理事長のあいさつ

理事長 白數 哲久

ガリレオ工房は、滝川を中心に「科学の楽しさをすべての人に」というモットーを掲げ、日本で最も古くから市民による科学教育普及を目指して活動を継続してきた団体の一つです。世界初の実験は、新聞や雑誌、テレビで取り上げられ、多くの書籍が発行されています。

「エネルギーを考えるサイエンスライブショー(1996年:財団法人省エネルギーセンター)」や「NEC ガリレオクラブ(1996年:NEC)」では、ステージで物語を進行させる中で、科学の原理に迫る大掛かりな実験や手元実験を開発してきました。このうねりは東京にとどまらず、「青少年のための科学の祭典」に代表されるように、参加者も出展者も科学を楽しめる様々な科学イベントの先駆けとなって日本中に広がり、科学で地域が元気になる町おこしへと発展しています。このような、科学で社会をより良くしようとするガリレオ工房の目指す方向性は変わることはありません。

 

一方、高度情報化社会を迎え、世の中の仕組みも教育のあり方も大きな転換点を迎えています。ガリレオ工房のさらなる発展のためには、多様なバックグラウンドを持つ人々がチームとして世の中の変化に対応し、科学教育の重要性の再認識と新たな可能性を探り、新しい媒体によって私たちの活動を広く世に問うていかねばなりません。そのためにはゆるぎない指針と若い方々のパワーが必要です。ガリレオ工房のモットーである「科学の楽しさをすべての人に」という指針が変わることはありませんが、科学の楽しさとは何か、すべての人とはどのような人か、誰にどのように科学を届けていくかについて、皆様と共に考えていきたいと思います。

ガリレオ工房の会員には、教員の他、ライター、デザイナー、パフォーマー、番組制作者、研究者、教材開発者、図書館関係者等がおられます。多様性というのがガリレオ工房の最大の特徴です。ガリレオ工房が、いろいろな方々の共助の場になったらと思っています。

 

私は、年間約20 の小学校を訪問しますが、どこも人手が足りず困っています。手をかけてあげたい子に手を差し伸べることが難しく、理科実験も充分に行われているとは言えません。

私は中学生の時に、私をガリレオ工房に誘ってくれた恩師の大原ひろみ先生から理科を学び、何度も心の中が明るくなる経験をしてきました。きっと皆さんも同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。私たちは、学校教育とは違う方法でも多くの人々に科学の楽しさを届けます。受け取った方の心が明るくなっていただけたらと願って。

ガリレオ工房へようこそ

名誉理事長 滝川 洋二

 特定非営利活動法人(NPO法人)ガリレオ工房は、「科学の楽しさをすべての人に」伝えるための様々な取り組みを行う創造集団です。身近な材料でできる実験の開発を、毎月行っている例会で紹介し合い、年間数十の実験を工夫しています。開発した実験は会員向け通信のほか新聞や雑誌、本などで紹介しています。ガリレオ工房監修や執筆の本は現在70冊を超えました。また工夫した実験をベースにした実験教室、実験ショーにも取り組んでいます。テレビや映画などへの出演や実験監修も行っています。2005-2007年度には独立行政法人科学技術振興機構JSTからの委託研究で全国の科学ボランティアの工夫を調査する「市民による科学技術リテラシー向上維持のための基礎研究」を行いました。科学ボランティアを支援するための活動にも取り組んでいきます。
 おかげさまで、サークル活動開始(前身の物理教育実践検討サークル)から数えて、2023年1月の例会をもって37年目を迎えました。ありがとうございます。

どうしてガリレオ工房なの?

Q. どうしてニュートンやアインシュタインではなく、ガリレオなの?
A. ガリレオは、研究の成果を一般の人でも読めるように書きました。また、読みやすいように対話形式で書いたのです。

私たちも、科学の楽しさをたくさんの人にわかりやすく伝えたいと思い、ガリレオの名前をとりました。

 

Q. どうして工房なの?
A. ガリレオの時代には、学者は研究をする人で、実験は職人が行うのが普通でした。しかし、ガリレオは職人たちから学びながら、自分で実験を行い、いろいろな発見をしました。

私たちも実験を通して科学の楽しさを伝えたい、新しい発見をしたいと思い、工房(職人の仕事場)という言葉をつけました。

団体概要