理科読日誌

カテゴリ:体

手の話

幼稚園でおしゃべりに磨きをかけている年少の"みっつん"、子どもならではの自由な発想を微笑ましく思ったり、いつのまにか忘れてしまっていたものの見方を示されてハッとしたりしています。
「~坂道→動物の足の数~」では、坂道を自力で登れるものには足がある、という3歳の"みっつん"なりの理解をご紹介しました。
そこから動物の足の数にも興味が出た様子だった彼と、自宅にあった、動物が登場する絵本を「登場する動物の足の数」に注目して一緒に読んだ話を書きました。
今回は、その後日談です。

それは、ディズニーの「ターザン」を一緒に観ていた時でした。
わけあって、ジャングルでゴリラに育てられたターザンは、成長するに連れて、自分だけ仲間のゴリラたちと姿が違うことを気にし始めます。
ある日、なぜ自分だけ違うのか!?と迫ったターザンを母ゴリラは抱き寄せ、心臓の音を聞かせたり、目も2つ、耳も2つ、鼻も1つ…と「同じ」ところを挙げて慰めます。
手も2つ!と差し出されたターザンの手に、母ゴリラが手を重ねたとき、ターザンは2つの手の「違い」にハッとして戸惑います。
そのシーン、私も夫も、ヒトとゴリラの手の形の違い、親指の付き方の違いに戸惑っているのだと理解し、特段に気に留めてはいませんでした。
ところが、そのシーンをジッと見ていた"みっつん"は、「こう(手のひら側)と、こう(手の甲側)だからじゃない?」と言ったのです。
確かに、同じ人の手でも、手のひらと手の甲では、見え方が全然違います。
なるほど、君はターザンの戸惑いをそう理解したのだね、と思わず唸ってしまいました。

私たち大人は無意識に、「動物の種類が違うことによる手の形の違い」に着目をしましたが、"みっつん"は「手の向きによる形の違い」に注目していたのが印象的だったので、理科読してみました。
まずは『むかいあわせ』(よつもと あきら/かがくのとも特製版・1985年3月号/福音館書店)。
自然の中にあふれるシンメトリーな形がたくさん登場するのですが、途中にアシンメトリーなヤドカリが登場するところがお気に入りです。
"みっつん"も「あれ~?ちがうね~」とツッコミを入れながら楽しんでいました。

続いて『あしのうらのはなし』(やぎゅう げんいちろう/かがくのともえほん/福音館書店)。
この本にはゴリラも登場します。
「ゴリラだね」とのことだったので「ゴリラの手はどんな形?」と聞いてみるとじっくりとページを眺めて「ゴリラのあしのうらとてのひらは、よくにている」と絵本に書かれた文を読み上げていました。
ひらがなが読めるようになってきて、自分で口に出して読み上げることで、言い回しを獲得したり、理解を深めたりしている様子が見られるようになってきました。

『どうぶつのあしがたずかん』(文:加藤由子/絵:ヒサクニヒコ/岩崎書店/1989年)を読んだ後、"みっつん"が生後1か月、1年、2年の手形・足形を一緒に見比べ「成長だね」と言うと、「成長だね」と満足そうな様子でした。

『ほんとうのおおきさでみてみよう! だれのあし?』(写真:福田豊文/監修:今泉忠明/ひさかたチャイルド/2019年)を読み、動物園で確かめたくなっていた時に、ホワイトタイガーの足の裏は何色?というテレビのクイズと出会った"みっつん"は「ピンクだって!」と興奮気味に報告してくれました。
興味関心が湧いている時に関連する情報があると、自力でグイグイ吸収していけるのだなぁと実感した出来事でした。
やり過ぎにならない程度に、さりげなく環境を整えて、そそのかしていきたいです。

※ 写真:息子生後1か月と3歳の時の手形

 

『あしのうらのはなし』

『あしのうらのはなし』
やぎゅう げんいちろう
福音館書店
かがくのとも 1982年10月号 / かがくのとも傑作集 1982年
¥900+税

本日、"みっつん"の手形を取る機会がありました。
大型のスタンプ台(学研の「ぺったん」という商品)を使って、とても手軽に手形を取ることができました。

生後1カ月の時に、通常サイズのスタンプ台で手形・足形を取ったのですが、その時は、放っておくとグーになってしまう"みっつん"の手をこじ開け、インクを塗り、再びグーになる前に急いで画用紙を押しつけて・・・と夫婦で大騒ぎでした。

あれから9か月。
生後10か月になった"みっつん"は「パーにしててね」とお願いしたら、パーのままでいてくれました。
おまけに、このスタンプ台が大きくて作業も楽ちん☆
インクも落としやすい、といいことづくめでした。
¥3,300+税か・・・買おうかどうしようか悩むところです。
でも、手形や足形を取る実験教室には使えそうだし・・・とけっこう揺らいでいます。

取った手形を9カ月前の手形と比べてみたら、あぁこんなにキミは成長してくれていたんだね、と感無量です。
体重が3倍近くになり、日々大きくなっているとは思っていましたが、こうして形に残すと、より実感がわいてきました。


そんなこともあって、『てとゆび』に続いて、『あしのうらのはなし』を読みました。

最近、つかまり立ちをするようになった"みっつん"の足の裏につちふまず的なくぼみがうっすらと登場したように思います。
これから歩き出したら、もっと変化していくのでしょう。
ぷっくりむちむち足の裏とお別れなのは、ちょっぴりさみしいですが、成長は嬉しい限りです。

『てとゆび』

『てとゆび』

堀内誠一:ぶん・え

福音館書店

1969年7月 かがくのとも

2012年 かがくのとも特製版

¥900+税

※品切れ中なので、図書館で借りました

 

最近、"みっつん"は赤ちゃん用のおせんべいを自分の手で持って上手に食べられるようになってきました。最初のうちは、手で握ったはいいけれど、手からはみ出た部分を食べてしまうと、握りこんだ部分に残ったおせんべいは食べられず…そうこうするうちにおせんべいがベトベトになってしまって、「ひーん」と悲しい声を上げておりましたが、今では、残った部分もお口に押し込めるようになりました。ボーロもつまめますが、まだ力加減が難しく握りつぶしてしまいます。

 

「つかむ」や「つまむ」という動作は、こうやって少しずつできるようになっていくのだなぁ、と興味深く見守る日々です。


「手当て」という言葉を実感して育ちました。具合が悪いとき、どこかが痛む時に母の手をあててもらうと、不思議と痛みが和らいだり、気持ちが落ち着いたりします。

私の手も、"みっつん"にとって、そんなふうに心安らぐ手になれたらいいな、と願っています。

今のうちに、たくさん触れ合って過ごそうと思います。

『いーはとあーは』

『いーはとあーは』

やぎゅう げんいちろう

福音館書店

1997年3月 こどものとも年少版

2003年 福音館の幼児絵本

¥900+税

 


"みっつん"、次々に歯が顔を出しています。下の前歯2本に続き、上の前歯2本がしっかり出てきました。虫歯にならないように大事にしたいものです。

 


虫歯にまつわる絵本はあまたあれど、乳歯から永久歯へのはえかわりについて分かりやすくかかれた絵本というのは意外と少ないように思います。この『いーはとあーは』は、保育園や幼稚園での理科読「科学の本と遊び」でも読み聞かせている1冊です。

 


歯をよく見ると平べったい歯・とんがっている歯・ふとっている歯といろいろな形の歯があること、大人と子どもでは歯の大きさも本数も違うこと、そして、乳歯が抜けるときには、永久歯が下にスタンバイしてから、乳歯の根がだんだんなくなっていってグラグラしてくることなどがとても分かりやすく描かれています。

この絵本を読んでいたら、まだ生えそろってもいない"みっつん"の乳歯が、数年後には抜けるんだなぁと気の早いことを考えて、一人でしみじみしてしまいました。
"みっつん"の成長に合わせて、繰り返し一緒に読んでいきたいと思っています。