理科読日誌

親子で楽しむ科学の本

マメを育てよう!

"みっつん"が幼稚園に入り、これまで以上にボキャブラリーや言い回しが豊富になってきました。
お友達や先生方から吸収したと思われるフレーズに加え、絵本発と思しきネタもしばしば登場します。

そんな"みっつん"は、ほぼ毎晩寝る前に「えほん よんで!」という攻撃をしかけてきます。

  
廊下の壁面に数十冊の絵本を「面陳」しているのですが、そこから、容赦なく5,6冊抱えてベッドへと攻め込んでくるのです。
2,3冊目でこちらが睡魔に負けようものなら、「ちゃんと よんで!」と(文字通り)たたき起こされる毎日です。


そんな"みっつん"がここのところハマっていたのが、『カストールのたのしいまいにち まめをそだてよう!』(ラーシュ クリンティング/偕成社/2000年)です。
1週間ほど、「鉄ちゃん」お気に入りの電車や踏切の絵本と共に、毎晩読みました。
すると、ある日突然「ぼくねー、 なんか まめを そだてたくなっちゃった」と言い出したのです。

これは大チャンス到来です。
「どんな豆を育ててみたいの?」と尋ねると、「うーんとね…」と熟考の末、「えだまめ!」との回答。
翌日、豆の在庫があるか確認する約束をして、その夜は眠りにつきました。
翌朝、キッチンにあったダイズ、インゲンマメ、黒大豆を植えてみたいとのことだったので、「このまま植えればいいんだっけ?」と聞いてみると、「ちょっと まってて」と寝室に『まめをそだてよう!』を取りに行き、「みずを はった どんぶりが ひつようです!」とのこと。
「うえるふかさに しるしをつけた ぼうもね!」と、絵本の中で主人公のビーバーが、庭師さんの栽培ノートを確認しながら栽培していたように、絵本で手順を確認する姿に、我が子ながら天晴れ!と思いました。

芽が出るかわからないけれど、「やってみたい」気持ちを大切に、チャレンジしてみることにしました。
せっかくダイズなどの豆を植えたので、鉄は熱いうちに…と夜の絵本タイムに豆の絵本を仕掛けてみました。

まずは『だいず えだまめ まめもやし』(こうや すすむ 文・なかじま むつこ 絵/かがくのとも 1992年6月号/福音館書店)を読んだのですが、春に撒くという情報に母子でガビーン!となりました。
が、「ふゆになったら、おうちに いれてあげれば?」というアイディアが出てきたので、何はともあれやってみることにしました。

ほかにも『ピーナッツ なんきんまめ らっかせい』(こうや すすむ 文・中島 睦子 絵/かがくのとも 1987年10月号/福音館書店)、『あつめた・そだてたぼくのマメ図鑑』(盛口満/岩崎書店/2015年)などをまとめ読みしてみました。
ちょうど、殻ごと販売されていたハシバミの実(ヘーゼルナッツ)を買って食べたばかりだったので、体験と本で読んだこととが、いろいろとつながった様子でした。
また、ピーナッツ・バターや柿ピーなど、食べたことのあるものが登場しているところも、食いつきがよかったポイントでした。

そんな日々を過ごしていたところ、たまたま「ピタゴラスイッチ」で、ビーバーの巣について扱っていた回を観ることができました。
カストールの絵本や、ディズニーの「わんわん物語」に登場するビーバーを初めて実写で見ることができ、息子の中に、また1つつながりができたようでした。

坂道→動物の足の数

前回の記事では、3歳の息子が「どうして、おやねには、こういう(とんがり屋根を手で作って)のと、こういう(平らな屋根)があるのに、こういう(V字形)のはないの?」という疑問をぶつけてきたのをきっかけに、『分水嶺さがし』(野坂 勇作/たくさんのふしぎ 2016年8月号/福音館書店)を思い出して、屋根に降った雨水がどうなりそうかを一緒に考えてみたところ、3歳児なりに「あぁそうか」と納得できた様子だったことを書きました。
今回は、その後日談です。

屋根の形について考えた翌日、息子と幼稚園に向かっていたときのできごとでした。
片手で息子と手をつなぎ、片手で自転車を押しながら、幼稚園の手前にある、急な坂道を登っていました。
ふと前日の屋根談義を思い出し、「この坂道に雨が降ってきたらどうなると思う?」と尋ねてみました。
すると「ジャーって ながれる!」との回答。
「じゃあ、ビー玉はどうなると思う?」と尋ねると、
「ころがっちゃう!」。

いいぞ、息子よ、重力を感じているね、と思いつつ、いじわる母は仕掛けてみることに。
「じゃあ、私たちは、どうして転がらないで、坂を登れるんだろう?」、
「・・・・・・あしが あるから!」。
なるほど、君、賢いね!と思いました。

「足があったら、坂を登れるのかな?じゃあ、ネコちゃんには足ある?」、
「ある!」、
「ネコちゃんは坂、登れる?」、
「のぼれる!」、
ワンちゃん/アリさんについても確認してから、「自転車は?」と聞いてみました。

「自転車にも足、ある?」、
「じてんしゃは タイヤがついてる!」、
「坂、登れる?」、
「・・・・・・おかあさんが がんばってるから・・・。」、
「そうだね~。お母さんがいなくて自転車だけだったら登れないけど、足があるお母さんが頑張れば、自転車も坂を登れるね」などと話している間に坂を登り切った朝でした。


我が家にはクアドリラというおもちゃや、ロジックというおもちゃがあります。
どちらも自分でコースを組み立てて、ビー玉を転がして遊ぶおもちゃです。
手を動かしながら、傾きがないとビー玉が転がらないことを体感している様子です。
そんな息子と楽しめるのが、『ころころころ』(元永定正/福音館書店/1984年)です。
色とりどりの玉がころころと転がる様子がかわいらしく描かれています。


会話をきっかけに、動物の足の数にも興味が出てきている様子だったので、自宅にあった動物が登場する絵本を用意して、「登場する動物の足の数」に注目して一緒に読みました。
『ねえ だっこして』(竹下文子:文 田中清代:絵/金の星社/2004年)→ネコ、
『ずーっと、ずっと、だいすきだよ』(ハンス・ウィルヘルム:えとぶん 久山太市:やく/評論社/1988年)→イヌ、
『ハエトリグモ』(池田 博明:文 秋山 あゆ子:絵/福音館書店/かがくのとも 2016年8月号)→クモ、
『ファーブル先生の昆虫教室』(奥本大三郎/ポプラ社/2017年)→昆虫など。


「科学の本を読む」だけではなく、「科学的な視点で読む」のも理科読だよね、と改めて思った1日でした。
動物の足(手?)については、もう1つエピソードがあるので、改めてご紹介したいと思っています。

屋根の形

それは、突然の一言でした。
朝食の片づけをしていると、3歳になった"みっつん"が突然、「おかあさんに おはなししたいことが あります」と話しかけてきました。
「なあに?」とお皿を洗いつつ尋ねると、
「どうして、おやねには、こういう(とんがり屋根を手で作って)のと、こういう(平らな屋根)があるのに、こういう(V字形)のはないの?」と思いもよらない質問が。

さぁ、大変!
これは、チャンスです。
せっかくの疑問の種に、どんな水やりをしたら、芽が出るか!?
お皿そっちのけで、沈思黙考・・・さしずめ、木魚がポクポクポク、チーン!といったところでしょうか。
「それぞれの屋根に、雨が降ったら、どうなると思う?」と尋ねてみると、
「これ(三角屋根)は、じゃーってなって、これ(平ら)は・・・?」と悩んでいる様子。
そこで、「平らなテーブルでお水をこぼしたら、どうなる?」と聞いてみると、
「はしっこまでいってジャーって落ちる!」と満面の笑み。
「じゃ、こう(V字)なってたら?」と聞くと、しばらく考えたのちに、
「プールみたいになる!」との答えが返ってきました。

『分水嶺さがし』(野坂 勇作/たくさんのふしぎ 2016年8月号/福音館書店)を読んで以来、「あめふりくまのこ」を替え歌して、「お山の高いところには、あっちと、こっちの境目が。そうです、そこが分水嶺♪」と歌ってきた甲斐があった!と勝手にほくそ笑んでしまいました。
坂道について、もう1つエピソードがあるので、改めてご紹介したいと思っています。

カタツムリ

春を感じたと思ったら、日中は暑いくらいの日が増えてきました。
そうこうしているうちに、あっという間に梅雨がやってきそうな気がします。
みなさんは、梅雨というとどんなものを思い浮かべるでしょうか?
「雨に濡れるアジサイとカタツムリ」というモチーフが浮かんだ方は多いのではないでしょうか?

昨年の梅雨時期、当時2歳だった"みっつん"と「かたつむり」を歌い、「お散歩しながらカタツムリを探してみよう!」ということになったのですが、これがなかなか出会えなかった!
アジサイはご近所にもたくさん咲いておりました。
花のない時期には気づかなかったのですが、こんなにたくさん植わっていたのかと驚くほどでした。
ところが、カタツムリとは一向に出会えませんでした。
でも、"みっつん"よりも私がカタツムリに出会いたくなってしまっていたので、まずは本で情報収集をしてみることにしました。

図書館で取り寄せた
『うまれたよ! カタツムリ』(武田晋一 写真/ボコヤマクリタ 構成・文/岩崎書店/2013年)
『かたつむり』(夏目 義一 作 /三枝 博幸 監修/福音館書店/月刊「かがくのとも」1997年3月号)
を"みっつん"と一緒に読みました。

その結果、私の方が
「赤ちゃんカタツムリって泳げるんだ!」
「食べたものでウンチの色が変わるの!?」
「けっこう なんでも食べちゃうんだ!」
などと発見が止まらず、大興奮してしまいました。

そして、梅雨時期のイメージが強いカタツムリですが、通年で出会えるチャンスがあることを確認し、気長に探す作戦に変更したのでした。

ところが、カタツムリへの情熱は長くは続かず、いつのまにか「カタツムリ探し」のミッションを忘れてしまっておりました。
ところが、出会いは10月に突然訪れました。その日は、仕事の間、ベビーシッターをお願いしていたのですが、仕事から帰宅すると、「かたつむり、つれてきたの!」と"みっつん"からの報告が。
"みっつん"が指さす方を見ると、テーブルの上に、オヤツに用意したヨーグルトのカップがのっています。
もしや、と思って中を覗くと、緑の葉っぱの上に直径1㎝ほどの殻に隠れたカタツムリがコロンとのっていました。
「散歩途中のブロック塀のところにいたんです。」とシッターさん。

それを聞いて、以前、テントウムシの蛹を探したときのことを思い出しました。
あの時も、葉っぱの上ばかり探して出会えなかったテントウムシの蛹が、ご近所の外壁にたくさんいたように、カタツムリもアジサイの葉っぱばかり探していては駄目だったんですね・・・。

「ムシ」が怖い"みっつん"は、カタツムリに興味はあるものの、おっかなびっくりといった様子だったので、「カタツムリはとてもゆっくり動くから怖くないよ」と伝えてみたのですが、半信半疑な様子。
そこで、視点を変えて、「カタツムリはね、虫じゃなくて、貝の仲間なんだよ」と伝えてみました。
すると、アサリやシジミなど貝は美味しいということを思い出したようで、「じゃあ、こわくないね!」と笑顔になり、興味深そうに殻に閉じこもったカタツムリをながめていました。

「かたつむり」の歌に登場した、「あたま」や「めだま」や「つの」、「やり」を見たいのですが、なかなか殻から出てきてくれません。
そこで、絵本を参考にキャベツやニンジンなどを用意して、数日間、我が家に滞在してもらいました。
(あとになって、『小学館の図鑑NEO 飼育と観察』が自宅にあったことを思い出しました。)

その後、「アジサイの葉っぱ」という先入観を捨てたことで、同じブロック塀や、近くの墓地の水道のところなどでカタツムリを見つけられました。
今年の梅雨時期には、カタツムリと出会えるか、今から楽しみです。

地図・地形と鉄道を楽しむ

3歳になった"みっつん"は、「子鉄」まっしぐら。
絵本も鉄道関係のものが大好きです。
図書館の絵本コーナーにズラリと並んだ背表紙たちの中から「これがいい」と抜き出した絵本が『はこねのやまの とざんでんしゃ』だったりするので、驚かされます。
背表紙のタイトルを読んでいるという感じではないので、「でんしゃ」という文字のまとまりを映像として認識しているのでは?と思っています。

そんな息子の最近の楽しみの1つが、お風呂に入浴剤を入れること。
日本の名湯シリーズや、姉からもらった屋久島の入浴剤をしばらく楽しんでいたのですが、「やくしま どこ?」と聞かれ、これは地図を見せながら話した方が早いかな?と思い立ちました。
これまでも、気象予報を見ながら「ほっかいどー!」を覚え、以来、乳製品のパッケージなどに描かれた北海道に反応していたので、地図を楽しめるのでは?と考えたのです。
大好きな鉄道のルートも、日本地図を見ながらだと、より楽しめるかも?ということで、夫が立体的な日本地図を探して購入し、リビングの壁に飾ってみました。


この地図を見て、屋久島にかなり高い山があることを知りました。
親戚が住んでいる所や、何か美味しいものを食べたときには、その食材がどこからやってきたか?など、手近に地図があることで、新しい話題が増えました。

地図があることで、絵本の読み方も変わってきました。
先ほどご紹介した『はこねのやまの とざんでんしゃ』の「はこね」がどこにあるのか、読み終わってから地図で確かめてみたのです。
これまで読んできた鉄道絵本たちも再登場。
『チンチンでんしゃのはしるまち』 の舞台、長崎はどこ?
『モノレールのたび』・『まちからうみへ はしれ江ノ電』 に登場する湘南モノレールや江ノ電はどこを走っているの?
『ふみきりくん』のモデルになった京成電鉄海神駅はどの辺?
など、絵本に登場する町がどこにあるのか親子でワクワク確かめています。

また、息子のお気に入りの1冊、『でんしゃをはこぶ』は、えちぜん鉄道の陸送をモデルにした話です。
どうやら兵庫県の尼崎にある車両メンテナンス工場から、京都の山道を通って福井駅までの旅のようだ、ということで道のりをなぞってみたり、
自宅近くを流れている多摩川が登場する『日本の川 たまがわ』を読んでは、奥多摩から東京湾までの川の流れをたどってみたり。
もっとも、息子にとっては、この絵本も川の絵本ではなく「いろんな でんしゃが でてくる ほん」になってしまうので、「鉄愛」恐るべしです。

地図が立体なので、山から低い方へ水が流れる様子もよくわかります。
お気に入りの新幹線のルートを確かめてみると、高い山々を避けて線路がとっていることも実感できます。

"みっつん"と過ごしていると、「好きこそものの上手なれ」という言葉を実感します。
「鉄道」好きを極めているうちに、トーマスにハマり、車体番号で数字を覚え、車体の色で、「あか」や「あお」など色に興味を持ち、二か国語で放送されているアニメを見ているうちに、日本語のほかに「えいご」という言葉があることに気づき・・・鉄道の図鑑やカードゲームを通して、「きゅうしゅう」や「おおさか」などといった地名にアンテナを張り始め・・・。
私から見ていると、なぜそんなにも「鉄」なのか?と疑問に思うことが無いわけではないのですが、"みっつん"なりの世界の捉え方・広め方があるのだと腹をくくって、これからも見守っていきたいです。

『はこねのやまの とざんでんしゃ』(横溝 英一/福音館書店/かがくのとも傑作集1993年)
『チンチンでんしゃのはしるまち』(横溝 英一/福音館書店/かがくのとも傑作集/2002年)
『モノレールのたび』(みねお みつ/福音館書店/かがくのとも絵本/2017年)
『まちからうみへ はしれ江ノ電』(持田昭俊/小峰書店/2005年)
『ふみきりくん』(えのもと えつこ 文・鎌田 歩 絵/福音館書店/2019年)
『でんしゃをはこぶ』(鈴木周作/福音館書店/かがくのとも2020年2月号)
『日本の川 たまがわ』(村松昭/偕成社/2008年)