理科読日誌

2018年10月の記事一覧

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』
(みるずかん・かんじるずかん<金の本>)
高森登志夫:え  古谷一穂:ぶん
福音館書店
1990年
¥1,300+税


わたげのついたタネ、くるくるまわるタネ、はじけ飛ぶタネなど、同じような作戦をとるタネが見開き2ページにまとまって紹介されています。
この図鑑の素敵なところは、ページをめくると、それぞれのタネが描かれていた場所にその植物の花や実がなっている様子が対応して描かれているところです。

タネを見かけても、それがどの植物のタネかということは案外難しい問題です。
風に乗って飛んできたタネだったら、辺りを見回しても見当たらないこともあります。
雑木林のような所だと、周りに植物がありすぎて、一体全体どの植物から落ちてきたのか・飛んできたのか、さっぱりお手上げ・・・なんてこともあります。

そんなときに、花や実、葉っぱなどの手がかりがあると、「もしかしたら、あれかな?」と諦めずにちょっぴり探してみようかな、という気持ちになれるものです。

もう1つ素敵なポイントは、ほとんどのタネが実物大で描かれているところです。注意深くページの右下を見ると、「ほんものの、おおきさです」とか「ほんものの2ばいの、おおきさです」と書いてあるので、それも目の前の"未知のタネ"についての貴重な情報になります。
ほんものの大きさって、いいですよね。
以前紹介した『小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大どうぶつ館』もそうですが、実物大というだけで、抽象度が減ってグッと捉えやすくなるように思います。

植物にはとんと疎くて、「あ~、赤いお花が咲いてるな~」とか「細い葉っぱがいっぱい茂ってるわ~」くらいにしか判別できない私には、このくらいざっくりした図鑑が嬉しいです。

"みっつん"とのお散歩で出会ったタネが、この図鑑に載っていたらラッキー、くらいの軽い気持ちでいようと思います。
いいんです、具体的な名前までつきとめられなくても。
「形が似ているから、きっと"クルクル回る作戦"なんだろうな」くらいのことが分かったら、楽しいじゃないですか。