『ぼくはここで、大きくなった』
アンヌ・クロザ:さく / こだま しおり:やく
西村書店
2012年
¥1,300+税
最近は春にちなんだ絵本をたくさん読んでいます。
この絵本は、”たまたま”、ここで大きくなった種のお話です。
秋になり、冬を越し、やがて春になって芽生えた種はすくすく成長します。
あるときは風が吹きつけ、またあるときは大水に耐え、害虫の襲来も乗り越えて実をつけます。
読み進めながら、実が描かれたページを見て、「ああ、君はこの植物の種だったのか!」とにっこりしました。
植物の種が芽生え、育ち、命をつないでいくお話はほかにもありますが、この絵本の魅力は何といってもアンナ・クロザさんの絵です。
アンナ・クロザさんの鮮やかな色使いやシンプルでかわいらしいイラストは、1歳3か月の”みっつん”にとっても魅力的なようです。
以前ご紹介した『みずたまのたび』も同じ作者の絵本です。
そして、”たまたま”ここで大きくなった、というところも素敵です。
公園や川の土手にお散歩にいく機会が増えるこの季節、目にする植物たちに、「君たち、”たまたま”芽生えたそこで、よく大きくなったね」と声をかけたくなる1冊です。