理科読日誌

2022年10月の記事一覧

暗闇を楽しむ

私が働いている研究所は、保育園も運営しています。
その園で毎月1回、4,5歳児を対象にしたSTEAMワークショップを開催しています。
1年前に始めたころは、「できれば、光や音などよりも、身近な植物などをテーマにしてほしい」という要望をお持ちだった保育士さんたちが、活動を続けるうちに、「どんなものも楽しめるテーマになるんですね!前回のワークショップの後、子どもたちが光と影について、こんなにいろいろな遊びをして、こんな発見をしていたんです、見てください!」と目を輝かせながら、子どもたちの様子をたくさんの写真と共に伝えてくださるようになりました。
嬉しいです。

毎月ワークショップに、関連する科学絵本を持参し、次の月までお貸出ししていたら、保育室の一角に、「るみせんせいコーナー」を作っていただくようになりました。
子どもたちに人気のコーナーになっているそうで、読んだ絵本の話を子どもたちが伝えに来てくれます。
これもまた嬉しいです。

先日、保育士さんたちから、5歳児を対象に1日だけ「夜まで保育」をするのだが、暗闇を楽しめるアイデアは無いだろうか?との相談を受けました。
あれこれ提案しているうちに、蓄光で遊ぼうという話になっていきました。
そこでふとした疑問がよぎりました。
「蓄光の絵本って無いの?」

せっかくのチャンス、絵本も一緒に提供したい!ということで、探してみました。
ありました。
『トリック オア トリート!』(岡本志満子/くもん出版)は、最後の見開きのページに蓄光インクで絵が描かれています。
明るい部屋で絵本を読んで、最後にパチッと明りを消すと、まったく違うイラストが浮かび上がります。
4歳の"みっつん"とベッドで読んだら、大喜び!
すぐさま明りをつけて、絵本をじーっと観察し、「絵、かいてあるよ!」と蓄光インクで描かれた絵を発見していました。
その後は何度も明りをつけたり消したりして、絵が変わる様子を楽しみ、翌朝にも楽しもうとしたけれど、暗くならない…と嘆いていたので、布団にもぐって暗くすれば?と提案したところ、布団に入ったり出たりして楽しんでいました。
せっかくなので、姉妹本の『メリー メリー クリスマス!』・『ハッピー ハッピー バースデー』(岡本志満子/くもん出版)も購入。
これもまた素敵です!

「おばけのまめ 光る限定版」(accototo/ポエムピース)は、蓄光インクで印刷された表紙カバーがついています。
『おつきさまのおさんぽ(新版)』(カワチレン/学研プラス)は、期間限定で蓄光ポスターが当たるかも?という情報につられて購入。
当たらないかなぁ?
とっても発色のよい蛍光インクで描かれたイラストが魅力的です。
お話が進むにつれて月が満ち欠けしていくのですが、満ちるときに下弦、欠けるときに上弦なことが気になってしまった私とは違い、息子は素直に「おつきさま、ふとってる~!」などと形を変える様子を楽しんでいました。

暗闇を楽める絵本という視点で日課の“本屋さんパトロール”をしていたところ『くらいのなんか〈そんなに〉こわくない』(アンナ・ミルボーン文 ダニエル・リエリー絵 青山南訳/すばる舎)と出会いました。
この絵本はページのあちらこちらに穴があいていて、ライトをかざすと、影絵を楽しむことができます。
"みっつん"とベッドに寝転んで、天井に映し出される影絵を楽しみました。
大きめの絵本なので、ページを開きながらライトで照らすのが一苦労ではありますが、とてもワクワクする絵本です。
目下、うまい照らし方を模索中です。

保育園の子どもたちも暗闇を楽しんでくれるといいなぁ。