理科読日誌

2019年3月の記事一覧

『たんぽぽ』

『たんぽぽ』
甲斐信枝
金の星社
1984年
¥1,300+税

先日、近くの駐車場で春の野の花を"みっつん"と楽しんできました。
紫色のスミレ、青いオオイヌノフグリ、ピンクのホトケノザ、紫色の菜の花のようだったのはムラサキハナナでしょうか・・・?
面白いことに、多少入り交じりはするものの、半径1mくらいの範囲に種類ごとにまとまって咲いていました。草原のある一角は紫色、別の一角は青・・・と、まるでパッチワークのようでした。

そんな小さくてかわいらしい花々の中にあって、タンポポは、ひときわ鮮やかな黄色で存在感を放っておりました。
私にとっては、スミレやオオイヌノフグリなどの花よりもずっと早く出会った春の花です。幼いころ、春の花と言えば、タンポポかチューリップでした。
でも、チューリップはそこらへんに勝手に生えている花ではなかったので、もっぱらタンポポを愛でていたように思います。

そんな春の花の代表格といっても過言ではないタンポポが、甲斐信枝さんによって美しく描かれています。
『はっぱのうえに』同様、ページをめくるたびに春風が吹いてきそうな、そんな絵本です。

昨年の春は、"みっつん"はまだ、タンポポの綿毛で遊んでいないので、この春は綿毛ともたわむれたいと思っています。

『はっぱのうえに』

『はっぱのうえに』
たての ひろし
福音館書店
ちいさなかがくのとも 2019年4月号
¥440(税込み)


すっかり春ですね。
お散歩をしていると、公園や川原も生命力であふれているように感じます。
そんな春にぴったりの絵本が、ちいさなかがくのともシリーズ新刊として出ていました。
生物系の絵本は、とてもたくさん出版されるので、よほどのものでないと買わないぞ、と心に誓っているのですが・・・「よほどのもの」だったものですから、我が家の一員になりました。

作者は、『ぎふちょう』や『しでむし』、『つちはんみょう』を描かれた舘野鴻さんです。

とにかく絵が素晴らしい!
春の色に満ちたページを見ているだけで、うきうきした気持ちになってきます。
そして葉っぱの上にみつけた黄色い不思議な物体は何?
何?なに?
とページをめくっていくと、ほ~、そうだったのか!と驚きました。

二足歩行を極めつつある"みっつん"と公園に行く機会も増えました。
”みっつん”と手をつないで歩くので、普段よりも、ぐっと低いところを見るようになりました。
そんな機会を生かして、葉っぱの上に黄色い不思議な物体を見つけられないかなぁ?

『ぽとんぽとんは なんのおと』

『ぽとんぽとんは なんのおと』
神沢利子さく  平山栄三え
福音館書店
1980年こどものとも ・ 1985年こどものとも傑作集
¥800¥税

『はなを くんくん』は嗅覚で春を感じるお話でしたが、こちらは主に聴覚で春の訪れを感じるお話です。

冬眠中のクマの親子、”ぼうや”が外から聞こえる様々な音について尋ねると、”かあさん”がやさしく教えてくれます。
最後に「いい におい」を嗅いだ”ぼうや”に”かあさん”が教えてくれる言葉が素敵です。

「あたたかな かぜが はなの においを はこんできたのよ。」


はるかぜが心地よい季節になってきました。
”みっつん”とのお散歩でも、耳をすませ、鼻をくんくんして春の訪れをたくさん感じとりたいと思います。