理科読日誌

親子で楽しむ科学の本

『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』

『ひろった あつめた ぼくのドングリ図鑑』
盛口満
岩崎書店
2010年
¥1,400+税

今日は、秋晴れの気持ちよい一日でした。
"みっつん"とドングリを拾ったので、いそいそとこの本を広げてみました。

タイトルに「ぼくの」と入っている通り、著者の盛口さんが拾って集めたドングリをずらりと描いた図鑑です。
たとえばシラカシという1種類のドングリが1ページびっしりと描かれていたりします。
一言で「シラカシのドングリ」と言っても、実際に拾ってみると色も形も千差万別。

自分が拾ってみると、「個体差」というものを実感します。
個体差があるけれど、種類ごとに共通する部分もあるのが、趣深いです。

さて、今日拾ったのは、何でしょう?

図鑑とにらめっこしてみましたが、うーん、難しいです。
シラカシとコナラと・・・写真撮りそびれましたが、クヌギもありました。

姪っ子がまだ幼稚園生だったころ、ドングリをたくさん拾って帰り、数日後に、にょっこりと虫さんが登場して大騒ぎだったようです。
それ以来、保管はベランダという決まりができたとか。

絵心というものは持ち合わせていないのですが、いつか"みっつん"がドングリ拾いにハマるお年頃になったら、「わたしたちのドングリ図鑑~写真版~」をつくれたら楽しそうだなぁ、なんて思いました。

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』

『たねのずかん ●とぶ・はじける・くっつく●』
(みるずかん・かんじるずかん<金の本>)
高森登志夫:え  古谷一穂:ぶん
福音館書店
1990年
¥1,300+税


わたげのついたタネ、くるくるまわるタネ、はじけ飛ぶタネなど、同じような作戦をとるタネが見開き2ページにまとまって紹介されています。
この図鑑の素敵なところは、ページをめくると、それぞれのタネが描かれていた場所にその植物の花や実がなっている様子が対応して描かれているところです。

タネを見かけても、それがどの植物のタネかということは案外難しい問題です。
風に乗って飛んできたタネだったら、辺りを見回しても見当たらないこともあります。
雑木林のような所だと、周りに植物がありすぎて、一体全体どの植物から落ちてきたのか・飛んできたのか、さっぱりお手上げ・・・なんてこともあります。

そんなときに、花や実、葉っぱなどの手がかりがあると、「もしかしたら、あれかな?」と諦めずにちょっぴり探してみようかな、という気持ちになれるものです。

もう1つ素敵なポイントは、ほとんどのタネが実物大で描かれているところです。注意深くページの右下を見ると、「ほんものの、おおきさです」とか「ほんものの2ばいの、おおきさです」と書いてあるので、それも目の前の"未知のタネ"についての貴重な情報になります。
ほんものの大きさって、いいですよね。
以前紹介した『小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大どうぶつ館』もそうですが、実物大というだけで、抽象度が減ってグッと捉えやすくなるように思います。

植物にはとんと疎くて、「あ~、赤いお花が咲いてるな~」とか「細い葉っぱがいっぱい茂ってるわ~」くらいにしか判別できない私には、このくらいざっくりした図鑑が嬉しいです。

"みっつん"とのお散歩で出会ったタネが、この図鑑に載っていたらラッキー、くらいの軽い気持ちでいようと思います。
いいんです、具体的な名前までつきとめられなくても。
「形が似ているから、きっと"クルクル回る作戦"なんだろうな」くらいのことが分かったら、楽しいじゃないですか。

『あずきまる』

『あずきまる』
早川純子
農山漁村文化協会
2008年

そろそろ小豆の収穫時期でしょうか。
"さや"の中で育った「あずきまる」たちは、自分たちにそっくりな、まるくてピカピカなそっくりさんに食べられたい!と育ててくれたタヌキに直談判。

国際マメ年に、豆をテーマに実験教室を実施した際、参加した小学生の女の子に教わった1冊です。
実験教室で、

『アズキの絵本』
十勝農業試験場アズキグループ:へん  はやかわ じゅんこ:え
農山漁村文化協会
2006年
2,500円+税

という別の絵本を紹介したところ、その絵を見て「あっ!あずきまるの人の絵だ!」と大喜び。
大好きな絵本なのだと教えてくれました。

つやつやピカピカのあずきまるの絵は、"みっつん"も気に入ったようです。特に、表紙のあずきまるの大きな目を重点的にねらってきます。

お豆のマラカスの小豆を見せつつ、「これが小豆だよ」、「もう少し大きくなったら、一緒にあんこをつくったり、お赤飯をつくったりして食べようね」などと話をしています。

『OPPOSITES たいしょうご』

『OPPOSITES たいしょうご』
Patrick Gerorge
Silverback Co. Ltd
2010
※残念ながら、品切れ中です

数年前に、友人の出産祝いを探していたときに書店で見かけて一目惚れ。
即購入してプレゼントしました。
"みっつん"が生まれて、我が家にもほしいなと思い探しに探しましたが品切れ中で見つけられず・・・。
それでもどうしても諦めきれず・・・。
初めてフリマ・アプリを使いました。

とても秀逸な仕掛け絵本です。
左右のページに「対照語」が描かれています。

たとえば、「おおきい Big」というページには上を見上げている人の小さなシルエットが描かれ、反対のページには「ちいさい Small」という言葉と大きな手のシルエットが描かれています。
この見開きの間に、透明シートに描かれた円が挟まっているのです。
透明シートを「おおきい Big」のページに重ねると、大きなボールを小さな人が見上げている構図になり、透明シートをめくって「ちいさい Small」のページに重ねると、小さなボールを指でつまんでいるようなイラストになるのです。

とてもシンプルな言葉とイラストですが、透明シートを左右どちらのページに重ねてみるかで、見事に反対の世界が広がります。


目下、「紙は獲物」な お年頃の"みっつん"ですが、紙のページと透明シートのページをなでなでして、手ざわりの違いを研究していました。対照語としての趣深さは、まだわからないと思いますが、はっきりした色使いやシンプルなイラストは結構お気に入りのようです。

それにしても、本の「一期一会っぷり」が加速してきているように感じます。出版業界の厳しさは、たびたび話題になりますが、もう少しじっくり時間をかけて売れるようになったら、こういう素敵な本と出会える機会が増えるのにな・・・ともどかしく感じます。
出会ったときに買わないと、本当にあっという間に姿を消してしまいますね。

『もりに かくれているのは だあれ?』

『もりに かくれているのは だあれ?』
アイナ・ベスタルド:さく  きた なおこ:やく
青幻舎
2017年
¥1,900+税


先日、『いろいろへんないろのはじまり』のことがお気に入りの姪っ子の話を書きました。この絵本も、彼女のお気に召した1冊です。

緑・青・赤3色の"レンズ"がついていて、それぞれの眼鏡でのぞいて見ると、1つのページの上にまったく違う世界が広がります。

同じようなしかけの絵本はほかにもありますが、この絵本が優れているのは、付属の"レンズ"が大きくて覗きやすい点です。
こどもにとって、片目で覗くというのは案外難しいことです。この絵本の場合、"レンズ"が十分に大きいので両目で覗けるところが素晴らしいと思います。

そして、青の"レンズ"で覗いた世界が明るく見やすい点も優れています。
別の絵本で、青いフィルターで覗いた世界が暗すぎて、せっかくのしかけが見えず、残念!という思いをしたことがありますが、この絵本はノーストレスです。


たとえば、赤い光だけがはね返されれば、私たちは「赤い物」として見ることになります。
このように、光源から出た白色光のうち、物によってはね返された色の光が私たちの目に届きます。
この絵本では、赤・水色・黄色の3色のインクで描かれていますが、緑の"レンズ"を通すと、赤のインクで描かれた部分だけが際立って見えるのです。
青の"レンズ"を通すと、赤のインクと黄色のインクの部分が見え、赤の"レンズ"を通すと、水色のインクの部分が見えるので、3色の世界が見事に切り替わります。


まだ"みっつん"には、付属の"レンズ"は「獲物」として認識されて食べられてしまいそうだったので、もう少し彼の成長を待って、一緒に楽しもうと思います。
その頃には、姪っ子が読み聞かせをしてくれるかも・・・?