理科読日誌

カテゴリ:色

『杉山きょうだいの しゃぼんだまとあそぼう』

『杉山きょうだいの しゃぼんだまとあそぼう』
杉山弘之 杉山輝行:文と構成 / 吉村則人:写真 / 平野恵理子:絵
福音館書店
かがくのとも 1990年4月号 / かがくのとも傑作集 1993年
¥900+税


最近"みっつん"はシャボン玉がお気に入りです。
私がシャボン玉を吹いて見せると、「うわうわうわ~!」と顔をくしゃくしゃにしながら歓声を上げて喜んでくれます。シャボン玉に触れようと手を振り回したり、その場で体を上下に揺らしたりして楽しんでくれるようになりました。
10か月のころにシャボン玉を見せたときは、手を伸ばして捕まえようとはしていましたが、こんなに感情爆発!という感じではなかったので、そんな変化も興味深いと感じています。

お友達からいただいた市販のシャボン液がなくなってしまい、せっかくだから手作りしてみようと一念発起。
どうせなら、ずっと気になっていたこの絵本を参考にしてみよう!と思い立ちました。

こちらの絵本では、シャボン玉アーティストの杉山兄弟が小さな子供たちでも楽しめるように、いろいろな身近な道具を使ったシャボン玉の作り方を紹介してくださっています。
このご兄弟は、2017年に「マツコの知らない世界」にもご出演になっているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

そして、この本のうれしいポイントはもう1つ。本の最後に「杉山しゃぼんだま きょうだいがそっと教えるじょうずなしゃぼん液の作り方」がのっているのです。
しかも、小さなこどもがストローで吹くのに適した安全な液の作り方と、枠などの道具を使って大きなシャボン玉を作るのに適したシャボン液の作り方の2種類が紹介されているのです。
さらに!うまくいかなかったときのアドバイスや、大人向けに、小さなこどもと遊ぶ時の安全上の注意まで。

絵本全体から、杉山兄弟のシャボン玉への愛と、こどもたちへのやさしさがあふれてきます。

さぁ、レッツ・シャボン玉☆

Color Zoo

『Color Zoo』
Lois Ehlert
Harper Festival
1997年
¥958 (Brdbk版)

『エイラトさんのへんしんどうぶつえん』というタイトルで日本語版も出ていた本ですが、残念ながら日本語版は今は手に入らないようです。
英語版はamazonで購入できました。

『やさい いろいろ かくれんぼ(これなあに?かたぬきえほん)』『くだもの いろいろ かくれんぼ』のような"くりぬき絵本"です。
表紙にも使われているトラさんのページをめくると、丸い穴が開いていて、次のページにはトラさんから〇が除かれたネズミさんが現れます。
今度は□が除かれてキツネさんが登場!といった具合に形と動物とを楽しむことができます。
英語版では、それぞれの形や動物の名前の英単語を学ぶのにも役立ちそうです。

"みっつん"に心おきなく手渡せるボードブックです。
カラフルな色づかいやシンプルなイラスト、穴のあいたページなど、"みっつん心"がだいぶくすぐられている様子です。

『もりに かくれているのは だあれ?』

『もりに かくれているのは だあれ?』
アイナ・ベスタルド:さく  きた なおこ:やく
青幻舎
2017年
¥1,900+税


先日、『いろいろへんないろのはじまり』のことがお気に入りの姪っ子の話を書きました。この絵本も、彼女のお気に召した1冊です。

緑・青・赤3色の"レンズ"がついていて、それぞれの眼鏡でのぞいて見ると、1つのページの上にまったく違う世界が広がります。

同じようなしかけの絵本はほかにもありますが、この絵本が優れているのは、付属の"レンズ"が大きくて覗きやすい点です。
こどもにとって、片目で覗くというのは案外難しいことです。この絵本の場合、"レンズ"が十分に大きいので両目で覗けるところが素晴らしいと思います。

そして、青の"レンズ"で覗いた世界が明るく見やすい点も優れています。
別の絵本で、青いフィルターで覗いた世界が暗すぎて、せっかくのしかけが見えず、残念!という思いをしたことがありますが、この絵本はノーストレスです。


たとえば、赤い光だけがはね返されれば、私たちは「赤い物」として見ることになります。
このように、光源から出た白色光のうち、物によってはね返された色の光が私たちの目に届きます。
この絵本では、赤・水色・黄色の3色のインクで描かれていますが、緑の"レンズ"を通すと、赤のインクで描かれた部分だけが際立って見えるのです。
青の"レンズ"を通すと、赤のインクと黄色のインクの部分が見え、赤の"レンズ"を通すと、水色のインクの部分が見えるので、3色の世界が見事に切り替わります。


まだ"みっつん"には、付属の"レンズ"は「獲物」として認識されて食べられてしまいそうだったので、もう少し彼の成長を待って、一緒に楽しもうと思います。
その頃には、姪っ子が読み聞かせをしてくれるかも・・・?

『いろいろへんないろのはじまり』

『いろいろへんないろのはじまり』


アーノルド・ローベル:作  まきた まつこ:やく

冨山房

1975年

¥1,400+税

 

 

 

色のない「はいいろのとき」を生きていた魔法使いが、青や黄・赤といった色を生み出しますが、色の使い方に慣れていない人々は色を使いこなせず、トラブルばかり。

なんとかせねば、と試行錯誤をつづけた魔法使いは、青・黄・赤を混ぜると紫や緑、橙色、茶色といったさまざまな色がつくれることを遂に発見します。

 


ほっこりする物語を読みすすめるうちに、絵の具の三原色(色の三原色)について知らず知らずのうちに考えることができる素敵な1冊です。

 

 

 

この絵本は、小学校3年生の姪っ子のお気に入りです。

まだ幼稚園生だったころに、読み聞かせをしてあげたところ、とってもお気に召したようでした。我が家に遊びに来るたびに、この絵本を読み聞かせしてほしいとせがまれるので「そんなにお気に入りならば」とプレゼントしました。

包み紙を開けた彼女の輝くような笑顔と、絵本を大事そうにギューッとしてくれた姿が忘れられません。

小学生になった今でもお気に入りなんだそうです。

『あおのじかん』

『あおのじかん』
イザベル・シムレール:文・絵   石津ちひろ:訳
岩波書店
2015年
¥1,700+税


夕方、空の色が変わる様子を"みっつん"と眺めていて、ふと思い立ってこの絵本を一緒に読みました。

「おひさまが しずみ
 よるが やってくるまでの ひととき
 あたりは あおい いろに そまる
 —それが あおの じかん」  
と始まり、ページをめくるごとに、少しずつ少しずつ青が深まり、夜が近づいてきます。

日ごろはバタバタと過ごしてしまい、気がついたら夜だった、ということがほとんどなのですが、この絵本を読んで2年前モンゴルに行ったときのことを思い出しました。
高い山もなく人工の光もほとんど見えない東ゴビで宿泊したときのことです。
太陽が沈んでもなかなか暗くならず、刻一刻と空の色が変化していきました。
日常を離れた旅の時間だったので、その様子をじっくりと味わうことができました。

明日の東京の日の入りは17:52。お天気がいまいちな予報ですが、もし晴れたら、“あおのじかん“を意識して”みっつん”と空を眺めてみたいです。


ちなみに、国立天文台の「暦計算室」の「各地のこよみ」から、日本各地の日の入り時刻が調べられます。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/