理科読日誌

カテゴリ:命

カタツムリ

春を感じたと思ったら、日中は暑いくらいの日が増えてきました。
そうこうしているうちに、あっという間に梅雨がやってきそうな気がします。
みなさんは、梅雨というとどんなものを思い浮かべるでしょうか?
「雨に濡れるアジサイとカタツムリ」というモチーフが浮かんだ方は多いのではないでしょうか?

昨年の梅雨時期、当時2歳だった"みっつん"と「かたつむり」を歌い、「お散歩しながらカタツムリを探してみよう!」ということになったのですが、これがなかなか出会えなかった!
アジサイはご近所にもたくさん咲いておりました。
花のない時期には気づかなかったのですが、こんなにたくさん植わっていたのかと驚くほどでした。
ところが、カタツムリとは一向に出会えませんでした。
でも、"みっつん"よりも私がカタツムリに出会いたくなってしまっていたので、まずは本で情報収集をしてみることにしました。

図書館で取り寄せた
『うまれたよ! カタツムリ』(武田晋一 写真/ボコヤマクリタ 構成・文/岩崎書店/2013年)
『かたつむり』(夏目 義一 作 /三枝 博幸 監修/福音館書店/月刊「かがくのとも」1997年3月号)
を"みっつん"と一緒に読みました。

その結果、私の方が
「赤ちゃんカタツムリって泳げるんだ!」
「食べたものでウンチの色が変わるの!?」
「けっこう なんでも食べちゃうんだ!」
などと発見が止まらず、大興奮してしまいました。

そして、梅雨時期のイメージが強いカタツムリですが、通年で出会えるチャンスがあることを確認し、気長に探す作戦に変更したのでした。

ところが、カタツムリへの情熱は長くは続かず、いつのまにか「カタツムリ探し」のミッションを忘れてしまっておりました。
ところが、出会いは10月に突然訪れました。その日は、仕事の間、ベビーシッターをお願いしていたのですが、仕事から帰宅すると、「かたつむり、つれてきたの!」と"みっつん"からの報告が。
"みっつん"が指さす方を見ると、テーブルの上に、オヤツに用意したヨーグルトのカップがのっています。
もしや、と思って中を覗くと、緑の葉っぱの上に直径1㎝ほどの殻に隠れたカタツムリがコロンとのっていました。
「散歩途中のブロック塀のところにいたんです。」とシッターさん。

それを聞いて、以前、テントウムシの蛹を探したときのことを思い出しました。
あの時も、葉っぱの上ばかり探して出会えなかったテントウムシの蛹が、ご近所の外壁にたくさんいたように、カタツムリもアジサイの葉っぱばかり探していては駄目だったんですね・・・。

「ムシ」が怖い"みっつん"は、カタツムリに興味はあるものの、おっかなびっくりといった様子だったので、「カタツムリはとてもゆっくり動くから怖くないよ」と伝えてみたのですが、半信半疑な様子。
そこで、視点を変えて、「カタツムリはね、虫じゃなくて、貝の仲間なんだよ」と伝えてみました。
すると、アサリやシジミなど貝は美味しいということを思い出したようで、「じゃあ、こわくないね!」と笑顔になり、興味深そうに殻に閉じこもったカタツムリをながめていました。

「かたつむり」の歌に登場した、「あたま」や「めだま」や「つの」、「やり」を見たいのですが、なかなか殻から出てきてくれません。
そこで、絵本を参考にキャベツやニンジンなどを用意して、数日間、我が家に滞在してもらいました。
(あとになって、『小学館の図鑑NEO 飼育と観察』が自宅にあったことを思い出しました。)

その後、「アジサイの葉っぱ」という先入観を捨てたことで、同じブロック塀や、近くの墓地の水道のところなどでカタツムリを見つけられました。
今年の梅雨時期には、カタツムリと出会えるか、今から楽しみです。

『ふゆめ がっしょうだん』

『ふゆめ がっしょうだん』
冨成忠夫、茂木透:写真  長 新太:文
福音館書店
1986年 かがくのとも  1990年 かがくのとも傑作集
¥838+税

めっきり寒くなり、すっかり葉を落とした木々がなんだか寒そうです。
でも、そんな冬の木もよく見ると、春に向けての準備がちゃくちゃくと進んでいて、ふっくらとした「冬芽(ふゆめ)」を見つけることができます。

そんな冬芽に注目したのがこの写真絵本です。
だれかの顔のように見える冬芽を集めています。

わたしたちの脳は、3つの点を見ると顔だと認識してしまうのだそうで、このような現象には「シミュラクラ現象」という名前がついています。

冬の間、"みっつん"と散歩をしながら、顔に見える冬芽を探してみようと思います。

『葉っぱのフレディ』

『葉っぱのフレディ -いのちの旅-』
レオ・バスカーリア:作  みらい なな:訳
童話屋
1998年
¥1,500

春に生まれた葉っぱのフレディの目から見た四季の世界が語られていきます。
生まれて初めての1年間を過ごしている"みっつん"にとっても、今年の四季はこんなふうに新鮮に感じているのかな?と思いながら、一緒に読んでいます。

とても言葉の多い絵本なので、0歳の"みっつん"が最初から最後まで集中して聞くのは難しいです。
でも、それぞれのページに描かれた葉っぱのフレディの絵や、四季折々の写真を一緒に眺めたり、「レオさん、ごめんなさい」と言いながら、"母による超ダイジェスト版"をお届けしてみたりしています。
そして、外へ出て散歩をしながら、紅葉を見つけると「葉っぱのフレディみたいだね」などと話しかけています。

この絵本の最初のページには、作者からのメッセ―ジとして
「 この絵本を
  死別の悲しみに直面した子どもたちと 死について的確な説明ができない大人たち
 死と無縁のように青春を謳歌している若者たち そして編集者バーバラ・スラックへ 贈ります。」
という言葉が添えられています。

いつか"みっつん"がもう少し大きくなったら、この絵本が本当に伝えたいメッセージも一緒に味わっていきたいです。

『からだのなかでドゥンドゥンドゥン』

『からだのなかでドゥンドゥンドゥン』
木坂涼:ぶん   あべ弘士:え
福音館書店
2002年
¥900+税

人も、"いぬのコロ"も、"ねこのミーコ"も、とかげも、とりも…みんなみんな、からだのなかで命の音がします。

この絵本を読んでいたら、"みっつん"がお腹にいることが分かった日の検診を思い出しました。エコーの画面を見せていただきました。まだ小さな丸っこい"何か"の中で、小さな小さな心臓が、トクントクントクントクンと猛スピードで動いているのが見えました。
まだ人の形にもなっていないのに、懸命に生きているその姿を見て、なんて愛おしいのだろうと一瞬でハートをわしづかみにされてしまいました。

つわりがしんどくても、検診で"みっつん"の鼓動が見えるたびに、「キミが無事に育っているなら仕方ないか。がんばるわ~。」と思えました。
切迫早産で入院になってしまったときも、毎朝の検査で"みっつん"の心音を聞くのが何よりの励みになりました。愛おしい命の音です。

なかなか眠れずにグズグズするときには、抱っこ紐に入れると寝てくれます。助産師さんに「お母さんの鼓動を聞くと安心するみたいですよ。」と教えていただきました。お腹の中では、かなり盛大なボリュームで母親の鼓動が聞こえ続けているそうです。
ずうっと抱っこはなかなか体力的にしんどいこともありますが、自分の鼓動で安心してくれていると思うと…がんばれます。