めたパンが15時頃に完成しています。

"みっつん"がもう少し大きくなったら、この絵本を読んでから一緒にパン作りをしてみたいです。

『分水嶺さがし』

『分水嶺さがし』
野坂勇作
福音館書店
たくさんのふしぎ 2016年8月号
※月刊誌のバックナンバーなので、図書館などで、ぜひ

山に降った雨は、斜面のこちらの川に流れ込んだり、あちらの川に流れ込んだりします。
どちらの川に流れ込むかの境目が「分水嶺」です。
分水嶺にハマッた作者が、お水を入れたペットボトルを持って、分水嶺探しを始めます。
あっちでチョロチョロ、こっちでチョロチョロ・・・。

たくさんのふしぎは、小学生くらいのお子さん向きの内容が濃いシリーズなので、もちろん"みっつん"の読み聞かせには、まだまだ向きません。

でも、大人が読んでも充分面白いんです、この本。
分水嶺のおもしろさのエッセンスだけでも伝わったらいいなぁと思い、「あめふりくまのこ」の替え歌をして"みっつん"と楽しんでいます。


おやまに あめが ふりました あとから あとから ふってきて チョロチョロ おがわが できました
※ここまでが、鶴見正夫さんによる、もとの歌詞です

おやまの あっちに ふったあめは だんだん じめんに しみこんで あっちの おがわに ながれこむ

おやまの こっちに ふったあめは だんだん じめんに しみこんで こっちの おがわに ながれこむ

おやまの たかい ところには あっちと こっちの さかいめが。 そうです そこが ぶんすいれい

梅雨時に、この替え歌を歌いすぎて、オリジナルの歌詞がスッと出てこなくなってしまいました。

『ちいさいタネ』

『ちいさいタネ』

エリック=カール:さく  ゆあさ ふみえ:やく
偕成社
1990年
¥1,400+税

すっかり秋めいてきました。
特に日の暮れ方に「秋の日は釣瓶落とし」という言葉がよぎるようになってきました。
そこで、「秋です。」から始まるこの絵本を手に取りました。

強い風にのって飛び散った花の"タネ"が旅をしていきます。
芽生えるのには適さないところに落ちてしまったり、動物に食べられてしまったり・・・せっかく芽生えても日当たりが悪くて育つことができなかったり、人間に摘み取られてしまったり・・・植物の世界って厳しいんだなぁと実感します。

以前、『名探偵コナン理科ファイル 植物の秘密』のコラムを執筆するために植物について学んでいた時期がありました。その時、ガリレオ工房メンバーで植物について詳しい先生に教えていただいた本は、とても面白く、生き残りをかけた植物たちのあの手この手の攻防戦が刺激的でした。

『植物は考える-彼らの知られざる驚異の能力に迫る』
大場秀章
KAWADE夢新書
1997年
※残念ながら品切れ中のようです。図書館にあれば、ぜひ。

『ふしぎの植物学-身近な緑の知恵と仕事』
田中 修
中公新書
2003年


エリック=カールさんの大胆な色使いの絵は子どもたちに大人気ですが、"みっつん"もご多分に漏れず、ハートをつかまれたようです。
特に、太陽とドーンと咲き誇るお花が描かれたページには歓声を上げておりました。


0歳児には少し長い物語なので、読み聞かせをするときには数ページずつ読んだり、パラパラと絵だけを楽しんだりもしています。

『いろいろへんないろのはじまり』

『いろいろへんないろのはじまり』


アーノルド・ローベル:作  まきた まつこ:やく

冨山房

1975年

¥1,400+税

 

 

 

色のない「はいいろのとき」を生きていた魔法使いが、青や黄・赤といった色を生み出しますが、色の使い方に慣れていない人々は色を使いこなせず、トラブルばかり。

なんとかせねば、と試行錯誤をつづけた魔法使いは、青・黄・赤を混ぜると紫や緑、橙色、茶色といったさまざまな色がつくれることを遂に発見します。

 


ほっこりする物語を読みすすめるうちに、絵の具の三原色(色の三原色)について知らず知らずのうちに考えることができる素敵な1冊です。

 

 

 

この絵本は、小学校3年生の姪っ子のお気に入りです。

まだ幼稚園生だったころに、読み聞かせをしてあげたところ、とってもお気に召したようでした。我が家に遊びに来るたびに、この絵本を読み聞かせしてほしいとせがまれるので「そんなにお気に入りならば」とプレゼントしました。

包み紙を開けた彼女の輝くような笑顔と、絵本を大事そうにギューッとしてくれた姿が忘れられません。

小学生になった今でもお気に入りなんだそうです。

「お豆のマラカス」その後

「お豆のマラカス」第二弾です。

飲むヨーグルトの小さなペットボトルが空いたので、念願の花豆を入れてみました。
・・・入りました!


「小豆+えんどう豆」のカラカラとかたくて高めの音とも、「虎豆+うずら豆」のコロコロとこもった低めの音とも違う、カチャカチャとやわらかくて、意外と高めの音がします。
花豆の模様も楽しめていい感じ♪と思ったのですが、"みっつん"のお気に入りは「小豆+えんどう豆」みたいです。

 

2016年は、国際マメ年でした。

マメの重要性を再認識し、マメの消費がこれ以上減らないようにしましょう、という記念の年だったんです。

 


そんなわけで、2年前はマメにちなんだ実験教室をあちらこちらでやっていました。そのときに、「マメの標本」をつくるために調達した色々な種類のマメが残っておりまして・・・こんな形で日の目を浴びるときがきて嬉しいです。

『しずく』

『しずく』

越智典子:ぶん  野口満一月:え

福音館書店

ちいさなかがくのとも 2017年6月号

¥389+税

 


『みずたまレンズ』と同じように、雨上がりにあちこちで水滴をみつけています。

『みずたまレンズ』は写真絵本でしたが、この本はやさしいイラストで表現されていて、水滴のことを「しずく」と呼んでいます。

 


『ちいさなかがくのとも』のシリーズなので、言葉づかいもやさしく、読み聞かせをしていて耳に心地よいです。

 


でも、ちいさなひと向けだからと侮ることなかれ。


このシリーズのもう1つ素敵なところは、"おりこみふろく"というボーナス冊子が付いているところです。

「おおきなひとのための『しずく』」と題して植物学者の多田多恵子さんが、とても分かりやすく、植物の葉が水をはじくのは何のためか?といったことを解説してくださっていて、大人の読み物としても魅力的です。


この冊子の中で、もっと知りたい人のために本が紹介されていました。
1冊は『みずたまレンズ』
もう1冊は『ヤモリの指 生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー』という本でした。
読んでみなくては!

『どうぶつ(1)(赤ちゃんのための絵本)』

『どうぶつ(1)(赤ちゃんのための絵本)』


いもとようこ
講談社

1992年

¥480+税

 

こどものころから、いもとようこさんの絵が大好きです。


"みっつん"と最初に読んだ絵本数冊のうち1冊がこの本でした。

寝る前の読み聞かせなど、今でもしょっちゅう手に取っています。

この本もボードブック(分厚いページの本)なので、"みっつん"に「自由にさわっていいよ」と手渡せるのも嬉しいです。


かわいい動物たちのイラストと、その動物の名前しか書かれていませんが、鳴きまねをしてみたり、「ウサギが2羽いるね」などと数えながら読み進めたり、「白いニワトリと黄色いヒヨコがいるね」といった具合に色について触れながら読んだり、とあれこれ楽しんでいます。

"みっつん"は牛の鳴きまねがお気に入りのようです。

 

 

 

もう何度か書いていますが"みっつん"が生まれて、多摩動物公園の年間パスポートを購入しました。⇒前の記事:(1)(2)(3)

多摩動物公園にはモウコノウマ(「蒙古の馬」ではなくて「蒙古野馬」なんだそうです、つい最近まで知りませんでした!)がいるってご存知でしょうか。

 


モンゴルでは「タヒ」と呼んでいました。

 


モンゴルで教えていただいた話では、野生のタヒは一度絶滅してしまったのだそうです。でも、野生のタヒを復活させようというプロジェクトが起こり、世界の動物園からいくつかの群れがモンゴルに戻され(連れていかれ?)今では多くの群れが駆け回るようになっています。

 


数年前、私たちがモンゴルのホスタイ国立公園を訪れた際には、運よく間近でタヒの群れに出会うことができました。

 


動物と人間の関わりについてとても考えさせられた旅でした。多摩動物公園を訪れてモウコノウマを見るたびにその時の思いがよみがえり、身の引き締まる思いがします。

いつか、"みっつん"と一緒にモンゴルで野生に帰ったタヒに会えたらいいなぁ、と思っています。

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』


いしかわこうじ

ポプラ社

2011年

¥880+税

 


『くだもの いろいろ かくれんぼ』と同じシリーズのお野菜バージョンです。動物や乗り物、おもちゃなどいろいろあるのですが・・・食いしん坊は、ついつい食べ物を買ってしまいます。

ボードブック(ページが分厚い本)ですので、0歳児の"みっつん"に「好きに触っていいよー」と穏やかな気持ちで手渡せるところも嬉しいポイントです。

 


この絵本を読み聞かせするとき、「にょきっ」、「ごろん」といった効果音を強調して読むと"みっつん"はケタケタ笑ってくれます。

特にお気に入りなのが、キュウリの「ひょろ~り」。

私の読み方のせいだとは思いますが、毎回笑ってくれるので、読んでいる私もほっこりします。

 


私のお気に入りは、キュウリの型抜きページのクオリティが高いところです。表面のザラザラした感じがとても見事に表現されています。

 


最近は多くのお野菜や果物を通年で入手できるようになりました。

もちろん旬のモノのおいしさは格別ですが、一方で必要とする人のために通年で提供できるようにと努力してくださっている方々がいるおかげで、ふと思い立ったときに、手軽にいろいろなお野菜や果物が食べられるということにも感謝したいな、と思います。

『サファリ ~動く写真で見る野生動物の世界~』

『サファリ ~動く写真で見る野生動物の世界~』


ぶん:キャロル・カウフマン  さく:ダン・ケイネン  やく:きた なおこ

大日本絵画
2013年

¥3,200+税

 

 

 

買っちゃいました。

ず~っと気になっていたんです、この本。

"みっつん"を出しに・・・そして本屋さんがポイントアップな時期を狙って・・・。

 


執筆や監修などでちょっぴりですが出版に関わっている身として、絶版じゃない本はできるだけ書店で買いたいと思っているのですが、でもでもポイントには釣られてしまう、悲しいさがです。

 


閑話休題。

 


とにかくすごいんです、この本は。

一見、1枚の写真のような画像が、ページをめくっていくと動画のように滑らかに動き出すんです!

 


絵が動いて見えるポストカードなどをご覧になったことがあるでしょうか?

こうしたカードには、"レンチキュラー"という技術が使われています。

AとBの2枚の絵があったら、それぞれを細長くカットして交互に並べます。特殊な形の細いレンズをその上に並べることで、ある方向から見るとAの絵だけが見え、別の方向から見るとBの絵だけが見えるようにしてあるので、カードを動かすとAとBの絵が交互に入れ替わって見える・・・というような仕組みです。

 


この本は、"レンチキュラー"をさらに発展させた"Photicular(フォティキュラ―)"という技術が使われていて、たくさんの画像が1枚に収められているので、動画のように滑らかに動いて見えるんです。

それはもう見事にチーターが走っています!

 


早速、"みっつん"にも見せました。

ものすごく喰いつきました。

目を輝かせて、自分で表紙を何度もめくっては閉じ、閉じてはめくり、「ホホ~ゥ♪」と歓声を上げながらチーターを走らせ、モグモグしているゴリラをバシバシ叩き・・・それはそれは堪能しておりました。

0歳児でも十分に楽しめる絵本のようです。

やはり、「動く」というのは魅力的なのですね。

 


この本は、しかけの見事さが目立っていますが、読み物としてもとても面白い本です。

臨場感たっぷりのサファリ旅行のお話にはグイグイ引き込まれます。

 


「野生動物が動くすがたを目の前で見ることほど、ぜいたくな経験はありません。」

 


という一文が印象的です。

 


"みっつん"の成長に合わせて、少しずつ読み聞かせもしていきたいです。

『いとでんわ』より ぶーぶーコップ

『いとでんわ』
小林実:ぶん  荒木桜子:え
福音館書店
1969年10月 かがくのとも  2007年 かがくのとも特製版
¥838+税
※残念ながら「品切れ中」のようです。図書館にあったら、ぜひ!


お豆のマラカス紙鉄砲など、音の出るオモチャが好きな"みっつん"に、ぶーぶーコップはどうかしら?と思い、作ってみました。
『いとでんわ』のp.12-15で紹介されている遊びです。

「かみこっぷで いろいろな じっけんが できる。
 まず、かみこっぷに いとを つけよう。」

※こんな感じです。紙コップの底につまようじで穴をあけてタコ糸を通し、糸の端をつまようじを短く切ったものに結びつけました。(余談ですが、我が家には実験用に、いろいろな太さのタコ糸があるのですが・・・今年の5月に"みっつん"の初節句でチマキを作った時、初めてお料理に使った気がします。紙コップや割りばしなどが本来の目的を見失って実験用にストックされているのって「ガリレオ工房あるある」な気がします。)

「1のじっけん
 はんかちを ぬらして 
 いとを はさんで
 きゅっ きゅっと こすってごらん。
 
 あっ、すごい おとだなぁ。
 どうぶつの なきごえみたいだ。」

※子育て生活の必需品:おしりふきを使いました。


大きな音がするので、最初はゆっくりめにこすって、そっと音を出してみました。
結果は・・・大好評♪ お座りしたままピョコピョコ体を縦に揺らして大はしゃぎ。
お気に召して何よりです。
勢いよくこすって大きな音も出してみました。音が鳴る瞬間はビックリするようで、パチッとまばたきをしますが、緊張からの緩和とでもいうのでしょうか、思わず笑っちゃうみたいです。

この本では、ほかにも手軽にできる音の実験がたくさん紹介されています。
欲張らずに、じっくり1つずつ親子で楽しんでいきたいです。

『小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大どうぶつ館』

『小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大どうぶつ館』

成島悦雄:監修 前川貴行:写真

小学館

2008年
¥1,500+税

以前にも書きましたが、"みっつん"が生まれて、人生で初めて動物園の年間パスポートを購入いたしました。しかも2園も。
そんなわけで、ちょくちょく動物園へ出かけています。

でも、相手は生き物なので、必ずしもベストポジションにいてくれるとも限らず、必ずしも活発に動き回ってくれているとも限りません。
そうなんです、"みっつん"の目線にいてくれるとも限らないし、動いてくれないと周りの景色に同化してしまい、おそらく"みっつん"には存在すら認識されない・・・なんてことがしょっちゅうです。
目の前で巨大なサイがプールの水をバッシャンバッシャンしてくれれば、さすがに"みっつん"も見えてるね、とわかるのですが、遠くの動物さんたちはどの程度認識されているのだろう?と疑問に思う今日この頃です。

たとえばコアラが木の上でジッとしている時。
私はコアラの何たるかを知っていますから、木の枝に挟まった「灰色の塊」がコアラだと分かります。これまでに見たコアラの可愛い顔などを想起して、「灰色の塊」のことを愛おしくさえ思えます。
が、人生初コアラが「灰色の塊」状態だった"みっつん"には、どう見えていたのやら・・・?
(ちなみに、人生2度目のコアラはアクティブに動いてくれていたので、キャーキャー楽しそうに見ていました。)

そんなことを考えていて、ふと、この本が自宅にあったことを思い出し、引っ張り出してみました。
動物たちのベストショットを実物大で見ることができます。

この本を眺めて、また動物園に行ってみて、"みっつん"の反応をじっくり観察してこようと思います。
こうした本やテレビの映像、実物といったさまざまな体験が少しずつ積み重なって、認識できるようになるのでしょうね。
今、私がいろいろなものを認識できるのは、両親をはじめ、多くの人たちがたくさんの体験のチャンスをくれたおかげなのだろうな、と改めて感謝です。

みずたまレンズを探しに

台風が通り過ぎました。
我が家は川の近くなので、夜中の授乳のたびに川の水位情報をチェックしてしまいました。
各地にいろいろな爪痕が残っているようですが、一日も早く日常の生活が戻りますように。


9/25にご紹介した『みずたまレンズ』、近くの畑のサトイモの葉っぱの上でみつけました。

 

残念ながら、クモの巣はみつけられず、また今度のお楽しみです。

『しろいかみのサーカス』

『しろいかみのサーカス』

たにうち つねお:さく  いちかわ かつひろ:しゃしん

福音館書店

2009年

¥800+税


3日続けて、たにうち つねおさんによる、白い紙とたわむれる本です。
最後の紹介になりましたが、この本に最初に出会いました。
"みっつん"が生まれる前に、保育園や幼稚園での理科読をしていた頃にこの本を知りました。

一昨日の『しろいかみ』よりも盛りだくさんで、昨日の『1まいの かみの どうぶつたち』ほど真似をするのが難しくない、といった感じです。

私のお気に入りは、丸めた紙の上に石がのっているページ。
保育園や幼稚園でもこどもたちから歓声があがるページです。
滝川先生が監修しているNGKサイエンスサイトの実験「痛くない針 弱くない紙」に通ずるところがあります。


"みっつん"は、まだまだ「紙はビリビリ破いてなんぼでしょ?」な段階にいるので、焦らずじっくりのんびりと、ステップアップしていきます。


ちなみに、昨日、せっかく作ってみた動物たちの写真を載せそびれてしまったので、追加してみました。⇒こちらです。

『1まいの かみの どうぶつたち』

『1まいの かみの どうぶつたち』
谷内庸生:さく  西山悦子:撮影
福音館書店
2016年2月 かがくのとも


昨日の『しろいかみ』と同じ作者さんの絵本です。
1枚の大きな紙から、たくさんのどうぶつたちが次々に生まれていきます。

まず紙を半分に切り、1匹目の動物に変身。
残った紙をさらに半分に切り、2匹目が登場。
そのまた残った紙の半分が、3匹目に・・・とだんだん小さな動物になっていきます。

生まれてくる可愛い動物たちに着目して楽しむこともできるし、「半分にする」ということに着目しても楽しそうです。

紙をビリビリにすることがブームになりつつある"みっつん"には、白い紙から生まれた動物たちはビリビリにするターゲットになってしまいましたが・・・紙とハサミがあれば手軽に真似できるので、もう少し大きくなったら、再挑戦してみます。

それにしても、谷内庸生さんはスゴいです。
白い紙1枚で、こんなに楽しい世界を生み出せるなんて!

『しろいかみ』(こどものとも012シリーズ)

『しろいかみ』(こどものとも012シリーズ)

谷内つねお:さく  西山悦子:撮影

福音館書店

2018年2月

¥389+税

 


白い紙を「くるくる」丸めたり、「ぎこぎこ」折ったり・・・1枚の白い紙がいろいろな形に姿を変える様子が、シンプルな写真によって表現されています。

 


今のところ"みっつん"は、「ぐじゅぐじゅ」丸めるのと、「びり」っと破くことができます。あとは、この絵本には登場しませんが「ガサガサ」と振り回すのもお手のものです。

白い紙はもったいなくて渡せず、もっぱら用の済んだチラシで遊んでもらっていますが・・・。

見るの専門ですが、紙鉄砲も相変わらずお気に入りです。

 


母になり、日本文化を改めて学び直して、少しずつでも生活に取り入れられるものがあったらチャレンジしたいな、と思うようになりました。最近気になっているのは、「折形(おりかた)」という文化です。こんな本を読んでみたりしています。

 


『折形 基本の包みと暮らしの贈りもの』
内野敏子
文化出版局
2017年

¥1,500+税

ちょっとしたものを手渡すときなどに、ササッと折れるようになりたいものです。

 

 

 

谷内つねおさんによる、白い紙と遊ぶ本はほかにもあるので、日を改めてご紹介したいと思います。

かがみを探そう! ~街中編~

"みっつん"と電車に乗ってお出かけをしました。

電車がトンネルに入ったら、突然目を輝かせて「あ~!」と上機嫌になった"みっつん"。

ん?と思って視線を追うと、窓ガラスが鏡のようになっていて、私たちが映っていました。

 


それでふと思い出して、街中で「かがみ」を探してきました。

 


-電車の窓(トンネルの中)

-エレベーター奥の壁面の鏡

-エスカレーター横の壁面の鏡

-お手洗いの鏡
-歯医者さんの壁一面の鏡

 


↑"みっつん"による「かがみ認定」。

 

 

 

-カーブミラー

-自動車のサイドミラー

-バスの車内(運転席周辺)にたくさんあるミラー
-歯医者さんが口の中を見るのに使っていた鏡

 


↑"みっつん"には気づかれず。

 

 

 

先日、自宅でかがみを探したときのまとめは

「平面で、ある程度のサイズ(直径10㎝くらい?)があり、銀色でピカピカしているもの」

だったのですが、今回の街中編の結果を踏まえて追加・修正すると、

「平面で、自分が映っていることに気づける程度のサイズ(直径10㎝くらい?)があり、目線にあるもの」

ということになりそうです。

 

 

 

以前、滝川先生が親子向けの講座で、「親子で科学に親しむには、1日1テーマを決めてお散歩するだけでもいいんですよ。」とお話になっていたことを思い出しました。

先生がその時提案していらしたのは、たとえば「できるだけ小さい花を探そう」とか「え~!?こんなところから生えているなんて!?という植物を探そう」といったテーマでした。

 


次のお出かけは、何をテーマにしようかな?

『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』

『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』

しもかわら ゆみ

講談社

2017年

¥1,300+税

 


ねずみさん、うさぎさん、たぬきさんときつねさん・・・それぞれがぴったりの傘をみつけます。

動物が本当にかわいく描かれていて、絵を眺めているだけでほっこりします。

 


「ぽつぽつぽつ」と降る雨、「ぱらぱらぱら」と降る雨、「さらさらさら」と降る雨・・・一言で「雨」と言ってもいろいろな降り方が登場します。

雨の日が続くとお出かけもしづらくて、つい憂鬱になりがちですが、この絵本のおかげで「今日の雨は、どんな降り方をしているかしら?」と親子で雨の音に耳をすませるという楽しみができました。

『みずたまレンズ』

『みずたまレンズ』

今森光彦

福音館書店

2000年6月 かがくのとも

2008年 かがくのとも傑作集

838円+税

 


雨が続きますね。
そんなこともあり、雨絡みの絵本をたくさん読んでいます。
その中でも"みっつん"のくいつきが、とても良かったのがこの写真絵本です。
どのページにも、「お見事!」と言いたくなるような水玉の写真が載っていますが、特に2見開きめの、ページいっぱいのクモの巣にびっしり水玉がついた写真に「うひゃー♪」とノリノリになっておりました。何かが琴線に触れたようです。今度、雨上がりに本物のクモの巣についた水玉、見せてあげたいなぁ。
ご近所の畑には今、サトイモがたくさん植わっているので、葉っぱの上の水玉も雨上がりのお散歩で見られそうです。


せっかくなので、"みっつん"がお昼寝している隙に、水玉レンズで遊んでみました。

【用意したもの】
透明なプラスチックスプーン / 水

【やり方】
1.スプーンの上に水をぽちっと垂らして水玉をつくります。

 


2.拡大して見たいものの上にスプーンをのせて、見てみましょう!

※「24」という数字が拡大されています。

たかが水玉、されど水玉。ちゃーんと大きく見えるんです。
水玉のサイズを変えると、レンズの曲率が変わるので、拡大率も変化します。
水玉が小さいほど、大きく見えます。

お洋服の布地とか、印刷物のインクとか、いろいろなものを拡大して楽しめます。

『おつきさまこんばんは』

『おつきさまこんばんは』

林 明子

福音館書店

1986年

¥800+税

 


中秋の名月、今年は見られませんでした。残念!

そんなわけで、せめて絵本でお月さまに会うことにしました。

 


夜になり、屋根の上に顔を出した"おつきさま"を"くもさん"が隠してしまいます。

 


月が見えなくなっても、存在が無くなってしまったわけではなく雲の向こう側にある、言い換えれば、<月→雲→観測している自分>という位置関係を捉えることって結構小さい頃からできるんだなぁ、と感心しながら読みました。

 


「見えないけど、ある!」という確信は、7ヶ月くらいには持てていたように思います。"みっつん"のお気に入りのオモチャを枕の下などに隠しても、枕をどけて見つけ出していました。今では、目の前で隠さなくても、「どうせこの下にあるんでしょ?」と言わんばかりに発掘していらっしゃいます。

 


絵本で読んだことと日常の生活の体験とが絡まり合って、少しずつ経験が言語化されて蓄積されていくのでしょうね。ゆっくりじっくり蓄積していってもらいたいな、と思います。

 

 

 

お月見は、10月21日の「十三夜」に期待することにします。

 

 

 

ちなみに、この絵本の"おつきさま"、"みっつん"に似ているんですよね・・・。

『こぶた かげこぶた』

『こぶた かげこぶた』

小野かおる

福音館書店

2002年

※残念ながら品切れ中なので、図書館でどうぞ!

 


久しぶりに、一日中、お日さまがさんさんと心地よい秋晴れの一日でした。雲も高くて「天高く馬肥ゆる秋」といった感じでした。

 


今日は午後、科学の祭典東京大会in小金井に顔を出して参りました。滝川先生をはじめ、ガリレオ工房メンバーもたくさん出展していました。

こういったイベントは、これまで出展サイドとして関わってきましたが、"みっつん"と参加者になれる日も近そうです。わくわく。

 

 

 

夕方帰宅して読んだのが『こぶた かげこぶた』です。

お散歩している"こぶた"のあとをずっとついてくる"かげこぶた"は、夕方になると長~く伸びて背高のっぽになります。

 


光源の太陽の位置が低くなると、影が長くなる。

子どものころ、「影踏み」という遊びをしていて、昼間は影がなかなか捕まらないのに、夕方になると楽勝!と遊びを通して影の伸び縮みを実感したことを思い出しました。

 


数年前、ガリレオ工房の仲間と一緒にモンゴルを訪れたのですが、見渡す限り地平線という草原で迎えた日の出は圧巻でした。

日本で暮らしていると、山やビルの上から太陽が顔を出す所が多いと思うのですが、モンゴルの草原では地平線から日が昇るんです。だから、朝の影は、信じられないくらい長い!!

 

 

ちなみに、この写真は『大科学実験ノート』の中でも紹介しました。

 


いつか"みっつん"も一緒にモンゴルまた行きたいです。

食いしん坊母は、メニューだけモンゴル語が読めるようになりました。